堀 弘憲 院長の独自取材記事
SBC御茶ノ水こどもレーザークリニック
(千代田区/御茶ノ水駅)
最終更新日:2024/06/13
御茶ノ水駅から徒歩約3分の場所にある「SBC御茶ノ水こどもレーザークリニック」。美容クリニックグループが運営する、保険適用の子どものあざ治療に特化したクリニックだ。院長の堀弘憲先生は、丁寧な語り口と何でも相談しやすい雰囲気が印象的。形成外科で経験を積んだ後、自由診療の美容医療の世界に飛び込んだ。子どものあざは、発育に影響ない、と診断されて成長後に残るケースも少なくないという。ただ「子どもにできる限りの治療をしてあげたい」というのが親心。同クリニックでは、第1・第3火曜午後と土曜午後に診療日を設け、先進のレーザー機器を用いて、局所麻酔・日帰りでの治療に対応する。「あざのことを気軽に相談できるクリニックでありたいです」という堀先生に、開業の思いやあざの治療について詳しく聞いた。
(取材日2023年12月26日)
保険診療で子どものあざ治療に挑戦するクリニック
今回、子どものあざに特化したクリニックを開業した経緯を教えてください。
子どものあざは「発育に影響がない」という理由で、見つかっても放置されることが多いです。ですが、「子どもにできる限りの治療をしてあげたい」と考える親御さんも多いと思います。そんな方に貢献したいと思い、保険適用でお子さんのあざ治療を専門に扱うクリニックを開業しました。当クリニックは美容クリニックグループを母体としており、先進のレーザー機器を複数導入し、仕上がりを重視した治療の提供に努めています。選定する機器によって費用に変動はありませんので、お子さんや親御さんにとってメリットになると考えています。
クリニックのコンセプトについてはいかがでしょうか。
赤ちゃんや小さなお子さんに特化した保険適用のあざ治療がコンセプトです。グループ代表の意向により、社会貢献と美容業界への貢献をめざし「保険適用の子どものあざ治療」という新たな分野に挑戦しています。当クリニックでは、赤あざの一種である乳児血管腫(いちご状血管腫)や単純性血管腫、腰やお尻以外にできる青あざの異所性蒙古斑、顔にできる青あざの太田母斑などが診療対象です。大学病院などでは治療の際に全身麻酔と入院、親御さんの付き添いが必要なケースも。当クリニックでは局所麻酔・日帰り治療を基本としているのでお子さんと親御さんの負担も軽減されます。病院以外でのあざ治療という選択肢をご提供することは社会貢献にもつながると思います。「あざのことを相談したい」と思ったときに気軽にお越しいただけるようなクリニックでありたいです。
現状では、子どものあざについて相談できる場所は少ないと思います。
そうですね。発育に影響がなかったり自然に消えたりするあざも少なくないので、お子さんのあざを専門に治療している医療機関は少ないです。「あざは個性の一つ」と考える親御さんもいる一方で、「発育に問題なかったとしても、見た目を改善したい」という親御さんもいます。治療したいと思ったときどこに行けば良いかという情報も少ないので、お悩みの方も多いはず。当クリニックでは治療に進むかどうかに関わらず、まずは気軽にご相談に来ていただければと思います。まずは保険適用でのあざ治療が可能だということを知ってもらい、困っている方が気軽に相談できる場所をめざします。
保険適用で治療できることを知ってほしい
美容クリニックグループならではの強みを教えてください。
機器の選定にこだわっており、先進のレーザー機器を複数導入していることが強みです。従来よりも照射範囲が広い機器を導入することで、短時間で治療を終えることにもつながります。レーザーを当てるとどうしても痛みがありますから、痛みの時間も少なく済めばと考えております。また私が元は形成外科を専門としていたので、きれいな仕上がりにはこだわりがあります。他にはトラブル時の対応にも力を入れています。当クリニックの顧問として東海大学と日本大学の先生がついていますし、緊急時の対応では日本大学病院の先生とも連携をとっています。トラブルのない治療が理想ではありますが、万が一トラブルが起こった場合に備え、バックアップ体制の強化を図っています。
どんなタイミングで受診を勧めたいですか。
気になることがある場合はできるだけ早めの受診をお勧めします。子どものうちなら皮膚が薄く、治療の効果も期待しやすいです。レーザー治療は輪ゴムで弾かれたような痛みを伴うので、お子さんにとっては嫌だと思います。赤ちゃんのうちに治療すればそれほど記憶に残らないといわれています。乳幼児健診で医師から「このあざは勝手に消えますよ」と言われたとしても、気になるのなら相談してもらって大丈夫です。治療が必要なく自然に薄くなっていくあざもある一方で、いちご状血管腫のようなあざが目や鼻の周りにあると、視覚や呼吸の機能に影響が及ぶ場合も。早めの治療が必要なケースもあるので、自己判断せず相談してほしいと思います。
診療で気をつけていることは何でしょうか。
「親御さんがどうしたいか」を常に考えながら診療しています。赤ちゃんや小さいお子さんは治療の意思表示ができないので、親御さんのご希望に添うことが大切だと思います。治療をしたい理由やどのくらいの効果を期待しているかを伺いながら、治療の可否や進め方を相談します。あざが消えて周りの皮膚とまったく同じになることを期待して来られる方も多いです。レーザー治療の場合、望める結果にも個人差があります。医学的に治療の限界をお伝えすることも医師としての役割です。もちろん受診したら必ず治療をするわけではなく、あざが薄い場合やリスクが高い場合は治療をしない選択肢もあります。扁平母斑という茶色いあざは、再発しやすいほか、治療によって逆に色が濃くなって悪化するリスクもあります。どんな治療にもデメリットがありますから、きちんとご説明した上で治療を始めたいですね。
手軽にあざの相談ができるクリニックをめざして
堀先生のこれまでのご研鑽についてお伺いします。
2011年に東北大学医学部医学科を卒業後、形成外科で経験を積みました。横浜市内の複数の病院に勤務してきました。その中で保険診療の限界を感じたことから、2020年に湘南美容クリニックに入職。例えば交通事故による顔面の外傷の場合、どうしてもへこみなどが残ってしまうことがあります。保険診療ではそれ以上の追求はできませんが、自由診療ならさらなる選択肢を模索できるのではないかと考えたのです。「自由診療で自分にできるベストの医療を提供したい」と感じるようになり、より見た目重視でできることが多い自由診療の道へ。見た目を重視する治療は今でも私の診療のベースになっています。形成外科の経験を生かしながら、保険診療でも見た目にこだわった治療をめざしたいですね。
今後の展望はありますか。
まだ構想段階ですが、保険診療では対応しきれないお子さんに、自由診療でプラスアルファの治療を提供したいです。まずは保険適用でできる範囲の治療を行い、希望される方には自由診療での治療もご提示できるのが理想です。美容クリニックグループの技術や知見を生かしながら、希望される方にはさまざまな選択肢をご提供できればと考えているところです。
近くに相談できるクリニックがないと悩む人も多いと思います。
当クリニックに来院される方は、東京都内からだけでなくインターネットで調べて神奈川県など少し離れた場所からもお越しくださいます。遠方からの受診は負担も大きいと思いますので、他の地域にもお子さんのあざ治療のクリニックを展開したいと考えています。クリニックを増やして地域間の医療格差の是正に取り組み、クリニック同士の連携体制を築くことで、患者さんやそのご家族だけでなくあざ治療の分野の発展にも貢献したいです。クリニックが遠方にしかなくて治療を諦める方がいなくなるといいと思います。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
今後もグループの強みを生かして、先進の治療を追求していきたいと思います。治療をしないという選択肢も尊重したいですが、治療する場合は早いほうが良いので気になることがあればお気軽にお越しください。中には発育に影響するようなあざもあります。「この子のためにできることはしてあげたいな」とお考えの方は、一度当クリニックにご相談にお越しください。治療の可否や進め方も含めて一緒に考えましょう。