頭痛はどちらを受診する?
脳神経外科と脳神経内科の違い
CLINICNo7名古屋伏見
(名古屋市中区/伏見駅)
最終更新日:2024/10/11
めまいから頭痛を感じたり、肩凝りが悪化して頭が痛くなったり、片頭痛から吐き気を催したり……。頭痛はさまざまな症状と関連する。だからこそ、一体どの診療科を受診すれば良いのかわからず、結局受診しないままでいる人も多いだろう。また比較的短期間で症状が治まってしまうので、受診の機会を逃してしまっている人もいるかもしれない。実は脳神経内科は、頭痛を診療することが多く、頭から全身への神経症状を精密に診察することもできるため、頭痛のファーストチョイスとして適した診療科だという。「CLINICNo7名古屋伏見」院長の坂野文彦先生は、脳神経内科を専門とする頭痛のエキスパート。自身も「頭痛持ち」であることから「頭痛に悩む人を1人でも減らしていきたい」と語る。脳神経内科の専門性を生かした頭痛診療について聞いた。
(取材日2024年9月19日)
目次
適切な診断と治療が大切。治らないと諦めている頭痛も脳神経内科に相談を
- Q脳神経外科と脳神経内科の違いを教えてください。
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A
脳神経外科も脳神経内科も脳に関わる病気を診るという点は共通しています。脳神経外科は、脳腫瘍、脳出血、くも膜下出血、頭部外傷などに対して手術などの外科的な治療を行う一方で、脳神経内科は脳卒中や認知症、てんかん、パーキンソン病などに、薬物療法を中心とした内科的な治療を行います。神経系の診察を丁寧に行い、内科的な管理を治療の中心とすることが特徴です。頭に関係する症状はどちらに行っても大丈夫ですが、頭痛はもちろん、めまいやしびれ、しゃべりにくさなど、頭から全身に至る症状が現れたときには、いったん脳神経内科を受診しても良いでしょう。
- Q頭痛は脳神経内科で診療できますか。
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A
頭痛の場合、どの診療科を受診したら良いのか迷うこともあるでしょう。かかりつけの内科やペインクリニックに相談するほか、頭痛に特化した外来を探す人もいるかもしれません。脳神経内科は頭痛の診察に慣れており、重篤な症状を素早く見分けることを得意としています。CTなどの画像診断はもちろんですが、問診や血液検査なども参考に、頭痛の原因を精査し、必要な治療につなげていきます。専門的かつ詳細な診断を受けて、頭痛に対処したいと思うのであれば、脳神経内科を最初の選択肢に加えることをお勧めしたいです。当院では、痛いときの治療はもちろんのこと、今後の頭痛を予防できる治療もあり、幅広く提案しています。
- Qそもそも頭痛が治ることはあるのでしょうか。
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A
頭痛をゼロにすることは難しいかもしれませんが、治療によって頻度を減らしたり、痛みを少なくしたりすることはめざせます。頭痛にはさまざまな種類や原因があり、それぞれに応じた治療を行うことが重要です。片頭痛と緊張型頭痛では薬が違います。また、体内の貯蔵鉄が少ない“かくれ貧血”を要因とする頭痛もあります。遺伝との関連で、頭痛が起こりやすい体質の人もいます。それらの症状に合わせた予防薬や頓服薬、鎮痛剤を処方しています。近年新しい頭痛薬も出ており、市販薬での対処が難しい方の治療意義は大きいと思います。また、肩凝りなどが原因の場合も多いので、簡単にできる運動など、生活習慣のアドバイスなども行います。
- Q頭痛はどんなタイミングで受診したら良いですか。
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A
非常に強い痛みや、いつもと違う痛みを感じた場合には、すぐに受診したほうが良いでしょう。一方で頻繁に頭痛に悩まされている人は、それに慣れてしまっていて、医療機関を受診しようと思わないかもしれません。頭痛が2〜3年間続いて、ようやく受診に踏み切るという方が多い印象です。しかし、症状や原因を見定めて服薬治療を進めれば、大幅な改善が見込める場合も多いです。だから、症状が治まっている時でも構わないので、頭痛を繰り返した場合には、まずご相談いただきたいです。当院では初診後は2週間から1ヵ月後に再診、その先は2〜3ヵ月に1回の頻度で診療しており、オンライン診療も利用できます。
- Q脳神経内科では他にどんな疾患を診療していますか。
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A
認知症の診療も脳神経内科の範囲にあります。単なる老化による症状なのか、認知症なのかを診断し、軽度であれば生活習慣の改善や薬によって、認知症の進行を遅らせることが望めます。さらに精神科や神経内科とともに、周辺症状への対処を行うこともあります。そのほか、脳卒中の治療はもちろん、当院では脳卒中を発症させないための予防医療にも力を入れています。リスクが高い場合には、生活習慣の管理や指導などを行います。このように、脳神経内科の診療は広い範囲に及んでいます。頭痛やめまい、しびれなどの症状だけでなく、物忘れや手足に力が入らないなどの症状があった場合にも、脳神経内科を受診することをお勧めします。