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藤田 雅也 理事長の独自取材記事

【2024年5月開院予定】一之江ふじたメンタルクリニック

(江戸川区/一之江駅)

最終更新日:2024/03/01

藤田雅也理事長 【2024年5月開院予定】一之江ふじたメンタルクリニック main

【2024年5月開院予定】※開院前の情報につき、掲載情報が変更になる場合があります。
都営新宿線一之江駅からバスで約5分、船堀駅からバスで約7分の場所に5月開業予定の「一之江ふじたメンタルクリニック」。藤田雅也理事長は2020年から「船堀ふじたメンタルクリニック」を営んでいるが、開院当初から、近隣に分院を作る必要性を痛感していた。現在、江戸川区にメンタルクリニックは約20軒程度しかなく、従前より不足している状態だという。精神科の単科病院などで約20年にわたり経験を重ねてきた経験を生かし、より気軽にクリニックに立ち寄ってもらえるよう、地域のメンタルケアに尽くしたいという藤田理事長。そんな藤田理事長に開院にかける思いなどを詳しく聞いた。

(取材日2024年2月14日)

江戸川区のメンタルクリニック不足の解消をめざして

一之江に新たにクリニックを立ち上げようと思ったきっかけを教えてください。

2020年に「船堀ふじたメンタルクリニック」を開業したところ、隣の一之江駅からの患者さんがとても多いことに気づきました。患者さんの症状によっては、たった一駅の移動でさえつらいということも珍しくありません。「どうしてわざわざ近隣に分院を?」と聞かれることもありますが、約69万人という江戸川区の人口の割に、メンタルクリニックは圧倒的に不足している状況なのです。

どのような患者層になると想定していますか?

本院と同様に女性の患者さんも多いと思いますが、幅広い年代の患者さんが来院されるのではないかと想定しています。また当院では、特に予約の取り方に配慮しています。例えばとてもシンプルですが、女性の患者さんの場合は、できるだけ女性の患者さんが連続するように予約を入れるというようなことです。同じような境遇の患者さんがいると知れば「自分だけじゃない」という安心感にもつながります。連帯感を求めて同じような境遇を持つ人たちが集まる場所に行くことも、友人の輪を広げるという意味では大切なことですが、できればクリニックを訪ねてください。オーバードーズやリストカットに悩む若い方も少なくないと思いますし、年配の方とそのご家族も認知症の相談などでいらっしゃってほしいです。本院同様のアットホームで温かい雰囲気のしつらえとなっています。

診療時間などについて教えてください。

平日は19時までの診療とし、会社帰りでも立ち寄りやすくする予定です。「会社に行けない」というご相談をよく受けます。常に「もっとできる」と自分に厳しくしてきた方ほどうつ病になりやすく、会社を休むことにも罪悪感を覚えがちですが、それは間違いです。私自身も含めていつ誰がなってもおかしくないことで、恥ずかしいことではありません。ただ、どのように休職中を過ごすかが、非常に大事です。これまでと同じように起床し、散歩でも家事でも無理なくできることを少しでも続けることです。当院ではそのための生活指導を行いながら、元気が出てきたら通勤訓練などの社会復帰訓練にも対応していく予定です。

患者一人ひとりに合わせた診療でこまやかにサポート

こちらではどのような診療をしていく予定ですか。

患者さんとの対話を丁寧に行うことで患者さん一人ひとりに合った治療方法を提案していきます。例えば、発達障害がある患者さんには自身を理解するための「取扱説明書」を作ってあげたいと考えており、患者さんが自分自身を理解し、症状に対して患者さん自身が適切に対処できることをめざします。「困っている人に寄り添い、助ける」という信念を持ち、一人ひとりの状況に深く共感し、適切な解決策を見つけ出すことに注力した診療を行います。

薬の副作用を心配する人も多いのではないでしょうか。

現在は研究も進み副作用の心配が少なく服用できる薬が数多く開発されていますが、患者さんが副作用を気にするのは当然のことです。期待できる効果と考え得る副作用をお話しして、患者さんが十分納得した上で治療を始めるのでご安心ください。精神科の薬は一度飲んだらやめられないのではと不安に思う方もいますが、むしろ、薬をやめられるようにするまでがわれわれの仕事です。ただ、再発させないためには「どうやめていくか」が鍵となります。調子が良くなったからと急に服薬を中止してはかえって悪化させることにもなりかねません。「心の病」とは言いますが、実際のところ脳の神経伝達の病気です。おなかでも脳でも不調には薬が必要なのは変わりません。

患者さんと接する際に何を大切にしていますか。

藤田雅也理事長 【2024年5月開院予定】一之江ふじたメンタルクリニック1

「気軽に相談できる医学に詳しいご近所さん」のような存在でありたいと思っています。ありふれた言葉ではありますが「患者さんに寄り添う」ということを、何よりも大事にしています。そのためにも、常に傾聴と共感を忘れないようにしています。これは、若い頃に出会った恩師の影響です。私の恩師は、まさに「実るほど頭を垂れる稲穂かな」そのものの謙虚で穏やかな先生で、生意気盛りの僕を受け止めてくれた包容力に今でも感謝しています。

多様化するメンタルの疾患を包括的にサポートしたい

メンタルクリニックを受診したほうがいいのはどんな時ですか。

例えば、よく眠れない日が続いているならば、うつ病の入り口に立っているかもしれません。寝つきが悪い、夜中に目を覚ましてしまう、朝早く起きすぎてしまう、すべて睡眠障害の一種ですが、眠れないことからうつ病は悪化していきます。寝不足の自覚はなくても、日中に生あくびがやたらと出たり明らかにパフォーマンスが低下していたりするならば、睡眠の質が落ちている可能性があるので注意してください。「趣味は楽しめる」という状況ならまだ問題ありません。好きでやっていたことにさえ興味が持てなくなるというのもうつ病の一つのサインなので早めにメンタルクリニックを受診してください。

今後の展望についてお聞かせください。

働き方改革により多忙すぎて心を病む人は減っているものの、職場の人間関係の問題からうつ病になる方はむしろ増えています。多様化するメンタルの疾患や幅広い年齢層の患者さんを包括的にサポートをしていきたいと考えています。クリニックで待っているだけではなく、こちらからも積極的に出向き、地域医療に貢献したいです。末永く地域の方々と歩んでいきたいと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

藤田雅也理事長 【2024年5月開院予定】一之江ふじたメンタルクリニック2

ストレス社会の中でメンタルの疾患も多様化しています。「SNSで誹謗中傷を受けた」といった、インターネット時代ならではの理由で症状を悪化させる例も少なくありません。いずれにせよ、予防が重要なのは内科疾患や歯科疾患と変わりません。わずかなメンタルの不調を自覚した時にメンタルクリニックへ来ていただければ、大きな病を未然に防ぐこともできるかもしれません。心のメンテナンスのために気軽に立ち寄れるメンタルクリニックをめざしていますので、ほんの小さなお悩みでも遠慮なくお聞かせください。

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