考えよう、未来のこと
体の「今」を知るプレコンセプションケア
Shinjuku ART Clinic
(新宿区/西新宿駅)
最終更新日:2025/11/14
- 自由診療
生まれてくる赤ちゃんの健康リスクを減らし、出産・育児の負担を軽くするには、早い段階からの健康づくりが欠かせない。ライフスタイルの多様化や女性のキャリア志向の高まりで出産年齢が上がる中、体と向き合い始めるタイミングは早ければ早いほど良いといえるだろう。そこで考えたいのが、適切な検査で自分とパートナーの体の「今」を知って健康管理に生かす「プレコンセプションケア」だ。短時間で検査でき、都では費用の助成もあるため、若年層も気軽に受けることができる。東京都の協力医療機関として「プレコンセプションケアと妊活の総合健診」を行う「Shinjuku ART Clinic」の阿部崇院長に、プレコンセプションケアのメリットや検査内容について詳しく聞いた。
(取材日2025年10月10日)
目次
将来の妊娠を考えたときに受けておきたいプレコンセプションケア。検査自体は30分から1時間で完了
- Qプレコンセプションケアについて教えてください。
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A
▲妊娠前から始める健康づくり「プレコンセプションケア」
「プレコンセプション」は「妊娠前の」という意味で、妊娠可能な年齢のすべての人を対象とした健康づくりのことです。アメリカのCDC(疾病予防管理センター)やWHO(世界保健機関)が提唱し、日本でも国や東京都が推進したことで知られるようになりました。健康づくりというと自己管理のイメージがあるかもしれませんが、プレコンセプションケアは専門知識がある医療従事者が検査をし、適切な支援をする取り組みです。できるだけ早く赤ちゃんが欲しいカップルや、病気などで特に健康管理が必要な人はもちろんですが、「子どもを生むかどうかわからないけど、将来に備えて自分の状態を知っておきたい」といった方にもお勧めしたいですね。
- Q現時点で妊娠を考えていない人も受けられるのですね。
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A
▲妊娠を考えていなくても受けられる検査と、そのための設備が整う
妊娠に対する希望は、その時置かれた環境によって変わることがあります。今は忙しくて子どもを望む気持ちになれなくても、数年後に状況が変われば「子どもを産んで育てたい」と思うかもしれません。その時になって焦らずに済むように、妊娠を望むかどうかに関わらずプレコンセプションケアをお勧めします。「結婚が決まり、いずれは子どもが欲しいと思っている」「妊活を始めるにあたって、自分の体の状態を知っておきたい」「将来に備えて卵子凍結を考えたい」といったタイミングで、気軽に受けてみてほしいですね。検査自体は30分から1時間ほどで終わるので、効率的に検査をしたい多忙な方にも向いています。
- Q早くから自分の体について知るメリットを教えてください。
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A
▲若いうちから体を知ることで、将来の選択肢が広がる鍵となる
年を重ねると卵子や精子の質が落ち、妊娠できる確率が低下します。一方で、流産や合併症のリスクは上昇します。しかし、そうした知識がないまま年を重ね、妊娠・出産を考えた時に初めて「難しい」と知る方も少なくありません。若いうちに正しい知識を持つことで、妊娠しやすく、安全に配慮しながら出産できる年齢を踏まえてライフプランを設計することができます。検査で不妊症のリスクがあることがわかれば、早めに適切なケアをしたり、治療したりすることで、妊娠・出産の可能性を高めることも期待できるでしょう。プレコンセプションケアは不妊治療とも密接に関連しており、妊娠・出産を考える可能性があるすべての方にとってとても重要です。
- Q具体的には、どんな検査をするのですか?
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A
▲男女別の検査項目で、体の状態をしっかり確認する設備が充実
当院は「プレコンセプションケアと妊活の総合健診」として、女性プランと男性プランを設けています。女性プランは、AMH検査(卵巣年齢検査)、甲状腺ホルモン検査、風疹抗体検査、B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV、クラミジアを調べる感染症検査。男性プランは、精液検査、風疹抗体検査のほか、B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIVの感染症検査、淋菌クラミジア検査です。オプションとして、希望があれば、各種ホルモン検査、麻疹抗体検査、ABO式またはRH式の血液型検査などの血液検査や、経膣超音波検査、卵管通水検査、淋菌クラミジア検査、子宮頸がん検査、子宮体がん検査を追加することができます。
- Q検査の流れを教えてください。
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A
▲予約から検査までスムーズ、忙しい人にも向いていると語る院長
まずは、当院のホームページのメニュー画面から「プレコンセプション検査」で予約をお取りください。予約当日は、受付でお渡しする問診票に記入していただいた後、医師がお話を伺います。必要なオプション検査もこの時にご提案しますので、相談して検査内容を決めましょう。検査内容が決まったら、女性は採血でホルモン値などをチェックし、超音波検査で子宮、卵巣の状態を確認します。また、男性は精液検査をご案内します。ただし、卵管通過性の検査をご希望の場合は、後日あらためて受診してください。結果は後日郵送しますが、受診していただき、医師が直接ご説明することも可能です。
自由診療費用の目安
自由診療とは女性プラン/2万4178円~、男性プラン/1万6170円~、各種ホルモン検査:1万円~、麻疹抗体検査:3000円~、血液検査:1100円~、経膣超音波検査:5000円~、卵管通水検査:6000円~、淋菌クラミジア検査:4000円~、子宮頸がん検査:5000円~、子宮体がん検査:3000円~

