孫 莉華 院長の独自取材記事
うららか内科クリニック
(川口市/西川口駅)
最終更新日:2024/05/14
西川口駅東口から新オートレース通りを歩いて5分の「うららか内科クリニック」。ロゴマークそのままの太陽のような笑顔で迎えてくれるのが院長の孫莉華(そん・りか)先生だ。中国で働きながら一念発起し、難関を突破して日本の医師になったという経歴の持ち主でもある。しかし、2児を育てながらのこれまでの道のりはけっして平坦なものではなかった。それでも「診療に携わりたい」と思い続け、念願かなって2024年4月に開業。この地域に住む人たちの健康を守りたいという熱い思いを抱きながら、幅広く一般内科診療に対応する。スタッフたちも朗らかで、写真撮影では「先生、いつもの笑顔で!」と応援する姿も。うららかな春の日差しのような温かさに満ちた院内で、孫先生にこれまでの経歴などを詳しく聞いた。
(取材日2024年4月25日)
日本の皆保険制度に惹かれ海を越えてチャレンジ
もともとは中国で仕事を持たれていたのですね。
中国の吉林省にある延辺大学を卒業後、大学病院に2年ほど勤務しました。その時はすでに同級生と結婚して長男も出産していたので、子育ても仕事も一生懸命な日々でしたね。私はもともと人とのコミュニケーションが好きで、自分で言うのも何ですが優しい性格です。また、患者さんのちょっとした変化などにもよく気づくほうで、きっと臨床に向いていると思いました。一方で、中国の地方都市に住む人はほとんど保険に入っていないため、基本的に全額自己負担での診療です。患者さんが経済面で大変な思いをされているケースも多々あり、つらく思っていました。
なぜ、日本で医師をめざそうと思われたのですか。
日本の皆保険制度に興味を持ったのがきっかけです。大学の先輩が日本で医師免許を取得して働いていたこともあり、自分もチャレンジしてみようと思いました。そこで、すでに中国の大学院に進学していた夫と子どもを残し、単身で群馬大学の大学院に留学することにしたんです。最初は日本語にも苦労しましたが、とにかく一生懸命でしたね。幸い、大学院に在籍中に日本の医師国家試験にも合格しましたが、その時の合格率はわずかという狭き門でした。
その後、開業に至るまでの道のりを教えていただけますか。
私に数年遅れて夫も来日して、日本の医師免許を取得しました。私は群馬大学医学部附属病院での初期研修を終えて臨床医として働いていましたが、次男の出産を機に病理部門へ異動しました。さらに、夫の県外への転勤に伴い転職を余儀なくされるなど、家庭の事情でなかなか大好きな内科診療に携われずにいました。やがて、夫が整形外科クリニックを開院することになり、私が中心になって開業準備を整え、経理や事務などの裏方に徹することにしたものの、それでも物足りない生活であることには変わりません。そこで、思い切って自分も開業することにしたんです。自宅から通いやすい場所に良い物件も見つかり、これからは地域の方々のお力になりたいと願っています。
うららかな春の日のような温かな診療を大切にしたい
覚えやすくて、きれいなクリニック名ですね。
日本語と中国語のバイリンガルの長男が考えてくれました。「うららか」は漢字で書くと「麗らか」。「麗」と私の名前の「莉」は中国ではどちらも「リー」と発音するんです。「明るく晴れ晴れとしている様子」という意味もすてきだなと思いました。クリニックのロゴマークも晴れた日をイメージして、真ん中に太陽が優しくのどかに照っている風景を描いています。太陽の周りの花は茉莉花、いわゆるジャスミンですが、これも私の名前の「莉」にちなんでいるんです。知人が考えてくれた、とても大切な宝物ですね。
こちらではどのような診療を行われていますか。
内科一般を幅広く診ています。すでに高血圧症、糖尿病、脂質異常症、肥満症、通風などの生活習慣病を抱えている方はもちろん、健康診断でひっかかった時もできるだけ早く来てください。急な発熱などの際にも、当院は発熱患者さんのみを対応する外来診療時間を設けています。専用ドアから入る隔離室も作り、感染症以外の患者さんと接触することのないように配慮しました。また、プライマリケアクリニックとして、必要があれば高次医療機関に速やかにつなげていくことにも注力しています。困ったことができたら「とりあえず、あそこに行ってみよう」と思ってもらえるようなホームドクターをめざしているので、どんな小さなお悩みでも気軽にご相談ください。
診療において何を大切にしていますか。
患者さんの気持ちを第一にすることです。皆さん、どこかがつらくて来ているわけですが、中にはお話しが苦手な方もいらっしゃいますよね。そんな時も、自然に聞き出せるのが私の強みだと思っています。なかなか口を開いてくれない方に無理強いは禁物です。ご本人が考える時間をつくり、話したくなるまで少し時間を空けるようにしなくてはいけません。さらに、患者さん一人ひとりに心から興味を持つことも大事にしています。私は好奇心が強いので、難しいことではありませんね。人と接するのは子どもの頃から好きでしたし、老若男女、誰とでも話せるのは私の特技でもあります。やはり、内科の医師の仕事は天職かもしれないなと思いますし、こうしてやっと思い切り診療に携われるのは何よりの幸せです。
幅広い一般内科診療で地域のために役立ちたい
今後の展望についてお聞かせください。
名前のとおり、来てくれた患者さんが少しでも明るく温かな気持ちになって帰っていくようなクリニックにしていきたいです。患者さんを笑顔にするために、スタッフ一同力を合わせていこうと思っています。スタッフは2024年の開業時からのメンバーですが、和気あいあいとしていて「もう何年も一緒に働いているのですか」と聞かれることもあるほどです。当院の明るい雰囲気を支えてくれているのは彼女たちなので、心から感謝しています。チーム一丸となって、患者さんの声にきめ細かに耳を傾けていきたいですね。自由診療のメニューもいくつか用意していますが、もしニーズがあれば美容的なケアもより積極的にサポートしていきたいと考えています。
お忙しい毎日ですがリフレッシュ法などはありますか。
これまでも読書は趣味の一つでしたが、次男への読み聞かせで日本の絵本の素晴らしさを知りました。どんなに忙しい時でも、毎晩必ず少なくとも一冊は一緒に読むことを習慣にしてきたんです。日本の絵本は小さい子ども向けのものでも、人の心情を細かく描写しているところが本当にすごいと思います。最近、次男は小学生向けの読み物を選ぶ年頃になってきて「自分で読む」などと言われてしまうのは少し寂しいですが、頼もしくも感じますね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
当院はわかりやすい大通り沿いにあり、入口から院内までバリアフリーなので車いすやカートを使用する方も心配ありません。仕事や子育てで忙しい毎日を過ごす方にとっても、通いやすいクリニックでありたいと思っています。また、漢方のご相談に応じられるのも中国での診療経験があるからこその強みです。使用するのは日本の漢方薬ですが、更年期の症状などに「漢方を試してみたい」と希望される人も遠慮なくご相談ください。どんな些細なお悩みでも、気負わずに話せるクリニックをめざしています。長年にわたって頼りにできるホームドクターを探している人も、健康診断からでも構いませんので、ぜひ一度いらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは色素沈着のケアのための薬の処方/4500円