目黒 朋子 院長の独自取材記事
横浜アリス歯科・矯正歯科
(横浜市保土ケ谷区/天王町駅)
最終更新日:2024/07/12

横浜市保土ケ谷区天王町、駅から続く昔ながらの商店街に面して「横浜アリス歯科・矯正歯科」はある。かわいらしくもシックな壁紙やモチーフが、童話の世界を思わせる院内空間。子どもたちも楽しく過ごせるよう、待合室の一角にはキッズスペースも設けられている。元気な笑顔で迎えてくれたのは、口腔外科を専門に博士号も取得した目黒朋子院長。「歯科クリニックの敷居を下げて、皆さんの生活における歯科受診の優先度を上げていきたい」と抱負を語る。親知らずの抜歯や顎関節症の治療など、専門性が求められる治療を実践しながら、小児から矯正まで幅広く対応する目黒院長に、同院での診療について詳しく聞いた。
(取材日2024年7月6日)
積み上げたネットワークで各専門分野の歯科医師が集結
池田副院長とともに立ち上げられたクリニックとか。

はい。池田達彦先生は以前勤めていた職場の同僚で、お声がけいただいて一緒に「横浜アリス歯科・矯正歯科」を立ち上げることになりました。矯正歯科担当のセレスタ麻里子先生は、池田先生の大学時代の同級生。歯科麻酔をお願いしている鈴木將之先生とは、大学病院時代に多くの現場をともにしてきました。皆、これまで歯科医師として経験を重ねてきた中で出会った、頼れる先生たちばかりです。実はスタッフも別の現場で以前から一緒に働いてきたメンバーが多く、さらにお友達やきょうだいなどを紹介してもらうかたちで増員できています。培ってきた確かな人脈に支えられ、今こうして診療ができていると感じています。
先生方の役割分担はどのようにされていますか?
私の専門は口腔外科で、この分野で博士号も取得しました、また、池田先生は歯周病治療を得意とされています。それぞれが異なる分野を専門とすることで、より幅広いニーズに高い専門性を持って対応できるのが強みです。現在、一般歯科の初診は私が主に担当しており、必要に応じて池田先生や、月に1〜2回診療されるセレスタ先生にお願いするかたちを取っています。池田先生はクリニックの運営や経営面で必要な作業の多くを担ってくれているので、私自身は診療に集中できる環境で助かっています。
どのような患者さんが多く来られていますか?

私が女性だからなのでしょうか、比較的若い女性の患者さんが多い印象です。口の中はプライベートな部分であり、あまり他人に見られたくないもの。できれば同性の歯科医師に診療してもらいたいというニーズがあるようです。また、天王町駅前は昔ながらの商店街が広がるエリアですが、隣の星川駅近くでは大型マンションが続々誕生しており、子育て世代の流入も増えています。そのため、当院でも小児の患者さんを多くお迎えしており、ご家族そろっての受診も少なくありません。私も6歳と3歳の男の子の子育て真っ最中なので、子どもの対応には慣れています。子どもたちには無理なく歯科に慣れてほしいという気持ちがありますが、「できれば早く済ませてほしい」という親心もある程度理解できます。お子さんと親御さん、両方の気持ちをくみながら、宝箱を用意するなど工夫して、また来たくなる歯科医院をめざしています。
「宝箱」とは何ですか?
治療を頑張ったお子さんへのご褒美に、カプセルトイを用意しているクリニックは多いと思います。しかし、実際に子どもを育てる親の視点で見ると、本当に欲しいものが当たらないと、予想以上に子どもはがっかりしてしまうものなのです。せっかく頑張るのだから、本当に欲しいものを受け取ってほしい。そんな思いから、当院では好きなものを選べるスタイルにしました。箱にもこだわって、子ども心を刺激する、ワクワクするデザインのものを用意しています。子どもたちからが「次はこれのために頑張ろう」と、歯科医院に来るのを少しでも楽しみに感じてくれたらうれしいですね。
口腔外科の専門診療に対応、治療時の痛みにも配慮
ご専門の口腔外科ではどのような診療を多く手がけていらっしゃいますか?

親知らずの抜歯が多く、予約枠も埋まりがちな状況です。親知らずの抜歯、特に抜き方が特殊になる下の親知らずの抜歯は、手がけているクリニックが大変少なく、保土ケ谷区だと横浜市立市民病院などの総合病院の歯科に紹介するケースが多いそうです。大きな病院は予約を取るのも大変で、診療時間が限定的だったり、待ち時間が長かったりと受診の負担も大きくなります。その点、当院は土日祝日も診療しており、朝8時から夜20時まで対応と、通いやすい体制を取っています。深く埋まっている親知らずなど、歯茎の切開や縫合が必要となるケースにも対応可能です。治療時の痛みにも十分配慮していますので、お気軽にご相談ください。
痛みに配慮した治療とは、具体的にどのようなものか教えてください。
麻酔注射の痛みを緩和する表面麻酔は必ず使用しますし、注射の際も痛点の少ない部分から徐々に患部へとアプローチする方法を取ることで、痛みの軽減を図っています。また、鼻から亜酸化窒素を主体とするガスを吸い込むことで、意識を保ったままリラックスした状態へと導く笑気麻酔もご選択いただけます。それでも不安という方や、いわゆる歯科恐怖症の方などには、日本歯科麻酔学会の歯科麻酔専門医である鈴木先生にお願いして、静脈内鎮静法も行っています。
他にはどのようなご相談が多くありますか?

顎関節症のご相談も多いです。口の開け閉めが難しいとか、開閉時に痛みが出るとか、顎の骨が鳴るといった症状が主になります。私は大学病院でも多くの症例を扱ってきましたが、顎関節症はきちんと診ることのできる歯科医師が限られる疾患です。当院では、痛みや違和感の解消をめざす理学療法と、顎の骨の位置を整える就寝時のマウスピース着用を組み合わせて治療を進めます。顎の関節の動きまで見られる検査機器を導入しており、詳細な状態を把握しながら対応できるのも強みです。
歯科医院の敷居を下げて、歯科受診の優先度向上を
小児ではどのような治療を多く手がけていらっしゃいますか?

虫歯の多い子と虫歯のない子に二極化されており、虫歯のない子にはシーラントを勧めています。フッ素配合のシーリング剤で虫歯になりやすい歯の溝の部分をあらかじめ浅くし、虫歯を予防する方法です。削る処置ではないので痛みはありませんし、お口を開けて座っていられれば3歳くらいから可能な子もいます。ただ、口の中に処置を行うこと自体が初体験である子どもたちは、慣れないことに恐怖や不安を覚えることも。当院ではまずは治療に使う器具で風を当てたり、水をかけたりといったところからはじめ、徐々に処置に慣れてもらうところからスタートします。本人にとっても親御さんにとっても最も避けたいことは、歯科医院嫌いになって通院が途絶えてしまうこと。シーラントは小児医療の対象となり、対象年齢であれば自己負担なく受けられますから、歯科医院と上手に付き合う練習も兼ねて受けていただけると良いと思っています。
診療の際に心がけていることは何ですか?
説明をきちんとすることです。当たり前のことですが、「そんな説明はこれまで聞いたことがない」とおっしゃる方が多いのに驚きます。治療内容はもちろん、お口の中の現状とそうなった原因と思われること、予防のためにできることなども、丁寧に説明しています。エックス線画像や鏡をお見せしたり、模式図を用意したりと、視覚に訴える方法で見える化し、理解を促すのです。ご自身の現状となすべきことを理解できれば、治療にも前向きになれます。初診時にしっかり時間を取って理解していただくことで、その後の治療もスムーズに進められるようになると考えています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

開院から4ヵ月が経過した現在の課題として、予約の取りづらさがあります。おかげさまで多くの患者さんにご来院いただき、特に平日夜と土日祝日の診療枠が混み合っているのです。ご希望の日程や周期での予約をお取りできないケースもあり、患者さんにご迷惑をおかけしているので、歯科医師やスタッフの増員も視野に、解消に向けて取り組んでいきたいと考えています。当院は、歯科医院の敷居を下げて、皆さんの生活における歯科受診の優先順位を上げることをめざしています。どんなに些細なことでもOKですので、お口のことで気がかりがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは成人矯正/35万円~、小児矯正/22万円~、セラミッククラウン/13万2000円~