竹尾千景理事長の独自取材記事

代々木上原皮膚科クリニック

(渋谷区／代々木上原駅)

最終更新日：2024/12/13

代々木上原駅東口から徒歩約2分。商店街の途中にあるビルの2階が「代々木上原皮膚科クリニック」だ。庶民的な親しみやすさと都会的な雰囲気が共存するこの街を「大好きな場所」と話す竹尾千景理事長が開院してから13年。竹尾理事長をはじめ経験豊富な勤務医が自身の専門性を生かして診療にあたる同院は、地域に根差す皮膚のかかりつけ医だ。毎週金曜日は東京医科大学病院皮膚科の医師が担当しており、急を要する疾患は速やかに大学病院への紹介や入院が可能である点も心強い。「一人ひとりに満足できる医療を提供し、家族や知り合いに勧めたくなるようなクリニックでありたいですね」と話す竹尾理事長に、診療内容や診療体制などについて話を聞いた。

（取材日2024年10月9日）

地域に根差した診療を実践する皮膚のかかりつけ医
アトピー性皮膚炎治療や漢方治療にも力を入れる
家族や友人に紹介したくなるようなクリニックをめざす

地域に根差した診療を実践する皮膚のかかりつけ医

小さなお子さんからママさん世代、高齢の方まで、幅広い層の患者さんが訪れるそうですね。

湿疹やイボ、じんましん、ニキビ、アトピー性皮膚炎などの皮膚科一般から、小児皮膚科や美容皮膚科まで、肌の病気や悩みを幅広く診療しています。商店街の一員として地域にも主体的に関わってきたこともあってか、さまざまな世代の方が多様な悩みを打ち明けてくださるようになりました。シックで落ち着いた待合室や、大きなガラス窓がある明るい診察室を「病院らしくなくて落ち着く」と気に入ってくださる患者さんも多いですね。開院から13年がたち、長く通ってくださる患者さんも増えてきました。開院当時赤ちゃんだった子が小学校を卒業する年になって久々に来院してくれたときには、「あんなに小さかったのに、すっかり立派になって」と親戚の子の成長を見るような気持ちがしましたね。時間がたっても、困ったときに思い出して頼りにしていただけるのは、とても幸せなことです。

先生をはじめ、専門性の高い先生方がそろっていると伺いました。

全員が皮膚科を専門としています。私を含め日本皮膚科学会皮膚科専門医の資格を持っている医師も多く、それぞれが得意分野を持っていますから安心して来ていただきたいですね。例えば、火曜日と土曜日の佐藤和佳子先生は内科の経験も長く、皮膚症状から高齢の方の内科的疾患を見つけてくださることがよくあります。水曜午後の吉武真里先生は、日本大学病院でも診療している先生で、日常的な疾患から自己免疫疾患、専門性の高い疾患まで、非常に知識が豊富。第3土曜午前の桂友理先生は、巻き爪などの小手術に素早く対応してくれるなど、手早い手技をお持ちです。また、金曜午後は東京医科大学の先生が外来を担当しており、必要に応じて迅速に入院の手配をしてくれるなど、大学病院との連携の軸になってくれているのも当院の特徴ですね。どの先生も私自身の良き相談相手であり、お互いに高め合いながら診療できる心強い存在です。

皮膚のことならなんでも相談できる心強い存在ですね。特に力を入れていることはありますか。

どの疾患にも平等に力を入れていますが、ニキビでお悩みの患者さんは多い印象です。ニキビ治療は、今あるものを治すだけでなくニキビができにくい肌にすることが大切。最近はいろいろな薬が使えるようになって治療の選択肢が増えましたが、洗顔方法や生活リズム、食生活、使っている化粧品の種類などを踏まえたアドバイスを心がけ、根本的な改善につなげることを意識しています。ニキビは慢性の炎症なので、治療は3ヵ月以上は見ていただかなければなりません。1、2週間で改善の兆しが見られないと諦めてしまう方も多いのですが、辛抱強く治療に向き合っていただけるよう並走していきたいと思っています。

アトピー性皮膚炎治療や漢方治療にも力を入れる

アトピー性皮膚炎の治療もお得意だと伺いました。

アトピー性皮膚炎は、近年になって効果が期待できる生物学的製剤の注射薬が登場しました。しかし、高額な薬なので、常備している一般のクリニックは少ないのが現状です。当院では、薬の有用性を重視し、早くから院内に在庫を置くようにしてきました。それは、当院ではこれまでも新しいものも積極的に取り入れて、患者さんの治療の選択肢を増やすことを大切にしているからです。

美容の相談にも対応していらっしゃるそうですね。

開業から13年がたち、私自身が皮膚の表面的な変化と内面的な変化を実感するようになりました。同時に、長くかかりつけとして頼りにしてくださる患者さんからも、同じようなお悩みを耳にする機会が増えてきたんです。ですから、一緒に変化に立ち向かい、健やかに生きるためのお手伝いをしたいと考えています。更年期を迎えてホルモンのバランスが変わり、疲れやすくなった、眠りが浅い、といった場合には、漢方薬を処方することも。客観的に肌の状態を診断できる機器を導入し、患者さんが気にしている部分が実際にはどういった状態なのか、どんなケアをすれば良いのか、データに基づいてアドバイスできるようにもしています。外見だけでなく、内面から元気になれるようなアプローチをしていきたいですね。

先生は肌がきれいですが、スキンケアの注意点なども教えていただけますか。

肌を洗いすぎないことですね。洗いすぎると皮膚の免疫が落ちてしまうからです。また、肌の保湿の重要性もよくいわれますが、やりすぎは禁物。何事も過度になると、それがトラブルの原因になるんです。私も肌はこすらず優しく洗うようにし、朝の洗顔はぬるま湯だけにしています。構いすぎずに必要最低限の保湿をして、皮膚を守ることを意識していただきたいですね。それと、顔のしわは今あるものを抑え、定着を防ぐことが重要です。特定の表情をしたときに出るしわは、その表情を続けることで皮膚に刻まれ、ほかの表情のときにも出るようになってしまいます。今はそれほど気にならないしわでも、5年後、10年後を見越した未来への投資として対策することをお勧めします。

家族や友人に紹介したくなるようなクリニックをめざす

診療の際に心がけていることはありますか？

祖父と父も医師で私は3代目になります。自宅兼医院という環境で育ち、医師という仕事を間近で見てきたこともあり、地域の人に信頼される医師になりたいと自然と思うようになりました。そうした生い立ちもあってか、開業当初からめざしているのは、家族や知り合いに紹介したくなるようなクリニックであることです。自分以外の大切な人を紹介したいと思っていただくには、技術はもちろん人柄でも信頼してもらわなければなりません。患者さんが心を開いてくださるように、まずは患者さんの話をゆっくり聞く姿勢を大切にしてきました。自分自身の肌トラブルがきっかけで皮膚科を志した経緯もあり、皮膚の状態が生活の質を左右することを実感しています。些細なことでも打ち明けていただき、解決の道筋を一緒に探っていけたらうれしいですね。

今後、力を入れていきたいことがあれば教えてください。

脱毛症をはじめとした頭皮疾患は、私たちが日々向き合っている疾患の一つです。最近では、難治な皮膚疾患に使用できる先進の紫外線治療器も導入しました。既存の治療で結果の得られない方に、新たに治療の選択肢が増えました。また、中には生まれつき細い毛しか生えてこなかったり、一部しか生えなかったりすることもあり、個性と割り切ることができずに苦しむ患者さんも少なくありません。そうした患者さんに相対するたびに、「治療と並行してウィッグなどで髪のおしゃれを楽しむことができたら、もっと前向きに人生を楽しんでいただけるのではないか」と常々思っていたのです。そうした長年の思いが実を結び、円形脱毛症、瘢痕性脱毛症、抜毛症、脂漏性皮膚炎、乾癬など、毛髪や頭皮に関わる疾患をお持ちの方に対応できる美容室をご紹介できるようになりました。患者さんのより良い人生のためにできることを、地道に続けていくつもりです。

最後に、展望と読者へのメッセージをお願いします。

当院をかかりつけにしてくれていた患者さんが結婚し、自分のパートナーやお子さんをつれて来てくれることがよくあります。そうやって、次の世代にも頼りにし続けてもらえるようなクリニックであり続けたいですね。肌のことで不安や心配事があれば、気軽に話をしにいらしてください。再診ではオンライン診療も可能ですので、継続的に使っている薬を処方してほしいときなどに活用していただけたらと思います。