福井 崇大 院長の独自取材記事
クリニックプラス立川
(立川市/立川駅)
最終更新日:2025/07/11

西東京最大の都市としてにぎわう立川。日々、多様な人々が忙しく行き交う町で、誰もが受診しやすいよう工夫を重ねる「クリニックプラス立川」。院長の福井崇大(ふくい・たかひろ)先生が専門とする呼吸器内科を筆頭に、内科、アレルギー科などの幅広い診療を行っている。白を基調とした洗練された受付には、最新鋭のPCが据えられ、受付から会計までスマホ一つで完了する。そんなスマートな動線も、DXを推進するこのクリニックならでは。未来的な空間でありながら、どこかほっとする雰囲気が漂うのは、患者ファーストの姿勢が根づいているからだろう。福井院長がスタッフたちと何よりも大切にしているという「患者ファースト」を基盤とする診療とはどのようなものなのか、詳しく話を聞いた。
(取材日2025年6月23日)
呼吸器内科などの幅広いプライマリケアに注力
立川駅近くで夜まで診療。多忙な人も通いやすいクリニックですね。

現在、クリニックプラスは下北沢院、吉祥寺院など8院を展開していますが、すべて駅から1〜2分の便利な場所にあり、平日20時まで土日祝日は17時30分まで診療しています。さらに、グループ全体で徹底しているのが「患者さんのクリニックでの無駄な滞在時間を極力省く」という点です。具体的には、ウェブやコミュニケーションアプリからの予約時に問診票に入力していただいた内容が、即座に電子カルテに反映されるシステムを構築。キャッシュレス会計も導入し、スマホ一つで完結する医療体験を実現しました。加えて立川院では診察前の検査を推奨しているのが特徴といえるでしょう。患者さんのさらなる待ち時間軽減と、より精密な診断につなげています。
立川院はどのような患者さんが多いのでしょうか。
患者さんは10代から80代まで幅広く、訴えは内科疾患からアレルギー疾患までさまざまです。中でも当院は呼吸器内科の診療を行っていることもあり、咳の相談が多いですね。私は日本呼吸器学会呼吸器専門医でもあり、咳に関する診療は強みの一つです。咳はなんとなく我慢し続けてしまい、気づかないまま生活の質が著しく落ちていることも少なくありません。「夜間の咳で眠れない」「日中の咳がひどく会話が中断してしまった」といったことがあれば、ぜひ受診していただけたらと思います。多くの場合「咳で困らないようにする」のが治療の目標となりますが、まれに肺がんや結核が隠れている例もあり、油断はできません。
こちらの呼吸器内科での検査や治療について教えてください。

検査としてはエックス線検査のほか、喘息の診断に使用する呼気NO検査、肺や呼吸の機能を評価して呼吸器の病気の有無を調べる肺機能検査などを行っています。感染症の可能性があるときは各種抗原検査を追加することもありますね。治療としては投薬治療が中心で、気管支炎ならば抗生物質や解熱剤、喘息ならば吸入薬や咳止め薬を処方。院内に薬剤を霧状にして気管支や肺に届けるネブライザーも備えています。また、38℃以上の高熱があり黄色や緑の痰が出るなら肺炎が心配です。抗生物質での治療になりますが重症例では酸素吸入が必要になることもあります。せっかく肺は苦しい内視鏡検査などをしなくてもエックス線で外から診ることのできる臓器でもあるので、ためらわずに早めにご相談ください。
患者ファーストで寄り添う手厚く温かなケア
次に、先生のこれまでの歩みをお聞かせいただけますか?

開業医として地域の方々のために働く父の姿を見て育ち、自然と同じ道に進みました。一度は父と同じ形成外科を志し、手術にもやりがいを感じていました。ところが、救急科で命のやりとりの現場に遭遇し心をつかまれてしまったんです。それが、生命を支える基本でもある呼吸器の世界に足を踏み入れたきっかけでした。その後、立川病院の呼吸器内科に8年間勤務し、主に診ていたのは肺がんなどの重症疾患です。亡くなる方もいましたし、命は助かっても元どおりの社会復帰は難しいのが切なく、もどかしく感じていました。一方、2024年から当院でプライマリケアに従事するようになってからは、仕事や勉強に思いきり励めるように患者さんたちをサポートできることが、新鮮であり、とてもうれしくもありますね。
忘れられない患者さんのお話を伺えたらと思います。
立川病院時代、肺がんの患者さんでご自身の思いが非常に強い方がいらっしゃいました。治療方針をお話ししてもなかなか同意を得られません。それでも、お気持ちを否定せずに、諦めずに何回も話し合っていくうちに、かたくなな心がほぐれていく瞬間がありました。こちらの意見を押しつけるのではなく、患者さんに心から納得していただくまで寄り添うことの大切さを教えてもらったことを感謝しています。最期まで担当させていただきましたが、今でも忘れられません。当院に勤めて2年になりますが、「なんとなく咳が気になる」というご相談もよくお受けします、肺がんが見つかる可能性もありますので、どうか、咳が続いたら放置しないでほしいと心から思います。
診療にあたって何を大切にしていますか?

今も昔も変わらず大切にしているのは「患者ファースト」です。患者さんの生活をよく理解した上で最良の治療を提案していきたいと思っています。たとえ似た症状でもライフスタイルが違えば、異なるアプローチ法が必要です。誰一人として同じ人はいないのだと肝に銘じて診療にあたるようにしています。スタッフたちもこのような私の考えをよく理解してくれて、患者さん一人ひとりにとても丁寧に接してくれています。当院を受診した患者さんが「またこのクリニックにかかりたいな」と満足していただけるよう、これからもチーム一同で力を合わせていきたいです。
立川エリアの健康を末永く見守っていきたい
今後、こちらをどのようなクリニックにしていきたいですか?

プライマリケアクリニックとして幅広い診療を提供しながら、強みとしている呼吸器内科に力を入れていきたいです。患者さんにとって良き治療者であるだけではなく、頼れるアドバイザーでもありたいと思っています。ご自身のことでもご家族のことでも、何か気になったら「あそこに相談してみよう」と、最初に思い出してもらえる存在になるのが目標です。私自身、立川で診療をするようになって10年がたちました。立川病院に勤務する前は縁もゆかりもなかったのですが、今ではすっかり愛着が湧いています。親しみを感じてやまない近隣の方々の健康を末永く見守っていきたいです。
お忙しい毎日ですが休日はどうお過ごしですか?
小さな子どもが2人いるので、休日は一緒に公園に出かけるなどしています。子どもというのはたった1週間でも変化があるものです。週末ごとに成長を感じられるのは、親として何よりの喜びですね。家族と過ごしているときは「先生」ではなく完全にただの「お父さん」になっていますね(笑)。オンとオフをしっかり切り替えてプライベートも大切にすることが、より良い仕事にもつながると実感しています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

呼吸器内科はもちろん、内科やアレルギー科に関するご相談もお待ちしています。形成外科時代には関連性の高い皮膚科も経験しているので、皮膚のお悩みにも対応できます。もちろん「何科にかかったらいいのかわからない」というときにも遠慮せずにいらしてください。当院でできる限りの診療をさせていただきますが、必要があれば立川病院、災害医療センター、立川相互病院などにも迅速に紹介します。小さな違和感から深刻な病気が見つかる例もありますし、何もなかったとしても日常生活をより快適に過ごすアドバイスもできます。小さな咳一つでも「受診してみようかな」と思ったタイミングを逃さずに、気軽にお越しください。