口腔外科の頼り方
親知らずの抜歯や基礎疾患がある場合の診療も
志木かくや歯科クリニック
(新座市/志木駅)
最終更新日:2024/10/15


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抜歯を行う診療分野というイメージを持つ人も多いであろう口腔外科は、口腔内だけではなく顎や口周りの外科手術も担う。歯茎の切開を伴う抜歯をはじめ、顎関節症や口腔内の粘膜疾患などの治療も対象範囲だ。設備の整う病院では、口腔がんの治療、全身麻酔下での外科手術も実施されるが、口腔外科を標榜するクリニックでは、歯科医師の専門分野や院内設備によって対応できる治療内容が変わる。志木駅から徒歩3分ほどの場所に2024年に開業した「志木かくや歯科クリニック」の角屋貴則院長は、長年大学病院で口腔外科の歯科医師として勤務した経験を持ち、同院では「全身麻酔が必要なもの以外ほとんどの治療が可能」と話す。そんな角屋院長に、実際どんな時に口腔外科を掲げるクリニックを訪ねるといいのか、詳しく教えてもらった。
(取材日2024年9月24日)
目次
全身疾患の不安がある患者も、経験を生かしてフォロー。難症例の抜歯やインプラントにも対応
- Q口腔外科と一般歯科はどう違うのでしょうか?
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A
▲口腔外科出身として、さまざまな経験をしてきた
歯科医師は皆専門的な勉強をして研鑽を積んでいますが、口腔外科はそこから発展してより専門的な経験を積みます。医科の研修医とともに病院での経験を積んだり、外科手術などでは鎮静下で全身管理をしながらの治療も経験します。ですので、治療中に患者さんの体調に変化があった際にも適切なフォローができ、その対応力が違いの一つに挙げられます。診療内容としては、抜歯、歯牙移植、歯根端切除、嚢胞や良性腫瘍の切除、口腔内粘膜疾患の治療などさまざまです。院内でそのものの治療ができない場合であっても、口腔外科出身の歯科医師であれば、紹介先でどのような治療をするのか説明ができ、早期の検査や治療が必要なのかの判断もできます。
- Q有病者歯科診療について教えてください。
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A
▲全身管理もしっかりと行える
有病者歯科診療とは、高血圧症や糖尿病、心疾患、脳梗塞といった全身疾患がある方へ、安全性を考慮しながら行う歯科診療のことです。口腔外科の外科手術の際は患者さんの病気とお飲みになっている治療薬によって、気をつけるべきこと、やってはいけないことが決められています。例えば、最近であれば骨粗しょう症のある治療薬は、外科処置後に炎症が悪化したり、骨が腐ったりといった副作用が現れる恐れも。糖尿病は感染しやすい病気のため抗生剤の処方の仕方にも気をつけています。そのような有病者診療のガイドラインを把握していますので、安心してご相談ください。慢性疾患の方は、場合によっては主治医の先生に連絡を取らせていただきます。
- Qインプラント治療も口腔外科の経験が生かされるそうですね。
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A
▲経験に基づき適したインプラント治療を提案
インプラント治療は口腔外科を標榜しない一般的なクリニックでも対応可能な治療方法です。ですので、必ずしも口腔外科を掲げるクリニックで治療したほうがいいわけではありませんが、先ほどの答えにも挙げたように、処置中に体調面の変化などを含め、何かあった場合にスムーズな対応ができるという強みがあります。特にご高齢の方が選択することの多い治療ですから、口腔外科でインプラント治療を受けるメリットはあると思います。もちろん、顎や骨の外科手術について経験を積んできていますから、さまざまな症例に対応でき、より適したインプラント治療を安全性に配慮しながらご提案することが可能だと考えています。
- Q親知らずの抜歯はどのようなケースまで対応可能でしょうか?
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A
▲口腔外科出身のため、難しい抜歯も可能
当院ではどのような親知らずでも抜歯できるよう体制を整えています。通常大きな病院へ紹介されることの多い歯肉の切開や、骨の削り取りといった外科手術を要する抜歯も対応可能です。その際、重視していることの一つが、化膿止めなどの薬の使い方です。飲むタイミングや量、服用中の薬との兼ね合いなど、患者さんに合わせて処方し、使い方も丁寧に説明しています。これは口腔外科での経験が生かされているところかもしれません。また、抜歯が必要な親知らずかどうかも見極められますので、ご相談ください。必要に応じて矯正歯科とも連携して治療を進めていくことも可能です。
- Q今後、口腔外科を通じてどのようなことを行っていきたいですか?
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A
▲歯科治療を通して、地域に根差したクリニックをめざす
有病者歯科診療ができることを広く知ってもらい、病気を抱える方でも気軽にクリニックに通っていただけるようにしたいと思っています。以前、訪問歯科を行っていた際に、「食事の楽しみ」の重要性に気づかされました。食事を楽しむにはお口の健康維持が不可欠です。医科では、加齢による心身の衰えを予防する「フレイル予防」が掲げられてきましたが、歯科でも口腔内の機能維持をめざす「オーラルフレイル対策」に取り組んでいます。加えて、クリニックにご自身で定期的に予約を入れて受診するというサイクルによって、認知症の予防にもつなげられれば、地域に根差すクリニックとして役立てるのではないかと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万5000円、矯正/77万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。