大久保 望 院長の独自取材記事
千歳烏山おとなこども歯科
(世田谷区/千歳烏山駅)
最終更新日:2024/01/15

京王線千歳烏山駅から徒歩約10分。「千歳烏山おとなこども歯科」は2023年12月1日に開院した。同院の周辺はファミリー層が多い住宅街で、駅の近くの商店街は人でにぎわっている。院長の大久保望先生はCTやマイクロスコープを使った精密治療が得意で、精度の高い治療を提供することにこだわりを持っている。また噛み合わせについて専門的に勉強しているため、その視点を持って治療をしているところも特徴だ。さらに予防にも注力しており、将来歯に関することで苦労しないよう「小児の予防プログラム」を導入。家族全員で予防に取り組み、気軽に通ってもらえるような歯科医院をめざす。「いつまでもおいしく食事ができるよう、普段から歯科医院に行くようにしてほしい」と明るく語る大久保先生に、クリニックの特徴や診療方針などを聞いてみた。
(取材日2023年12月26日)
細部までこだわった治療を提供し患者の満足度を上げる
クリニックの特徴や、こだわった点を教えてください。

小児の予防歯科に力を入れたいので、子ども専用のかわいらしい造りにしている診察室があります。他にもユニットが2台あって、そちらはやわらかい雰囲気を出せるよう壁紙を淡いブルーにしています。建物自体がコンクリート打ちっぱなしなので、あまりスタイリッシュになりすぎないようにしました。また、高齢の患者さんに来ていただくための配慮もしています。例えば、院内をスロープではなくあえて段差にしています。一見、段差の方がつまづきそうなんですが、実は坂道の方が人は転びやすいそうです。そのような細かい点も周囲の方々にヒアリングしながらつくりました。
先生が歯科医師になろうと思ったきっかけから開院するまでの経緯をお伺いします。
歯科医師になろうと思ったきっかけは、学生時代に食べた歯磨きガムです(笑)。ガムの包装紙に、歯の豆知識が載っていたのですが、それを見て「歯科医師っておもしろそうだな」と思いました。実際、歯科医師になってさまざまな経験を積んでいくうちに、「もっと患者さんのためになることをしたい」と考えるようになりました。結果として、歯科医師への道に進んで良かったと思います。そして、より多くの患者さんに予防歯科の大切さを伝えていきたいという想いで開業することにしました。この場所を選んだ理由は、私が吉祥寺出身なので、少しでも地元に近いところで地域の皆さんに貢献できたらいいなと思ったからです。この周辺はファミリー層や支援が必要な高齢者がたくさん住んでいますので、私が歯科医師としてやりたいことが実現できると考えています。
CTやマイクロスコープを導入することで、患者さんにどのようなメリットがありますか?

これらの機器を使うことで、より精度にこだわった治療が可能になります。まずCTは、本当に細かい部分まで確認が可能になります。なおかつレントゲンにある被爆の心配などもCTでは不要のため、例えば親知らずの抜歯のときなどはCTで鮮明な画像を確認して、できるだけ患者さんに負担がかからないような処置へと工夫ができます。同じように、マイクロスコープという歯科専用の顕微鏡も歯の細部まで確認できるものです。それまで目視だけだった部分が、マイクロスコープを使うと肉眼で見えないところまで見えますので、特に歯の根っこの治療の際にマイクロスコープを使うと、精度にこだわった治療が可能になります。そのような点が患者さんにとってメリットになると思います。
噛み合わせや予防の大切さを広く伝えたい
噛み合わせについては専門的に勉強されたとのことですが、その重要性について教えてください。

噛み合わせが悪いと、特定の歯に負担がかかります。一部分の歯だけ強く噛むようなことがあると、いずれ歯が欠けたり折れたりすることにつながっていきます。皆さんは、歯を失う原因が虫歯や歯周病だけだと思っていませんか? 実はそうではなく、噛み合わせが悪いことが原因で歯を失うことがあることも知っておいていただきたいです。また、噛み合わせと歯周病には相関関係があります。そのため、虫歯や歯周病だけを治すのではなく、噛み合わせもしっかり調整しないといけません。私は噛み合わせについて深く学んできたこともあり、治療の際はかなりこだわって調整します。最初にきちんと合わせておかないと、どんどんずれてくるんですね。そして最終的に虫歯や歯周病になってしまうため、そうならないように当院では特に噛み合わせについては妥協しません。また、噛み合わせが悪いと顎関節症のリスクにもなるため注意が必要です。
予防については一般的にどのような点が大切なのでしょうか?
歯科医院は、「虫歯になってから」とか「痛くなってから」行く場所だと思っている方が多いです。通常、医療機関へは「風邪を引いた」とか「おなかが痛い」など、何か症状があって初めて行くことが多いです。しかし歯科医院はそうではないと思っています。歯は一度削ると元には戻せません。悪くなればなるほど、健康な歯の状態からは程遠くなります。セラミックやプラスチックなどは昔に比べて質が高くなっているものの、自分の歯の強さにはかなわないのです。だからこそ、自分の歯が悪くならないようにすることが一番重要です。そのために歯科医院で定期検診を受けるようにしてください。定期的に通ってもらうと虫歯の早期発見にもつながり、歯のダメージを最小限に抑えられます。
診療方針や治療の進め方についてお伺いします。

まず患者さんの主訴を確認した上で、治療をします。その後、なるべく早い段階でお口の中全体をチェックして、クリーニングをしていきます。虫歯や歯周病など、何も問題がないという人の方が少ないのできちんとケアをしていきましょう。さらに、噛み合わせもチェックします。噛み合わせが悪いからといって、必ずしも治療が必要だとは限りませんが、患者さんのお口の中の現状を知ってもらうためにも、私は隅々までチェックしています。患者さんに現状を説明した上で、治療方針を決めて進めていきます。より患者さんにわかりやすく伝わるよう、レントゲンに加えて「5枚法」という口腔内写真を撮影して説明を行います。鏡を見るよりわかりやすいと思いますよ。
地域に根差した歯科医院をめざす
患者さんと接する際にどのようなことを心がけていますか?

とにかく患者さんにわかりやすく伝えて、納得して治療や予防に臨んでもらうように心がけています。そのためには先ほども言ったとおり、口頭で伝えるだけではなく写真などを見せて確認してもらう必要があります。そうすると、患者さんに現状を理解してもらいやすくなりますし、モチベーションにもつながると考えています。治療をするかどうかは患者さん次第ではありますが、治療を行わない際のデメリットはきちんとお伝えするようにしています。患者さんが治療を行うべきかどうか迷うことのないよう、納得いくまで丁寧に説明することが重要だと思っています。
今後の展望についても教えてください。
今後は、小児の予防歯科をこの地域に根づかせたいですね。一般的には子どもの虫歯予防にフッ素を塗ることが知られているかもしれませんが、それだけではありません。そもそも、それぞれの子にどのような虫歯リスクがあるのか確認することが当たり前になってほしいです。虫歯になるリスクが唾液のせいなのか、菌のせいなのかなど、詳しく調べることでよりその子に合わせた予防ができるようになりますよ。そのためにも、子どもたちが気軽に歯科医院に通える地域になってほしいなと思っています。それから、準備が整い次第、訪問歯科も始めていきますので歯科医院に通えない患者さんのケアもしていきたいですね。
地域の方や読者へのメッセージをお願いします。

歯周病に関しては、歯磨きをきちんとすれば予防できます。ただし虫歯は確実な予防法がありません。だからこそ、定期的に歯科医師に診てもらうことをお勧めします。また、歯磨きもちゃんとできているかどうかを自分で確認するのは難しいですよね。磨いているつもりでも、私たちが見ると磨けていない部分があるかもしれません。磨き残しがあるとそこから虫歯や歯周病になりますので、お口の中を良い状態に保つためには、やはり歯科医院で見てもらうのが一番です。また、歯科医師に対する要望や不満があれば遠慮なく言ってほしいですね。その上で、可能な限り患者さんが満足いくような解決方法を見つけていきます。いつまでも自分の歯でおいしく食事ができるよう、全力でサポートしますのでぜひ一度当院に足を運んでみてください。