全国のドクター13,324人の想いを取材
クリニック・病院 157,536件の情報を掲載(2025年2月18日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 北海道
  3. 札幌市東区
  4. 麻生駅
  5. キャメル金子歯科クリニック
  6. 金子 正範 院長

金子 正範 院長の独自取材記事

キャメル金子歯科クリニック

(札幌市東区/麻生駅)

最終更新日:2024/06/12

金子正範院長 キャメル金子歯科クリニック main

札幌市営地下鉄南北線麻生駅から徒歩約12分。「キャメル金子歯科クリニック」は、北海道大学病院で32年間勤務医として活躍した金子正範院長が2023年9月に開業した歯科医院である。北大時代には口腔がんの放射線治療症例や顎骨骨髄炎、顎関節症、口腔乾燥症など専門性の高い症例から、歯科領域の放射線画像診断も経験。患者の症状を、歯だけでなく顎顔面そして全身といった全体像から捉える意識を持つのに、その時の経験が開業医となった今でも役に立っているという。同院のユニークな名前の由来も含めて、開業医として心がけていることや大学病院時代のエピソードなどを聞いた。

(取材日2024年3月3日)

痛みの少ない治療で患者が「楽」になるように

開業された経緯を教えてください。

金子正範院長 キャメル金子歯科クリニック1

北海道大学歯学部を卒業後そのまま大学に残り、研究と学生教育や大学病院での診療に32年間従事したのですが、一般歯科臨床を総合的に実践できる開業医の道を考えました。近年では保険診療でカバーされる治療内容が充実していますし、開業医は定年がなく歯科診療を一生の仕事としてできることにも魅力を感じました。札幌市内の歯科医院で4年間修行を積んだ後、大学時代の同期生とのご縁で、彼の亡くなられたお兄さんが長年診療していた歯科医院の跡地を受け継ぎ、歯科ユニットやエックス線撮影装置などさまざまな機器を入れ替えて2023年にオープンしました。患者さんは前院長時代に通っていた方をはじめ、最近は遠くから来られる新規の方が増えています。

「キャメル金子歯科」の「キャメル」の由来を教えてください。

歯科医院の理想を表しつつ、親しみやすくかつ新しいクリニックの名称を考えていました。私は歯科の本質は「咬合」すなわち歯の噛み合わせだと考えていて、「噛める」から「キャメル」という語呂合わせなんです(笑)。また、「キャメル」は英語で動物の「ラクダ」の意味です。「ラクダ」=「楽だ」ということで、痛みの少ない治療をして患者さんの痛みが取れて楽になることを志しております。歯医者は痛いというイメージを持たれる方が多いのですが、痛みの少ない治療を行うためには局所麻酔が重要でして、いかに良く効く麻酔注射を痛くないように打つかが大切です。そのために当院では、刺す場所の痛みを和らげるために表面麻酔をしてから、電動注射器を用いて位置や量、回数を見極めながらゆっくり時間をかけて注射しております。

他に診療で大切にしているところはありますか?

金子正範院長 キャメル金子歯科クリニック2

治療を成功させるためには診断を正しく下すことがまず重要です。そのためには口腔内診査および適切なエックス線検査が必要です。また、患者さんの全体像を把握することも大切と考えています。今までに受けてきた歯科治療や全身疾患および職業などの背景を理解した上で、患者さんの訴えと要望に耳を傾け、治療方針を提案させていただきます。現在どのような状態なのか、治療をしたらどうなるか、治療をしなかったらどうなるか、そういった点を説明するように心がけています。患者さんの将来予測をお示しして、快方に向かい一生良い状態を保つための手助けをしたいと願っております。

歯だけでなく、全身状態も鑑みて適切な治療を

勤務医時代の経験の中で、今の診療に生きていることを教えてください。

金子正範院長 キャメル金子歯科クリニック3

まず患者さんの病態を歯だけでなく体全体との関わりから捉えようとする意識は、現在も日々の診療にとても役立っていますね。32年間の勤務は約10年ずつ前期・中期・後期と分かれ、本当にたくさんの経験をさせてもらいました。中でも医科の先生や診療放射線技師などとチームを組みながら、舌がんをはじめとした口腔がんや頭頸部がん、また、放射線治療の影響で生じる口腔内の有害事象などが原因で顎の骨が弱ってしまう顎骨壊死など、専門的な症例を手がけることが多かったですね。前期は放射線治療科で主に口腔がんの患者さんの放射線治療に従事し、中期は放射線治療を受けた患者さんの歯科治療や口腔ケアに携わりました。ここで出会う患者さんは、全身的にも高リスクの方が多く、治療においても特別な配慮が求められました。細菌感染のリスク、薬の相互作用の危険性などさまざまな知見を念頭に置いて治療を行うことが必要不可欠だったのです。

その後、どんな経験を積んだのでしょうか?

最後の10年は歯科放射線画像診断を専門に従事しました。画像診断では、漫然と画像を見るのではなく、正常像と病的像を意識して観ることが大切で、そのためには撮影原理の理解や解剖学や病理学の知識が必要なので、とにかく勉強の毎日でした。画像診断レポートを書くためには、頭の中で意味がある画像所見を抽出し、有用な画像情報として言語化する作業が必要です。そのようなトレーニングを業務として多数行えたことは現在の診療でとても役に立っていますし、歯科医師でこのような経験が積めたことはとても貴重だったと思っています。

その他、現在の礎になっている経験はありますか?

金子正範院長 キャメル金子歯科クリニック4

放射線治療科での経験も鮮明に思い出されます。がんの患者さんが主だったので、命に関わる病気治療の現場にいたことは一般歯科のみでは得られない貴重な経験でした。当時チームを組んでいた医師たちはとても熱い思いを持った方ばかりで、手の施しようがない患者さんの病状を見て悔しさを噛みしめながら何かできる治療がないか模索し続けていました。こちらのクリニックでもがんなどの病気を患う患者さんがいらっしゃることもありますが、当時の経験をもとに真摯に対峙することができます。また、歯学部の学生教育に携わりながら築いた人脈も、今の地域での医療連携の下支えになってくれていることを実感しています。

質の高い治療で、地域を支える存在に

歯科医師になったきっかけを教えてください。

金子正範院長 キャメル金子歯科クリニック5

小さな頃は群馬県の田舎に住んでいて、虫歯が多い子どもでしたので、多くの歯科治療を受けた経験があります。幼少期に通った一人目の先生は子ども心にも怖い人で治療は痛くて泣くと怒られました。次に診てもらった先生は怖くありませんでしたが治療した虫歯が完全に治らず、「どうして治療しても治療しても虫歯になるのだろうか」と不思議に思っていたところ、田舎から県庁所在地の前橋市に引っ越して通った歯科医院で、それまでに受けた治療のほとんどがやり直しになったんです。たとえ普通の虫歯であっても歯科医師の技量や人間性によって治療結果の良し悪しがこんなに変わるんだと驚くと同時に、腕が良く人柄が良い歯科医師に出会える大切さを身をもって実感した出来事でした。当時高校生でちょうど将来を考える時期であり、自分も質の高い治療ができる歯科医師になりたいと思いました。

歯科医師の技量によって治療の質にも影響が出てくるものなんですね。

そうですね。「虫歯は治しても治してもまたできてくるものだ」という感覚になってしまいがちですが、実はちゃんとした技量の歯科医師が根本から治療ができれば、再発を防ぐことはめざせます。私の場合歯学生の時に大学病院で受けた虫歯治療が一番良質だったと感じています。大学を出たての先輩の先生に治療していただいたのですが、とにかくベストを尽くして治そうとする熱い気持ちが伝わってきました。歯科医師の向き合う姿勢を含めて患者さんに伝わっていくことを肝に銘じながら、日々の診療に取り組んでいます。また、子ども心に怖かったり痛かったことはよく覚えているもので、今、子どもの患者さんがいらしたときにも歯科嫌いにならないように優しくを心がけています。

今後の抱負を教えてください。

金子正範院長 キャメル金子歯科クリニック6

歯周外科治療に力を入れたいですね。一般的な歯周治療に加え、歯周組織再生療法を取り入れたいと考えています。進行した歯周病では歯茎を切り開く手術を行って深部の歯石を取る場合がありますが、同時に歯周組織再生医薬品を注入して歯槽骨などの再生を促すのが歯周組織再生療法であり、保険適用になっています。また、体制や準備をいろいろ整える必要がありますが、訪問歯科診療も行いたいと思っています。開業前の4年間、週に1度老人ホームなどに訪問歯科診療に行っていましたが、そこで感じたのは、食べるという行為は生物の根本であり、人間は自然状態で口から食べてこそ生きられるということです。終末期の高齢者を診療することで世の中から求められる歯科診療の全体像が見えたような気がします。小児から高齢者まで家族全員が受診できる歯科医院にして、患者さんが一生歯では困らないよう尽力したいと思っていますので、お気軽にご相談ください。

Access