働き世代に多い眼精疲労
全身症状に進行する前に早めの受診を
かまた眼科クリニック
(大田区/蒲田駅)
最終更新日:2025/04/11


- 保険診療
パソコンやスマホの使いすぎや、老眼によるピント調節機能の低下などによって起こるかすみ・痛み・充血といった目の症状。それが進行すると、頭痛・肩凝り・吐き気などの全身症状が起こり、さらに慢性化した状態が眼精疲労である。日常生活の見直しや市販のサプリメントなどを用いたセルフケアも一般的に行われている。しかし、ほかの病気が原因の場合もあるため、早めに眼科を受診することが大切だ。「かまた眼科クリニック」の望月直樹院長は、飲み薬や目薬に加え、目の状態を体の内側から改善するためのプラスアルファの提案にも注力している。「目の疲れの原因を探り、点眼薬の処方や視力の矯正など適切に対処することで症状の改善が期待できます」と語る望月先生に、眼精疲労の原因や症状、治療法、日常生活での注意点などを詳しく聞いた。
(取材日2025年3月26日)
目次
生活習慣の見直しや適切な治療で症状の改善を図る。合わない眼鏡が原因のことも多いため、まず眼科に相談を
- Q眼精疲労の原因を教えてください。
-
A
▲眼精疲労の原因について語る望月院長
ものを見るときに水晶体を調節する毛様体筋や、眼球を動かす外眼筋の疲れ・凝りにより起こるのが眼精疲労です。原因として「パソコンやスマートフォンのようなモニター画面を凝視する時間が長い」「軽度の遠視や乱視に気づかず無理をして見ている」「使用する眼鏡やコンタクトレンズが合っていない」「老眼によってピントの調節機能が落ちている」などが考えられます。また、緑内障や白内障、ドライアイのような目の病気による影響や、体の病気やストレスで血流が阻害されることによって眼精疲労が起こる場合もあるため、注意が必要です。
- Q眼精疲労の症状にはどういったものがあるのでしょうか?
-
A
▲眼精疲労は全身に症状が現れることも
疲れ目と同じく「視界がぼやけたり、かすんだりする」「目がしょぼしょぼする」「目が重くなる」「目の奥が痛む」「ピントを合わせにくい」「目が充血する」「目が乾く」「まぶしく感じる」といった症状が見られます。さらに、そうした症状が進行し、「頭痛」「吐き気」「肩や首の凝り」「めまいやふらつき」「倦怠感」といった全身症状が現れることがあります。これらは目を休めて睡眠を取っても回復せず、慢性的に症状が続きます。
- Qどのようなタイミングで受診すると良いのでしょうか?
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A
▲症状が続く場合は眼科を受診してほしいという
眼精疲労は、パソコンをよく使用する働き世代と、老眼が始まる世代に多く見られます。老眼によってピントの調節機能が落ちてくると、より良く見ようとして目の力を使います。それが毎日続くので目が疲れるのです。また、眼鏡やコンタクトが合わずに目が疲れる人も数多くいます。特に若い方は、視力が変わりやすいため、年に1回は眼科か眼鏡店で度数確認をしていただきたいですね。多忙などの理由で目の疲れを放置すると、ただの疲れ目から、眼精疲労に進行し、目だけでなく全身に症状が出てきてしまいます。目に疲れを感じたら取りあえず市販薬を飲んでみて、それでも治らない場合、眼科を受診するのでも良いと思います。
- Q具体的に、どのような治療を行うのでしょうか?
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A
▲精度の高い検査をめざし、さまざまな検査機器をそろえている
眼精疲労と関係しやすい目の病気、全身の病気がないことを確認し、疲れの原因を探って解決を図ります。痛みやかすみなどは処方した目薬で改善が望めますし、遠視や乱視、今の視力に合わない眼鏡・コンタクトレンズが原因なら、検査をもとに適切な視力への矯正が必要です。また最近は、眼精疲労とドライアイ、両方の症状を訴える患者さんが増えています。特にパソコンを長時間見続けている場合は、画面を凝視することによって、まばたきの回数が少なくなり表面が乾燥するため、ドライアイに有用な点眼薬の処方なども行っています。
- Q眼精疲労を防ぐセルフケアや、注意点はありますか?
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A
▲気軽に相談してほしいと話す望月院長
モニター画面など同じ距離を見続けるのではなく、作業の合間に窓の外の景気を眺めたり、動くものを見たりするようにしてください。眼球をぐるぐる動かして筋肉の凝りをほぐすのも良いでしょう。目の周りや全身の血流改善には「蒸しタオルなどを目の上に当てる」「ゆっくり入浴する」「定期的に運動する」などがお勧めです。入浴はストレスで血流が滞った場合にも有用です。市販のサプリメントなどで目に良いといわれる栄養素を摂取するのも良いでしょうし、眼科でもビタミンB群の含まれた内服薬を処方することが可能です。