井関 真良 院長の独自取材記事
井関デンタルオフィス
(市川市/市川駅)
最終更新日:2025/09/05

市川駅前という好立地にある「井関デンタルオフィス」は、2024年1月に開業した。市川で生まれ育った井関真良(いせき・まこと)院長は、幅広い歯科治療に対応し、中でもできる限り歯と歯の神経を残す治療が得意。マイクロスコープやMTAセメントといった先進機器や材料を活用した緻密な根管治療、歯髄温存療法を提供している。治療後には、定期的なメンテナンスも重視。ケアをしっかりと時間をかけ、口腔内の健康維持に努めている。常に治療法の追求やその活用といった研鑽を重ね、ざっくばらんな語り口も楽しい井関院長に、クリニックの強みや診療のこだわりを聞いた。
(取材日2024年1月30日/再取材日2025年5月27日)
できるだけ歯と歯の神経を残すための治療を地元で提供
こちらはどのようなクリニックでしょうか?

保険診療を含めて幅広く対応しますが、最も大きな特徴は、可能な限り歯と歯の神経を残すための精密な治療を行っていることです。具体的にはマイクロスコープなどの機器や、MTAセメントを含むバイオセラミック製材を使った精密な根管治療、そして歯髄温存療法です。他のクリニックで神経を抜かなくてはならない、抜歯の必要があると言われ、踏ん切りがつかずお悩みの方は、ぜひご相談いただければと思います。
設備のこだわりを教えてください。
裸眼の最大20倍で診ることができるマイクロスコープと高画質のエックス線検査機器、CT、口腔内スキャナーを備えています。こうした機器は精密な治療に役立つことはもちろん、動画や画像で治療の様子を患者さんにも見てもらうことができます。歯科衛生士さんもマイクロスコープを扱うことができ、1台は歯科衛生士専用に導入しているんです。私は治療の際に1本、2本の歯だけを見ますが、歯科衛生士さんはスケーリングやメンテナンス時に上下左右の歯を見ますから、より操作しやすいものを新たに購入しました。他には歯周病治療、虫歯治療や抜歯後の止血、口内炎の治療にも有用なレーザー機器も活用しています。内装に関しては、病院的なイメージにならないように、やわらかく落ち着いた雰囲気を意識しています。ユニット3台のうち2台は外の景色が見えるように設置しているので、開放的な空間で気持ち良く過ごしていただけるのではないかと思います。
どのような患者さんがいらしていますか?

20代から80代の患者さんが多く、初診時はメンテナンス希望の方が半分程度、他は虫歯や詰め物が取れた時などに治療で来られています。来院のきっかけは、クリニックの前を通りかかった方がほとんど。最近はホームページをご覧になってきてくださる方も増えてきました。市川は全国的にも珍しく人口増加が続いており、引っ越してくる方も多いので、定期的に通える歯科クリニックを探しておられる方も多いように感じます。患者さんとは、市川にまつわる会話ができることがたくさんあり、うれしいです。出身の小学校や中学校の話題になり「僕の後輩じゃないですか!」なんて盛り上がることも(笑)。初対面でもお互いに親近感を持って接することができているのではないかと思います。
精密な根管治療や、じっくり丁寧なメンテナンスを提供
どんな治療を行っているか、具体的に伺います。

やはりマイクロスコープやMTAセメント、ラバーダム防湿など現代歯科医療の先進の機材、材料を用いて、世界水準で「できるだけ歯を残す、歯の神経を残す」ための治療を行いたいと思っています。MTAセメントとの出合いは大きくて、根管治療はもちろんのこと、根管治療の前に行う歯髄温存療法という神経を残すための方法を学んで実践しています。神経を抜いた歯は、健康な歯に比べて割れやすくなります。僕も根管治療後に歯が割れてくるケースを何度も経験しました。歯髄温存療法はマイクロスコープを使用することで治療もしやすくなるので、やらないのはもったいないと考えています。根本的な虫歯治療をしっかりとやれば、もっと言いますと、メンテナンスで虫歯にならなければ、神経を抜く必要はないでしょう。
歯牙移植にも対応されるそうですね。
根管治療後、歯が割れて残せないという場合に、インプラントに代わる選択肢として行っています。抜歯した所に親知らずなど、ご自身の他の歯を移植するというものです。自分の歯を利用するわけですから患者さんにとっても良いことだと思うのです。また歯を残すという方針に矛盾するようですが、最初に勤めたのが入れ歯の専門家の先生の所だったので、補綴や入れ歯の治療も実は好きで、得意なんです(笑)。
メンテナンスのこだわりも教えてください。

1時間かけてじっくりメンテナンスを行っています。歯科衛生士さんには「ピカピカにした!と自分が納得するまできれいにしてほしい」と伝えているんです。患者さんから「こんなに丁寧にしてもらったことはない」と言っていただけたらうれしいですし、そういった方々のクチコミから新たな来院につながると良いですね。生涯を通してお口の健康を守るためには病気を未然に防ぐこと、そして治療を終えてメンテナンスに進んだら、状況が悪くならないようにすることが大切です。虫歯に関して私が意識しているのは「早期発見・早期治療」ではなく「早期発見・長期経過観察」。小さな虫歯をすぐに削るのではなく、メンテナンス時に写真を撮って経過を追い、虫歯が大きくなった時に初めて治療に進むようにしています。歯磨きの得意不得意もありますし、患者さんにとって適切なタイミングで治療を行うためにも、患者さんには同じクリニックに通うことをお勧めしています。
先生の診療方針について聞かせてください。
患者さん一人ひとりにじっくり時間をかけた丁寧な診療を行いたいと思っています。診療所を表す「クリニック」ではなく、あえて「オフィス」という院名にしたのも、ゆったりと治療したいと思ったからなんです。そして、選択肢として保険診療と自由診療がある場合は詳しく説明して、患者さんがよく理解し納得してから選んでいただきたいと思っています。そのためにカウンセリングルームも設けました。初診ではカウンセリングと検査を私が行い、しっかり患者さんの状態を把握してからその後の治療や管理をしていきます。
長く続く患者との信頼関係は、歯科医師としての財産
開業まではどのようなご経歴を歩まれてきたのですか?

歯科医師になったのは、歯科技工士の祖父に言われたから、ですかね。祖父は自分の子どもを歯科医師にしたいと思っていたようですがかなわず、それもあり孫である僕に歯科医師を勧めてくれました。僕自身、手に職をつけたかったですし、歯科は楽しそうだなと思ったので歯学部に進みました。大学時代、部活OBの先生にいろいろ教わって歯の奥深さを知り、先生と同じ所で学びたいと思い、大学卒業後は先生が所属していた協会で学びました。1本の歯だけではなく口全体を診る治療法、いわば基礎の「き」を学び、同協会の霞ヶ関歯科診療所に勤務していました。また、ウケデンタルオフィスでも診療に携わってきました。新しい歯科治療を積極的に行っていることから、以前から非常勤医としても勉強させてもらいました。将来的には地元の市川で開業したいと考え、10年ぐらい前から場所を探していて、2024年にこの場所で開業することができました。
今後の展望について聞かせてください。
処置を行う歯を1本から数本に限定して行う小規模な矯正を1年以内に提供できるよう、現在勉強しているところです。例えば1本だけ傾いている歯を起こしたり、埋まっている歯を引っ張り出したりして、歯磨きがしやすい環境を整え、虫歯や歯周病の予防につなげていきます。今後もできる限り歯と神経を残すための技術を学び、研鑽してきたことを、患者さんに還元していきたいと思います。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

今まで多くの患者さんを診ていく中で、できる限り歯を残すこと、そして歯の神経を残すことが、長い目で見た時に、お口の中の健康の大きな差になって現れてくると考えています。できる限り歯や歯の神経を残すための治療で、この市川の皆さんのお口の健康を守っていきたいと考えています。基礎となる治療をしっかり行わないと、セラミックのかぶせ物を入れても結局悪くなってしまうことも少なくありません。美意識が高い方は見えない部分のおしゃれも大切にされるように、歯と神経を残すことにお金をかける意味はあると思います。歯と神経を残したい、お口の健康を守りたい、と思われる方はぜひご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは根管治療(歯種により異なる)/8万8000~14万3000円、歯髄温存療法(虫歯の深さにより異なる)/5500~4万4000円、セラミックインレー/8万2500円~、セラミッククラウン/11万5000円~