落合 正英 院長の独自取材記事
おちあい歯科クリニック
(目黒区/西小山駅)
最終更新日:2021/10/12

2011年に開院した「おちあい歯科クリニック」。西小山駅から徒歩2分の便利な場所にあり、クリニックの入り口から診察台までバリアフリーと通いやすい環境が整っている。院長の落合正英先生は噛み合わせが専門だが、「町の歯医者さん」として虫歯や歯周病などの一般歯科から小児歯科、インプラント治療、審美歯科、予防歯科、歯科口腔外科と、オールラウンドな診療を提供。また、口内炎ができやすい・治りにくいといった症状には、希望に応じて漢方薬の処方も行っており、小さな子どもから90代の高齢者まで幅広い年代の患者が訪れる。「歯科クリニックの扉は重いと思いますが、“お口の悩みはここに来れば何とかなる”と思っていただけるクリニックでありたいですね」と笑顔を見せる落合院長に話を聞いた。
(再取材日2019年8月28日)
「町の歯医者さん」としてオールラウンドな治療を提供
まずは、開院の経緯をお聞かせください。

私は文系の大学の附属高校に通っていたのですが、手に職をつけたいと考えて歯科医師を志し、神奈川歯科大学に進学しました。卒業後は大学に残って附属病院で患者さんの診療に携わる一方、保存歯科の研究のお手伝いをしていて、当時は漠然と「将来は研究をやっていこう」と考えていました。しかし、ちょっとしたきっかけから外部のクリニックで治療したときに、「自分には研究よりも、臨床の現場で患者さんとコミュニケーションを取りながら治療するほうが向いているのではないか」と感じて、開業を意識するようになったのです。その後、神奈川県内や東京都内のクリニックでの勤務を経て、2011年5月に当院をオープンしました。
クリニックの特徴について教えてください。
ここは町の中にあるクリニックです。もちろん専門性を追求する町のクリニックはありますし、価値のある医療を行っておられると思います。ただ私自身は「町の中で開業するのだから、あらゆるニーズに対応できるクリニックをめざそう」と考え、一般歯科・小児歯科・予防歯科・審美歯科・インプラント治療と幅広く診療しています。実は私は子どもの頃からここ西小山にほど近いエリアで暮らしていて、地元というと言い過ぎなのですが、とてもなじみのある町なのです。そんな愛着のある町で地域医療に貢献するには、患者さんの目線で診療することが大切だと思っています。私の家族や親戚に歯科医師はいませんが、だからこそ患者さんの気持ちを理解しやすい面もあると思います。患者さんと同じ立場に立ち、患者さんのために何ができるかを考えた診療を提供していくこと、きっとそれが一番重要なことなのではないかと思っています。
どのような患者さんが多いでしょうか?

50代、60代の働き盛りの方を中心に、小さなお子さんからご高齢の方まで幅広い年代の方が来院されています。平日は夜9時まで診療していますので、仕事帰りに立ち寄るビジネスパーソンや、土日にはご家族ぐるみで受診される方もいらっしゃいます。遠方から来る方もおられますが、やはり近隣にお住まいの方が多いですね。当院では初めて受診された患者さん一人ひとりに、その方のお口の状態がわかる説明書を作成してお渡ししています。私は歯科医師には治療するだけでなく、患者さんにお口の状況を伝える義務もあるのではないかと考えています。説明書を読んで、例えば「今は虫歯はないけど、詰め物が入っているこの部分は虫歯になるリスクが高い」などご自分のお口の状況を知ることで、予防の意識を高めていただければうれしいですね。
口内炎やドライマウスに漢方薬を処方することも
どのような訴えで来院される方が多いでしょうか?

歯の痛みを訴えて受診される方が多いですね。またお子さんでは学校の歯科検診で虫歯が見つかったなど、ご家族に連れられて口腔内のチェックをしてほしいと来院される方もおられます。当院では、虫歯を客観的に数値化できる虫歯検査器を導入し、早期発見・早期治療に取り組んでいます。虫歯を早い段階で見つけられれば歯を削る範囲が小さくて済みますし、歯に穴があく一歩手前のごく初期の虫歯であれば、歯の汚れを除去してメンテナンスをしっかり行うことで再石灰化が促され、削らずに修復できる可能性もあります。ただ、必ず修復できるとは限らないので、できれば定期的に受診して経過観察とメンテナンスを続けるようお勧めしています。
漢方薬の処方もされているそうですね。
はい。歯科で漢方薬というとあまりなじみがないかもしれませんが、歯科でも保険適応で処方できる漢方薬があります。例えば、口内炎は西洋薬で対処することもありますが、中にはなかなか治らなかったり、一度良くなってもすぐに再発してしまったりする方もおられます。こういった場合は症状を和らげていくだけの対症療法でなく、口内炎ができやすい体質に根本的にアプローチしていく漢方薬での治療が適しているのではないかと思い、東洋医学について研鑽を積みました。口内炎だけでなく、ドライマウスや疼痛などにも、患者さんのご希望があれば処方しています。
口腔内だけでなく、全身の健康をサポートされているのですね。

そうとも言えますね。西洋薬は特定の病気や症状に強く作用しますが、漢方薬は2種類以上の生薬で構成されているのでさまざまな症状に作用し、乱れた体のバランスを整えていくことで病気にアプローチしていきます。口内炎の原因はさまざまですから、体のバランスを整えていけば必ず改善するとは限らないのですが、それでも副作用が少ないのでお勧めしやすく、困っている方はご相談いただければと思います。また、口腔内の常在菌のバランスを整えるためのサプリメントも紹介しています。歯周病がなかなか治らない方や、お仕事が忙しい、妊娠中でつわりがひどいといった理由で歯磨きができない方には、虫歯や歯周病予防に役立つと思います。
歯科クリニックの重い扉を、少しでも軽くしたい
その他、力を入れている領域はありますか?

痛みや不快感の軽減のためレーザーを導入しており、歯周病や口内炎の治療時に使用しています。また、世界的に厳しいとされるヨーロッパ基準でクラスBの高圧蒸気滅菌器を備え、器具を滅菌処置しています。パックに封入後滅菌しますので非滅菌部分に接触することもありません。さらに滅菌できないものはディスポーザブルのものを使用するなど、徹底した滅菌対策で院内感染防止に努めています。環境面では入り口から診察台までバリアフリーになっていて、ベビーカーや車いすの方でも通いやすいと思います。ただ、ご高齢になると介護施設に入所されるなど、来院が難しくなる方もいらっしゃるので、ゆくゆくは訪問診療にも対応していきたいと考えています。
お忙しいかと思いますが、どのようにリフレッシュされていますか?
体を動かすことが趣味なんです。子どもの頃の夢は野球選手で、少年野球チームに入って、中学や高校、大学でも続けていました。今も歯科医師の先生方の野球チームに入っているんですよ。最近はあまり体を動かす時間が取れず、慌ただしい毎日を送っています。でも肉体的にも、そして精神的にも自分を休ませることは大事ですから、月並みですが深酒や夜更かしはしないように、規則正しい生活を送るよう自己管理しています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

おそらく多くの方にとって歯科クリニックの扉は重く、扉を開けるのは大きな勇気が必要だと思います。中にはご自分の歯の状態が気になっていても「痛い」「怖い」といったイメージから足が遠のいている方もいるかもしれません。好きでクリニックを訪れる人は少ないでしょうが、悪化させてしまうことのないように、扉の重さが少しでも軽くなり、「ここなら行ってもいいな」と、気軽に通っていただけるクリニックをスタッフと一緒につくっていきたいと思っています。また、勇気を出して扉を開けてくださった皆さんの悩みを共有し、その思いをくんで治療していくことが大切だと考えています。近隣の大学病院と提携していますので、専門性の高い治療が必要だと判断した場合は紹介も可能です。お口に関して困ったことがあるときは「とりあえず、おちあい歯科クリニックに行けば何とかなる」と思っていただける、そんな安心の要素の一つでありたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/(1本)40万円、セラミックインレー/5万円