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菊池 大輔 院長の独自取材記事

消化器と診断・治療内視鏡クリニック

(川崎市高津区/溝の口駅)

最終更新日:2024/06/14

菊池大輔院長 消化器と診断・治療内視鏡クリニック main

東急田園都市線・大井町線溝の口駅やJR南武線武蔵溝ノ口駅の南口からすぐ、県道沿いのビル3階にある「消化器と診断・治療内視鏡クリニック」。「国家公務員共済組合連合会 虎の門病院」で消化器内科部長も務め、消化器内視鏡診療の第一線で活躍している菊池大輔院長が、2024年4月に開院した。「世界的にも高い水準にある日本の内視鏡診療ですが、患者さん視点からは決してアクセスの良いものといえないのが現状。世界に通じる内視鏡診療を、より身近に受けていただける拠点として当院をオープンしました」と、菊池院長は話す。日帰り内視鏡を特徴とする同院の診療について、詳しく話を聞いた。

(取材日2024年5月22日)

内視鏡医療をより身近な場所で

まずは開院に至られた経緯をお聞かせください。

菊池大輔院長 消化器と診断・治療内視鏡クリニック1

もともと開業を考えていたわけではなく、「国家公務員共済組合連合会 虎の門病院」で医師人生の大半を過ごしてきました。消化器内視鏡による治療と治療前の検査を中心に手がけてきましたが、立場が上がるにしたがい会議や委員会などに出なくてはいけなく、徐々に患者さんと直接接する機会の減少を実感。内視鏡診療を、希望されるすべての患者さんに届ける拠点が地域レベルに求められていることも感じ、当院の開院に至りました。現在も虎の門病院での勤務を継続しているほか、従来診療と並行して行ってきた医療機器の開発やコンサルティングにもさらに力を注ぐため、個人的に新たに企業も立ちあげています。

日本の内視鏡医療は世界的にもレベルが高いのでしょうか。

消化器内視鏡では日本製の機器が世界シェアの9割を占めており、国内の医師や研究者により構築されたエビデンスが、広く世界中で活用されています。技術的にもレベルが高く、私自身もアジアを中心に世界各国で検査・治療の指導等にあたってきました。世界の医師と交流すると、欧米では内視鏡検査を入院で行うという感覚が薄いことに気づきます。日本レベルと比較すると海外医師のレベルは、決して十分とはいえない技量の医師でも、外来での内視鏡医療を提供している海外の状況を知り、他国でできることがさらにレベルの高い日本でできないわけはないと感じました。国内でも内視鏡医療の裾野を広げる必要があることを強く感じ、そうしたことも当院の開院につながっています。

クリニックの特徴を教えてください。

菊池大輔院長 消化器と診断・治療内視鏡クリニック2

安全性に配慮した消化器内視鏡診療を、日帰りで受けていただけることが最大の特徴です。上部消化管・下部消化管の検査はもちろん、入院不要で対応可能と判断できるケースであれば、日帰りで治療までを一貫して受けていただけます。コールドスネアポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術・剥離術などに対応しており、検査によりポリープや早期がんが見つかった場合に即対応することも可能です。安全性を確保するために、点滴やモニターなどを安全に配置できるよう院内スペースを広く確保。クリニックの立地も、虎の門病院分院や聖マリアンナ医科大学病院、帝京大学医学部附属溝口病院といった地域の機関病院へのアクセスを考慮して決定しました。連絡バスや路線バスで各病院へアクセスできるうえ、溝の口駅前ということで比較的遠方からも負担なく来院いただけると思います。

充実した検査体制で、適切な治療を

どのような検査体制になっているのでしょうか。

菊池大輔院長 消化器と診断・治療内視鏡クリニック3

多くの検査は、80倍の拡大内視鏡を使用しており、腫瘍の存在だけでなく、良性か悪性かを確認する質的診断が可能です。また、エックス線を用いて体を透視しながら消化管内部の様子を観察できる、透視システムも完備。胃や食道の拡張具合や蠕動運動の状態などを確認する機能検査も可能となっており、逆流性食道炎の診断などに活用できます。胃カメラは経口・経鼻から選べ、大腸カメラとの同日検査も可能。検査に関わる医師、臨床検査技師、看護師は、一定以上の経験を持ったスタッフをそろえているので、患者さんの負担を考慮し精密な検査を行うことができます。まずは丁寧に内視鏡操作をすることで、苦痛の少ない検査をするよう心がけています。鎮静剤の使用も可能ですが、安全性を考慮してなるべく少量に抑えるのが当院の方針です。必要に応じて検査中に増量することもありますが、声をかければ受け答えが可能な意識レベルを保つことがベストと考えています。

どのような患者さんが多く受診されていますか。

検査以外では、胸焼けや胃もたれといった症状や、便秘などの便通異常を訴える方が多いですね。咽頭がん、食道がん、胃がん、大腸がんなどの治療後のフォローアップの患者さんも多くいらっしゃいます。病院勤務時代には60代から70代といった比較的高齢の方の消化器がんを中心に診ていたので、クリニックでの診療で、改めて若い世代で食道や胃の酸関連症状に悩む方が多いことに驚いています。

逆流性食道炎の方も多いのでしょうか。

菊池大輔院長 消化器と診断・治療内視鏡クリニック4

多いですね。逆流性食道炎は一度診断されると酸を抑えるための薬を処方されることになりますが、診断・処方が経験則に頼る部分が大きいのが現状です。最初の段階で強力に酸を抑えるための薬を用いて状態を落ち着かせ、その後徐々に減薬をめざすのが良いのですが、確定的に状態を把握することが難しい状況では、治療抵抗性のある方にのみ強い薬を出すという方法に留まっていました。機能検査により状態を詳しく把握して診断できれば、より効率の良い治療方針を立てられます。初期治療で効果的に状態を改善させられれば、減薬をめざす治療も可能となるでしょう。

内視鏡医療のすそ野を広げるべく、関連事業にも注力

先生は開業と同時に企業も立ちあげられたのですね。

菊池大輔院長 消化器と診断・治療内視鏡クリニック5

病院勤務と並行し、15年ほどの間に複数の内視鏡関連機器を企業とともに研究・開発に携わってきました。アイデアを形にする製品化はとても楽しい作業なのですが、企業と協働するには制約もあり、自分の力で世に出すことができればと起業に至ったのです。現在は、便秘の方の服薬管理アプリなどの開発とともに、ドクターへのコンサルテーションも実施しています。内視鏡医療のすそ野を広げるためにも、今後も当院のような内視鏡クリニックを増やしていく必要があると感じており、内視鏡分野に特化した開業コンサルタントとしても活動していきたいと考えています。

医師を志されたきっかけは何ですか?

父が医師志望だったことでしょうか。佐渡島から中学卒業と同時に上京した父は、苦労をして奨学金を得て、一念発起して大学法学部に進み弁護士となりました。学費の高額な医学部は諦めざるを得なかったそうです。私自身、一旦は理工学部に進学したものの、卒業前に医学部を受験し直して医師をめざすこととなりました。在学中に父は亡くなりましたが、こうして医師となり最後に恩返しができたかなと思っています。

休日の息抜きに楽しんでいらっしゃることなどあれば教えてください。

昨今の働き方改革とは逆行しますが、働くことが好きで息抜きの時間はほぼありません。そんななかで、診療と並行しての機器開発が唯一の趣味でしょうか。就寝中でもアイデアが浮かべば飛び起きてメモやラフスケッチを描いたり、時間があれば模型を試作したりしています。少しでも安全に、簡単にできないかというのがアイデアの源。コロナ禍では感染対策に役立つグッズをつくって子どもたちと一緒に使ったりもしました。小学生くらいの頃に思いついたアイデアが後日ある企業から商品化されているのを見てショックを受けた経験があり、その際に父から知的財産権について指導を受けたのをよく覚えています(笑)。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

菊池大輔院長 消化器と診断・治療内視鏡クリニック6

安全を担保しながら、しっかりとした診断と治療を行っていきたいと思っています。クリニックとして法的に求められている範囲内で、できる限り病院レベルに近い診療を実践できるよう、体制を整えていきたいです。日本は欧米と比較して入院へのハードルが低いですが、入院することですべてが安全に行われていると考えております。今後この考え方は変わっていくと考えられ、日帰り内視鏡が根づくかどうかは、当院のようなクリニックの存在にかかっていると感じています。当院でのデータも積み重ね、日帰りと入院のメリット・デメリットを示すエビデンスにより正しい体制構築へとつなげられるよう、仲間とともに研究会も立ち上げていきたいと思っております。内視鏡主体のクリニックではありますが、超音波を含めた多様な検査を気軽に受けていただける拠点です。症状でお困りの方も多いと存じますので、気がかりや疑問があればぜひご相談ください。

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