長引く咳は放置せず
呼吸器内科で専門的な検査を
クリニックプラス西船橋
(船橋市/西船橋駅)
最終更新日:2024/05/10


- 保険診療
鼻水や熱はないのに咳だけがずっと続いている、季節の変わり目や外気温の変化によって咳が出るなどといった症状で悩んでいる人も多いだろう。新型コロナウイルス感染症の流行以降、電車の中などで咳をするのもはばかられ、つらい思いをしている人もいるかもしれない。生活に身近な不調を何でも診るプライマリケアを実践する「クリニックプラス西船橋」では、藤澤利充院長が呼吸器内科を専門としている背景もあり、長引く咳や喘息など呼吸器疾患の診察にも力を入れている。また同クリニックでは呼吸器疾患専用の検査機器を導入し、精密な診査診断によって適切な治療につなげていくことをめざしている。「長引く咳をそのままにしておくと咳喘息を引き起こし、さらに気管支喘息に移行する恐れもあります」と藤澤院長。長引く咳症状の対処法について聞いた。
(取材日2024年5月6日)
目次
長引く咳には咳喘息やアトピー性咳嗽、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの疑いも
- Q咳が出ている時、どのような医療機関を受診すべきでしょうか。
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A
▲長引く咳の陰には大きな病気が隠れていることもあるという
咳が出ると風邪かなと思って一般内科のクリニックを受診する方が多いと思いますが、呼吸器疾患を専門的に診られるクリニックを受診したほうが良いですね。単に咳といってもその原因は風邪に限らず、さまざまな呼吸器疾患が原因の可能性があります。一般内科のクリニックでは、呼吸器疾患に関する専門的な検査や診断・治療はなかなか難しいと思います。病院勤務時代、一般内科を受診している人で、なかなか咳が治らず病院の呼吸器内科に紹介されてきたケースが多くありました。実際に診察すると呼吸器内科のクリニックでなら十分対応可能だったと思われる例も多かったのです。なので、まずは地域の呼吸器内科で診てもらうことをお勧めします。
- Q受診のタイミングの目安などはありますか。
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A
▲重症化する前に受診の検討を
咳が出たらできるだけ早めに受診して診断を受けるようにしましょう。咳が続くと風邪が治っていないかなと思いがちですが、熱や鼻詰まりはないのに咳だけが長く続く場合は、風邪以外の他の病気が原因となっている可能性が高いと考えられます。もし、咳が2週間以上続くようであれば必ず呼吸器を専門とする医療機関を受診してください。
- Q咳が続く原因としてどのような病気が考えられますか。
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A
▲長引く咳は放置せず、呼吸器専門の医療機関へ相談しよう
夜、寝ている時や喋り出すと咳が出る、あるいは寒暖差によって咳が出るなどという場合は咳喘息が疑われます。最近では新型コロナウイルス感染症の感染をきっかけに咳喘息や気管支喘息を発症する例が増えています。咳喘息は気管支喘息に移行するリスクがあり、気管支喘息は長期に放置すると肺の機能そのものも低下していきますので、早めに適切な治療を受けてください。また、喉のイガイガを伴う咳が続くアトピー性咳嗽や慢性閉塞性肺疾患(COPD)なども疑われます。さらに、結核や非結核性抗酸菌症などという怖い病気である場合も考えられます。その他にも多くの原因がありますので早めに検査、診断を受けることが重要です。
- Qこちらではどのような検査を行えるのですか。
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A
▲胸部エックス線検査機器など、各種検査機器を導入
胸部エックス線検査、血液検査及び専門的な検査として呼吸機能検査と呼気一酸化窒素濃度測定を行えます。エックス線検査では肺の中の状態を確認し、血液検査では感染症やアレルギーの有無などを調べます。呼吸機能検査は肺の能力や息の吐きづらさなどを調べるための検査で、肺活量や1秒量、1秒率などを測定します。この検査は喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の状態の確認に有用です。また、喘息やアレルギー疾患で気道に炎症が生じていると呼気の一酸化窒素濃度が高くなるため、呼気一酸化窒素濃度測定検査によって喘息の状態や炎症の有無、程度などを確認します。
- Q咳が出る時に日常生活で気をつけることはありますか。
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A
▲さまざまな症例と向き合い研鑽を積み続けてきた藤澤院長
咳が出ている時は必ず咳エチケットを守り、マスクを装着するようにしましょう。また、うがい、手洗いなども予防の意味で続けることが大切です。空気が乾燥すると、気道が刺激を受けやすく咳が出やすくなります。室内が乾燥しないよう加湿器を使うなどして40~60%程度の湿度を保つようにしましょう。また、水分を取ると喉が潤って咳が出にくくなります。のど飴などをなめると唾液も出やすく、それを飲む込みことで喉が潤うでしょう。咳は意外と体力を消耗しますので、体調回復のためにも睡眠をしっかり取って体を休めるようにしましょう。