徳山 信行 院長の独自取材記事
中野駅前とくやま大腸と胃の内視鏡クリニック 消化器内科・肛門内科
(中野区/中野駅)
最終更新日:2024/07/18

日本では、年間数多くの人が大腸がん、胃がん、食道がんといった消化管がんで亡くなっている。消化管がんの「早期発見・早期治療」に注力し、その死亡数減少を理念に掲げるのが「中野駅前とくやま大腸と胃の内視鏡クリニック 消化器内科・肛門内科」だ。2024年3月、再開発が着々と進む中野駅前に開業したばかりで、駅から徒歩30秒の好立地。院内は、木のぬくもりを感じる居心地の良い雰囲気だ。院長の徳山信行先生は、豊富な経験を持つ内視鏡検査・治療のエキスパート。「早期発見が命を救うことにつながる」と力強く話す徳山先生に、開業の背景やクリニックの強みについて、詳しく話を聞いた。
(取材日2024年3月6日)
がんの早期発見・治療で、多くの人の命を救いたい
内視鏡検査に特化したクリニックということですが、開業までの経緯を教えてください。

開業前は、都立広尾病院で2年間初期研修を行ったのち、当院と同じ中野区にある中規模病院「東京警察病院」で14年間経験を積んできました。最初から消化器内科医になりたいと考えていたわけではなく……東京警察病院を選んだ理由は、幅広く内科を学ぶためでした。そもそも医師を志したきっかけは、祖父が内科の開業医だったことです。その後を継ごうと、満遍なく内科の知識を習得して、いずれは地元に帰るつもりでしたが、東京警察病院で経験を重ねるうちに、だんだんと消化器内科への興味が強くなっていきました。中でも内視鏡に強く惹かれて、この道を極めようと決めました。昔から「これ」と決めたら一心に続ける性格で、医療の世界では、自分にとってそれが内視鏡でした。
中野駅前という立地を選んだ理由はありますか?
内視鏡検査の優れた点は、消化管がんの早期発見、そして早期治療につなげられることです。その良さを最大限に発揮するには、より多くの人たちが通いやすい場所にクリニックを構えることが大切だと思い至り、駅近の立地を選びました。また、病診連携の兼ね合いでも、もともと働いていた東京警察病院の近くということでお付き合いのある開業医の先生方が多く、「徳山先生が開業したら内視鏡検査は紹介したい」とありがたいお声をいただいていたことが中野を選んだ決め手です。また、現在も東京警察病院とは、内視鏡治療の技術指導などで密接に協力体制を取っていますので、当院の患者さんに手術や入院が必要になれば、連携して治療にあたることもできます。また内視鏡治療に関しては、現場で執刀することも可能です。治療後も当院でしっかりとバックアップさせていただきます。
先生は内視鏡のどのようなところに惹かれたのでしょうか。

やはり食道がん、胃がん、大腸がんなどの早期発見・治療につなげられることです。それが多くの人の命を救うことにもつながります。おなかを開けずに手術できることで、患者さんの体の負担を少なくできることも大きなポイントです。また、一口に内視鏡といっても、胃カメラもあれば大腸カメラもありますし、胆膵カメラもあります。実にさまざまな治療法があって、そのような可能性の広さにも惹かれました。これらの処置をはじめ、内視鏡的粘膜下剥離術(ESD)や内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)のような、繊細な技術を必要とする処置も数多く経験してきましたので、当院での診療に生かしていきます。
豊富な経験に裏打ちされた技術は、クリニックの強みと言えそうです。
内視鏡検査・治療は多く経験したと自負しております。東京警察病院では、消化器内科の中心メンバーとして多くの症例を診てきましたし、難易度が高いとされる処置も豊富に経験しました。特にESDに関してはチームのトップとしてすべてを引き受けておりましたので、たくさんの早期がんを観察し治療しました。がんの早期発見のためには医師の「発見できる能力」も非常に重要です。医師の診断力・判断力が鍵を握りますので、適切な診断ができるよう知識も大切にしています。
内視鏡に苦手意識のある人こそ、安心できるように
そもそも内視鏡検査とは、どういったタイミングで受けるものなのですか?

消化管がんには、基本的に初期症状がありません。不調を感じ始めた頃には、すでにがんがかなり進行しているはずです。ですから症状が出る前に、定期的に検査を受けることが大切です。例えば大腸がんであれば、45歳のタイミングで一度内視鏡検査を受けるようにしてほしいです。当院では、検査で見つかったポリープをその場で取り除くことも可能です。胃がんの場合は、ピロリ菌の有無で大きくリスクが変わります。ピロリ菌の除菌治療は治療したら終わりではなく、除菌後も年1回の定期検査が必要になります。どのがんも進行してしまうと治療の負担は大きくなりますし、これまで「もっと早く検診に来てくれたら……」と思うことが多々ありました。ぜひ、気軽に検査に来てほしいです。
検査に苦手意識のある患者さんも多いと思いますが、診療で工夫をされていることなどありますか?
当院がめざすのは、苦手意識のある方こそ安心してかかれるようなクリニックです。患者さんがなるべく苦痛を感じないように、極力リラックスしていられるように心がけています。質の高さにこだわった技術の提供や、患者さん一人ひとりに合わせて鎮静剤も上手に使って検査することに努めていますので、不安のある方は気軽にご相談ください。検査の前に、緊張しない環境づくりも大切です。ですので院内の雰囲気もあえて「クリニックっぽくない」印象をめざしています。木の風合いを生かした、落ち着いたオフィスのような内装にしています。
スタッフの皆さんも明るく朗らかで、患者さんの緊張をほぐしてくれそうですね。

患者さんにとっては、内視鏡検査は緊張しながら来院されます。ご来院されて検査を受けるまでは、医師以外のスタッフと接している時間のほうが長いです。だからこそ「患者さんは緊張しながらここに来ている」ということをスタッフにもしっかり理解してもらって、優しく、安心感のある対応を心がけてもらっています。
検査前の下剤を飲むための場所が用意されているのも印象的でした。
自宅で下剤を飲むのが不安な方や自宅から遠い方には、院内ブースを利用していただけます。何かあればスタッフがすぐ対応できますので、患者さんも安心できるかと思います。下剤も何種類か用意し、スタッフも実際に味を確かめた上で、それぞれの方に合うようにお勧めしております。自分たちが飲んだことがないものを患者さんに説明できないと考えているからです。
素顔は「体育会系」。その経験が今も生きている
学生時代は野球に打ち込んでいたそうですね。

野球は小学校から大学まで没頭しました。中高はエース兼副キャプテンを務め、大学の野球部ではキャプテンを務めました。医学部リーグの野球部ということもあって、一般的な大学野球部と比べると小規模な運営にならざるを得ないのですが、ゆえにキャプテンである私がプレイヤーをしながら、監督やマネジメントの役割を兼ねていて、今思えばこれがとても勉強になりました。一人ひとりの技術が高くても、チームがバラバラだと勝てません。そこをうまくマネジメントして、勝てるチームづくりに尽力しました。グラウンドを使える日が限られていたので練習も効率を意識して……結果、大学史上初のリーグ優勝を飾ることができました。医師として社会に出てからも、この経験は多いに生きています。現在は院長として、スタッフをマネジメントする立場です。
お休みの日は何をされてますか?
休日は「アウトドア派」です。3人の子どもと妻と一緒に旅行に行ったり、スキー、スノーボード、釣り、サーフィン、狩猟に行ったりしています。やっぱり家の中でゆっくり過ごすよりも、外で体を動かすほうが好きです。子どもたちにいろいろな経験をしてほしい、という思いもあります。
最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

がんを早期発見して命を守るために、気軽に来院してほしいと思っています。日本では毎年多くの方が消化管がんで亡くなっています。胃がんの死亡率は減少傾向ですが、大腸がんの場合は海外と比較してなかなか減っていません。日本の大腸がん検診は便潜血検査が一般的である一方で、先進国の多くで内視鏡検査が行われていることが大きな理由だと考えられます。実は日本は、世界的に見てもレベルの高い内視鏡技術を持っている国とされています。この恩恵を受けない手はないですので、手遅れになる前に、定期的に検査を受けましょう。当院では本気で皆さんに寄り添った検査を行いますので、ぜひ安心してお越しください。