多忙な人に配慮した内視鏡検査
専門家による精度重視の診断・治療
センター南消化器内科・内視鏡クリニック
(横浜市都筑区/センター南駅)
最終更新日:2024/07/26


- 保険診療
胃の内視鏡検査や大腸内視鏡検査に対し、痛い、怖い、恥ずかしい、面倒くさいなどの理由から「できれば回避したい」と思う人は少なくない。「内視鏡検査の内容をよく知る私でも、検査前はとても緊張します」と話すのは、「センター南消化器内科・内視鏡クリニック」の中村大樹(なかむら・ひろき)先生。大学病院勤務時代には、働き世代の消化器系がんの増加に危機感を覚え、検査を後回しにしたため発見が遅れ、不本意な結果となる場面を目にする度に、歯がゆさを感じていたという。多忙な人の物理的、肉体的、心的負担が小さい内視鏡検査を実施できるよう工夫を施し、受診の門戸を広げたい。無駄な待ち時間や検査時間によって、患者の大切な時間を奪いたくない。そう熱い思いを語る中村院長に、同院の内視鏡検査に向けたこだわりを詳しく聞いた。
(取材日2024年7月10日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qこちらで行う内視鏡検査について教えてください。
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A
胃の内視鏡検査では経口・経鼻いずれにも対応可能ですが、経口内視鏡を希望する患者さんが多いように感じます。大腸内視鏡検査では、2センチ程度のポリープであれば当院で切除が可能です。ポリープがあった場合しっかりと診断を行った後、治療が必要なポリープを見極めて切除を行いますので、患者さんのご負担を軽減できると思います。胃内視鏡、大腸内視鏡の検査を同日に受診されたい方には、13時半の枠でお受けしています。当日午前中に大腸カメラ用の洗浄液を内服し、腸をきれいにしていただいた上で来院。先に胃の検査を行い、その後大腸の検査を行います。胃の内視鏡検査のみでしたら、午前・午後の両枠の選択が可能です。
- Q内視鏡検査には怖い、痛い、面倒といったイメージがあります。
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A
そうですね。ですので、少しでも患者さんにリラックスしていただくため、院内の色調を暖色系にまとめ、検査に関するわかりやすい動画や文書もご用意しています。殺風景な検査室の雰囲気も患者さんの不安につながるので、近々検査室に動画を視聴できるモニターを設置し、緊張を和らげるような視覚的な配慮を施す予定です。また、大腸検査前に自宅で行う前処置の実施に際し、腹部の不調、心的不安が伴いがちですが、その際は看護師が電話で頻繁にフォローいたします。内視鏡検査は胃がん、食道がん、逆流性食道炎、大腸がん、潰瘍性大腸炎などの発見につながります。ネガティブな印象はあろうかと思いますが、定期的な受診をお勧めします。
- Q仕事や育児などで忙しい方でも検査が可能だと聞きました。
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A
最近、働き世代の間で消化器系がんが増えている印象です。仕事を優先し検診を後回しにしたがゆえに発見が遅れて大変な思いをする方もたくさん見てきて、医師として歯がゆい思いをしてきました。なので、開業にあたっての課題は、多忙な方にも受診の門戸を広げるにはどんな工夫ができるだろうか、ということでした。当院が最初に重視したのは院内滞在時間の短縮化です。そのためにウェブ予約、ウェブ問診、キャッシュレス決済を導入しました。また、検査後職場に戻ったり、別の用事に出向いたりする方のためにパウダールームも造りました。患者さんの心理的障壁を下げられるようなアイデアがあれば、今後もどんどん取り入れていく予定です。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診や事前説明
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受診者はウェブ問診への入力後、対面による問診を受ける。問診での確認事項は、内視鏡検査を検討した背景、治療中の病気や過去に同検査の受診経験があるかどうかなど。受診経験がある人には、その際に大きな苦痛を伴ったかどうかも尋ねる。ウェブで胃の内視鏡検査を予約すると、説明用動画が視聴できるようになっている。大腸内視鏡検査の希望者は、検査前に一度来院し、事前説明を聞いて検査用洗浄液を持ち帰る。
- 2検査前の準備
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胃の内視鏡検査は前日20時までに夕食を終え、当日は朝食を控える。検査3時間前まで透明飲料の水分補給は可能。内服薬の服薬は医師に確認しよう。大腸内視鏡検査では検査の3日前から、腸内の調整を開始。前日19時までに消化の良い夕食を終え、検査まで絶食。食事メニューの自己管理が難しい場合は検査食という選択肢もあるそうだ。当日は腸内を空にするため自宅で1.5〜2リットルの洗浄液を2時間ほどかけて服用する。
- 3内視鏡検査
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事前説明、電子同意書サインの終了後、着替えを済ませ検査室へ。胃内視鏡検査は数分、大腸内視鏡検査は10~20分程度で終了する。後者において多数のポリープを切除した場合は、多少延長されることも。検査時の医療体制は、医師1人と看護師が2~3人。看護師は、鎮静薬注射や体温・呼吸・脈拍・血圧などのバイタル確認、医師介助などを行う。検査で大きなポリープ、早期がんの疑いが認められた場合は高次施設を紹介している。
- 4リカバリールームでの休憩
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検査終了後、ストレッチャーに横たわったままリカバリールームへ移動。1時間ほど休む。体を休めた後は、起立後にふらつきがないか、歩行に問題がないか、その場で足踏みを行い、看護師が丁寧にチェック。問題がなければ服を着替え、2階の検査フロアから3階の待合室へ移動。院長からの検査結果報告の順番を待つ。その際、院内のウォーターサーバーは自由に使用できる。
- 5検査結果の報告
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内視鏡で撮った写真をモニターに映し、検査結果について説明が行われる。同院では診断根拠となる画像とコメントを記載した書面を作成し患者に配布。自身の現状を振り返るための資料として活用できる。ポリープを切除した場合や、詳細に調べたい部分の生検が行われた場合は、その旨も記載されている。生検の結果報告までの所要時間は約2週間。受診者は再来院し、院長から説明を受ける。病理の結果の文書も一緒に渡している。