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宮本 研 院長の独自取材記事

九品仏駅前みやもと内科・腎臓内科クリニック

(世田谷区/九品仏駅)

最終更新日:2024/03/01

宮本研院長 九品仏駅前みやもと内科・腎臓内科クリニック main

九品仏駅から徒歩1分の医療ビル3階にある「九品仏駅前みやもと内科・腎臓内科クリニック」。木造の院内には、温かみを感じてほしいとあえて家庭用の家具でインテリアをしつらえた。二面分の大きな窓から明るい日が差し込む待合室から診療室に向かうと、院長の宮本研先生が優しい笑顔で迎えてくれた。宮本院長は、曽祖父から続く医師家系の4代目で、腎臓内科を専門に手術経験を積み、人工透析患者も数多く診てきたベテラン医師。専門の腎臓内科から一般内科まで幅広く対応できるホームドクターをめざして開業し、「同じ船に乗っているチーム」と信頼を寄せるスタッフとともに、日々悩みやつらさを抱える患者に寄り添う。患者と近い距離で信頼関係を築きながら地域に根づく診療を行う宮本院長に、診療のモットーや今後の展望を聞いた。

(取材日2024年2月7日)

一般内科から腎臓内科まで幅広く対応

クリニックの特徴を教えてください。

宮本研院長 九品仏駅前みやもと内科・腎臓内科クリニック1

地域の患者さんが気軽に相談できるホームドクターをめざし、内科と腎臓内科を掲げるクリニックです。まだ開業して間もないですが、10代から80代くらいまでの幅広い方に来院いただいています。高血圧や糖尿病などの疾患をお持ちの方や健康診断の2次検査に来られる社会人の方、インフルエンザなどの感染症疑いで受診される方など来院される目的はさまざまです。内科では地域医療の窓口的存在をめざし、腎臓内科では専門性を発揮したいと思います。中には内科系疾患で受診して、「実は腎臓のことも気になっている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。街ですれ違った患者さんに声をかけていただくこともあって、少しずつ地域になじんできたのかなと思います。

院内はすべて木造だそうで、どこか温かい雰囲気がありますね。

はい、できるだけ緊張感を感じさせないクリニックをめざし、ドア一つにしても幅や大きさにこだわっています。家具類は普通の家具店で購入したものです。体調が悪い時に硬い診療台に寝るのはつらいでしょう。診察室のベッドを子ども用マットレスにしたのですが、やわらかいですしリラックスできると思います。女性がコートと鞄を持って座れるサイズを基準に、椅子は座面が大きいものを選定。患者さんに信頼してもらって質の高い医療を提供するためには、落ち着いてゆっくり話せる空間が必要だと思ったのです。院内の家具一つにもこだわるホスピタリティーが、医療の信頼性につながると考えています。まだこれからアップデートしていきますが、今、私の思い描いた理想に近いクリニックができています。

どのような症状のときに腎臓内科を受診すれば良いのでしょうか。

宮本研院長 九品仏駅前みやもと内科・腎臓内科クリニック2

健康診断で異常値があれば受診してほしいと思います。早期診断につなげるために年1回の健康診断は最低限必要です。腎臓は痛みを感じることが少ない臓器ですから、異常値があるならできるだけ早く受診することが早期発見につながります。体重増加や顔のむくみなど、外見の変化が表れて数週間してから受診する患者さんが多いです。夕方に足がむくむ生理的浮腫とは違い、腎臓の機能低下による顔や手のむくみ、トイレの回数の急な増加や減少がある場合は、受診をお勧めします。腎臓は体の中に2つある臓器ですが、一体として動いているので両方とも一気に悪くなるケースが多いです。放置している間にも病気は進行しているので、「いつもと違う」と感じたら、一度相談にお越しください。

気軽に相談できるクリニックをめざして

宮本先生にとって内科とはどのような存在であるべきだとお考えですか。

宮本研院長 九品仏駅前みやもと内科・腎臓内科クリニック3

地域の患者さんのホームドクター的な存在が内科の理想的なあり方だと思います。日頃から患者さんと信頼関係を築き、病気になる前に何でも相談できる存在。「何科にかかれば良いかわからない」という症状でも気軽に受診できるクリニックが求められていると痛感します。当院では、たとえ私の専門外の分野でも近隣の医療機関と連携を取りながら対応可能です。まずは医療の窓口的存在となり、その中で腎臓の疾患が気になる方には専門的なアドバイスや治療を行っていきます。

ご専門の腎臓内科や人工透析についても教えてください。

今は、長い期間をかけて腎臓の機能が低下する慢性腎臓病に力を入れたいですね。これまで人工透析治療に20年携わってきましたが、病気が進行してから発見されるケースや透析治療がつらいとおっしゃる患者さんを本当にたくさん診てきました。開業した今、「透析治療が必要になる前にできることをしたい」という思いで診療しています。腎臓を少しでも長持ちさせるための治療を行って、透析せざるを得ない状況を一つでも減らすことが目標です。透析治療が始まると、週3回、年間150回の治療が必要になることもあります。透析は治療期間も長く、「常に体を浄化しないといけない」という疲労感で患者さんの心の負担感も大きくなっていくものです。腎臓の健康度は検査でしかわかりません。早期発見が大切ですから、毎年の健康診断を大切にしてほしいと思います。

診療の際に心がけていることはありますか。

宮本研院長 九品仏駅前みやもと内科・腎臓内科クリニック4

「また来たくなるクリニック」をめざして、優しさをもって診療することを心がけています。壁紙の色や調度品のセレクトはもちろん、話しやすい雰囲気づくりも大切だと思っています。ネクタイと白衣を着用しているのも、いわゆる「お医者さん」の姿のほうが、話をしやすいと思うからです。私はこれまで透析患者さんたちのつらい気持ちに多くふれてきました。悲しみをたくさん経験するほど人にも優しくなれると思います。透析は治療頻度も期間も長くなるので、自然と患者さんとの距離も近くなります。患者さんの話を聞くことが好きな私には合っていると思います。患者さんに真摯に寄り添い、「また別のことがあってもここに来よう」と思っていただけることが、医療の質向上にもつながっていくはず。常に患者さんの様子に気を配って、ホスピタリティーのある診療を心がけています。

予防医療に注力し、透析を受ける人を減らしたい

宮本先生は、代々続く医師の家系なのですね。

宮本研院長 九品仏駅前みやもと内科・腎臓内科クリニック5

はい。曽祖父の代から続く医師家系の4代目にあたります。特に2代目は外科の医師で、晩年は「尊厳死」を唱えた人物でした。私がまだ幼い頃に宮本の本家に遊びに行っては、壁に掛けられた祖父の手術風景の油絵を見て尊敬の念を抱いたのを覚えています。ですが私自身は決して優秀なほうではなく、最初にめざした泌尿器科では先生に駄目出しをもらって医局に入れなかったくらいです(笑)。縁があって腎臓内科のある第2内科の医局に入ることができ、結果的には良かったと思います。人間の臓器で機能が失われると生きていけないものはたくさんありますが、腎臓は2つあるので片方失っても透析で生きることが望めるところに腎臓内科の面白さがあると思います。医局では手術ができる腎臓内科医として経験を積めたこともありがたかったですね。

スタッフの皆さんとの連携はいかがでしょうか。

とても明るい雰囲気で仕事ができていると思います。ゼロからの立ち上げですから、皆で小さな船を漕ぎだすようなイメージです。馴れ合いではなく、でも必要な時にきちんと助け合える。そんな組織が理想ですね。患者さんの少ない時間帯に会議をして何でも皆で決めています。自分たちで決めるのは負担もある一方でやりがいもあるはず。いろいろな患者さんの思いを受け止めることができ、医師もスタッフも笑いが絶えない明るいクリニックをめざします。私自身も開業して、患者さんやスタッフから「常に見られている緊張感」を持って診療しています。まだ開業後間もないですが、例えば、受診から半年たっても、患者さんが何かあったらふらっとまたうちに来てくれるかどうか。これから結果が出てくると思います。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

宮本研院長 九品仏駅前みやもと内科・腎臓内科クリニック6

今後は予防医療に力を入れていきたいです。未病の状態で相談できるようなメニューや腎臓に関わる総合的な検診、エイジングケアの領域も、保険・自費を問わず取り入れたいと考えています。腎臓は体の浄化器官。年齢が上がってもより良く生きるために、検査や相談だけでも気軽に受診してほしいと思います。腎臓内科だけでなく何でも身近に相談できるかかりつけクリニックをめざします。「こんなことも相談しても大丈夫かな」というようなことでも歓迎です。皆さんがより良く生きるためのサポートをしたいと思いますので、気になることがあれば受診してみてください。

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