江川 峻哉 院長、鈴木 学 副院長の独自取材記事
日吉本町えがわ耳鼻咽喉科
(横浜市港北区/日吉本町駅)
最終更新日:2025/03/14

日吉本町駅から徒歩3分の場所に「日吉本町えがわ耳鼻咽喉科」はある。江川峻哉院長は大学病院で培った技術と豊富な経験を生かし、「生まれ育った日吉本町に恩返しがしたい」と、2023年にこの場所で開業した。新生児から高齢者まで「家族で安心して通えるクリニック」をめざす同院。特筆すべきは、日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医の江川院長のほかに、日本小児科学会小児科専門医の鈴木学副院長による小児科診療も受けられる点だ。子どもが風邪をひいた時、耳鼻咽喉科と小児科どちらを受診するか迷う際も、安心してかかれるだろう。大学時代からの親友だという2人の共通点は「大の子ども好き」ということ。そんな2人に、同院の特徴や診療にかける思いについて聞いた。
(取材日2024年12月2日)
日吉本町を元気にする、地域に根差したクリニック
まずはこちらで開業された経緯について教えてください。

【江川院長】私は昭和大学医学部を卒業後、15年にわたり大学病院や関連病院で外来診療や多数の手術に携わってきましたが、子どもが大好きだったことや、これまで自分がお世話になった方たちに恩返ししたいという思いから、地元での開院を決意しました。日吉本町は私が生まれ育った町で、ここには昭和の終わりに建築士をしている父が手がけた耳鼻咽喉科渡辺医院があったんです。その先生が引退されたのを機に紹介されたのがきっかけで、日吉本町駅からほど近いこの場所で開業させていただく運びとなりました。当院も再び父の手によって生まれ変わり、町の方たちから「開院を楽しみにしていたよ」と温かく迎えていただき、ありがたい思いでいっぱいです。
クリニックの特徴についてお聞かせください。
【江川院長】当院には私の他に小児科を専門とする副院長の鈴木先生がおり、耳鼻咽喉科と小児科に対応しています。「子どもが発熱したけれど鼻水もすごい、耳鼻咽喉科と小児科のどちらへ行けばいいのかわからない」という時に、「まずは当院へお越しください」と言えることが大きな強みです。
待ち時間を減らすための工夫を取り入れていると伺いました。

【江川院長】耳鼻咽喉科や小児科は待合室が非常に混んでいて、待ち時間が長いという印象をお持ちの方も多いと思います。当院ではご自宅でゆっくり記載できるウェブ問診システムのほか、耳鼻咽喉科では順番予約制を取り入れて、週2~3日は2人体制で診療を行っています。また治療や検査の説明ではオリジナル動画を作成しました。院内の掲示物にQRコードを設置し、待ち時間やご自宅でも確認できるよう工夫しています。
【鈴木副院長】小児科では時間予約制を導入しているのですが、患者さん一人ひとりにしっかりと時間をかけて向き合っています。問診時に親御さんとお話ししていると「そういえば、こんなこともあって……」と、新たなご相談が出てくることも多いものなんです。そのような内容も漏らさず伺いたいですからね。
お二人は学生時代からのお付き合いだそうですね。
【江川院長】副院長は大学時代からの親友で、今では家族ぐるみでお付き合いする仲です。子ども好きの私から見ても、本当に子どもが好きということが伝わってくる先生で、うちの子どもたちともすぐに仲良くなってしまったくらいなんですよ。
【鈴木副院長】昭和大学は1年生の間は寮生活なので、江川先生とは文字どおり苦楽をともにした仲です。同期の中でも特に波長が合い、印象に残った授業の話や医療に関わる者としての姿勢についてなど、よく話していました。まさか一緒に仕事をするようになるとは夢にも思いませんでしたが、「地域の誰もが安心して受診できるクリニック」づくりに参加できてうれしいです。
耳鼻咽喉科と小児科の連携で、精度の高い診断と治療を
耳鼻咽喉科と小児科が連携して診療できるメリットを教えてください。

【江川院長】耳鼻科領域の病気でなかった場合、そのまま小児科で診てもらえるので、幅広い分野の病気を視野に入れた診察が可能です。親御さんにとっても、体調の悪いお子さんを連れてあちこち行かずに済むだけでなく、早期に適切な治療につながりやすい安心感は大きいと思います。
【鈴木副院長】小児科で診て「お鼻の処置をしてもらったほうがいいな」というときでも、すぐ隣の診察室へお願いできる点がメリットです。また、鼻の奥や耳の中の炎症がひどい場合にも、症状を画像で映しながら耳鼻咽喉科の先生から説明してもらえれば、親御さんの理解も深まるでしょう。痛みを伴わない中耳炎なども、耳鼻咽喉科の専門的な視点で確認してもらえます。
診療の際、どのようなことを心がけていますか?
【江川院長】大学病院では多数のがん手術に携わりましたが、クリニックでは私が早い段階で病気を見つけ、早期治療につなげなければなりません。診療の際は、専用の内視鏡を駆使してモニター画像で、耳・鼻・喉・口の中の症状を患者さんに見ていただきながら、丁寧でわかりやすい説明を心がけています。自分で症状を伝えることが難しい小さいお子さんに対しても、親御さんやご本人に治療の経過をお見せするなど、納得して治療を受けていただけるよう努めています。そのほか、聴力検査、重心動揺検査、超音波検査、院内迅速アレルギー測定機器、PCR検査機器を導入。小児科で使用する機器も充実させることで、迅速で精度の高い検査をめざしています。
新生児や発達・発育相談にも対応されていると伺いました。

【鈴木副院長】私は日本周産期・新生児医学会周産期(新生児)専門医も取得していて、NICUや産院での勤務が長かったこともあり、生まれたばかりの小さなお子さんの診察が得意です。また、当院では「耳の聞こえが悪い」といった耳鼻咽喉科領域で対応する症状だけでなく、「言葉が少し遅い」「落ち着きがない」「こだわりが強くて育てにくい」などのお悩みについても対応しています。最近では、お子さんの発達障害の可能性を心配され、悩まれるご家族も少なくありません。発達障害が疑われる場合は、幼児期からの個別または小集団での療育によって、コミュニケーション力の発達を促し、適応力を伸ばすことがめざせます。どうか一人で悩まず、些細なことでもお気軽にご相談ください。
患者に「ここへ来て良かった」と喜んでもらえるように
先生はなぜ医師をめざしたのですか?

【江川院長】私はキリスト教の学校に通っていたので、人のために尽くすのが当たり前という教育を受けて育ちました。小学生の卒業アルバムで「将来は医者になりたい」と書いていたので、その頃から誰かの役に立ちたいと思い続けていたようです。とにかく子どもが大好きなので、開業医となった今、赤ちゃんからご高齢の方まで、幅広い年代の患者さんと向き合えることがやりがいになっています。
【鈴木副院長】私は子どもの頃、アトピー性皮膚炎がひどくてずっと通院していたので、自然といつか自分も医師になって病気を治すことに関わっていきたいと思うようになりました。当院の小児科は時間予約制なので、患者さんやご家族とじっくりお話しできるのがありがたいですね。
今後の展望をお聞かせください。
【江川院長】受診のハードルをできるだけ低くして、患者さんに「ここへ来て良かった」と思っていただけるクリニックをめざしていきたいです。耳鼻咽喉科での処置を嫌がるお子さんは少なくありませんが、こまめな声かけや治療後のプレゼントを用意するなどして、お子さんが嫌な気持ちを引きずらないよう配慮しています。もちろん大人の方も、補聴器の相談や睡眠時無呼吸症候群、アレルギー、甲状腺など、首から上のことならば気軽にご相談いただけるとうれしいです。
【鈴木副院長】私は現在、週に3日こちらで診療しています。勤務医時代はローテーションで一つの病院に長くいることがきませんでしたが、地域に根差したこのクリニックで、患者さんが大きくなってからも末永く向き合っていきたいと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【江川院長】耳鼻咽喉科は生まれたばかりの赤ちゃんからご高齢の方まですべての年代が対象です。また私も副院長も、わが子の入院や手術を経験していますから、具合の悪いお子さんを思う親御さんの不安な気持ちも痛いほどわかります。ご家族皆さんに頼ってもらえるような、地域に貢献できるクリニックでありたいですね。
【鈴木副院長】私も親として不安な思いをした経験から、親御さんの気持ちに寄り添い、「大丈夫ですよ」と安心させたいといつも思っています。つらい思いを抱え込まず、些細な悩みや心配事でもお気軽にご相談ください。