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鷹橋 伸子 院長の独自取材記事

のばら内科クリニック

(品川区/戸越銀座駅)

最終更新日:2024/01/15

鷹橋伸子院長 のばら内科クリニック main

戸越銀座駅から徒歩6分。多くの買い物客でにぎわう戸越銀座商店街を抜けたところに「のばら内科クリニック」はある。この土地で長く診療してきた「栗原医院」を引き継ぐ形で新たに開院。院長の鷹橋伸子先生は、内科の一般診療のほか、消化器内科も専門として治療にあたっている。また、同院では女性内科も掲げ、女性の不調に寄り添った診療も行う。院内はピンク色を基調としたインテリアでまとめられ、やわらかい印象になるように工夫を凝らしている。診察室や検査室などは一つ一つの部屋を個室の造りにしており、プライバシーを守れるように配慮。医院を引き継ぎ、新しい門出を迎えた鷹橋院長に話を聞いた。

(取材日2023年12月4日)

歴史ある医院を継承し、女性特有の悩みに寄り添う

こちらは明治から続いていた「栗原医院」が前身だそうですね。

鷹橋伸子院長 のばら内科クリニック1

はい。1907年に開設され、100年以上も地域の方たちに寄り添ってきた医院でした。私はお隣で歯科医院を開業している娘さんの森田先生とテニス仲間で、先代の先生が閉院を考えているという話を以前から聞いていたのです。そこで、医院を継承して再開院しないかというお話をいただき、開院する運びとなりました。私はこれまで内視鏡を専門とする医師として多くの検診に立ち会ってきました。もともと患者さんとお話をするのが好きなのですが、検診は一度きりで、お悩みを伺ってもそのままに終わってしまうので、残念に思うこともあったのですね。こちらでは患者さんと時間をかけて向き合い、丁寧な診療をして、長いお付き合いをしていきたいと思っています。

女性内科を掲げていますが、どのような診療を行うのでしょうか?

これまで一般内科の診察を行う中で、女性の患者さんから更年期障害のような女性特有のお悩みを伺うことが多くありました。そういう場合「まずは婦人科を受診してください。そこで問題がなければ、内科にまた来てくださいね」とお話ししていました。そうすると「婦人科自体、数が少ない」「行ってもいつも混んでいて、なかなか話を聞いてもらえない」といったお声が返ってくるのですね。また、内科的アプローチで婦人科的なお悩みにお応えできることもわかってきました。婦人科は受診のハードルがやや高く、内科の女性の先生のほうが悩みを話しやすい面もあると思います。いろいろな悩みを抱えていらっしゃる方のお役に立ちたいと「女性内科」を標榜しています。

具体的にはどのような症状のとき、ご相談しても良いのでしょうか。

鷹橋伸子院長 のばら内科クリニック2

何でも気軽にご相談してほしいですね。よく「ちょっとしたことで相談してもいいのかしら」と迷うお声を聞きますが、ちょっとしたことの中に大きな病気が隠れていることもありますので、まずは医師に診察させていただきたいのです。例えば、消化器関連の症状では「食欲がない」「下痢をしやすい」「食べるとすぐトイレに行きたくなる」など。あるいは「なかなか眠れない」「めまいがする」「食べても太らない」など、少しでも気になることは何でもお話しください。「気になる」ということは「いつもと違う」ということ。ずっと悩んでいて相談しようかどうか迷っているという方、お話だけでも構いませんので、まずはおいでください。

「のばら内科クリニック」という名前はどういったところから?

何か花の名前にしたくて思案したのですが、すでに使われている花が多くて悩んでいたところ、義理の母が広島でやっている薬局の名前に「のばら」が使われていたことを思い出しました。「のばら」と検索すると、義母の薬局が一番にヒットしたのですね。それならと、この名前をつけることにしました。ただの「バラ」だと華やかすぎるけれど、野に咲くバラは可憐で清楚で良いかなと。また、内装に関しては女性になじみやすく、気軽に来ていただけたらという思いから、診察室の椅子やベッド、院内の表示など内装にピンクを多く使うようにしました。ユニホームにもピンク色を使い、バラを刺繍しています。

検査機器を充実させ、病気の早期発見・早期治療に注力

エコーと上部内視鏡(胃カメラ)を備えているのですね。

鷹橋伸子院長 のばら内科クリニック3

遠くまで足を運ばなくても近所で検査を受けていただけるよう、エックス線、エコー、内視鏡などの設備を充実させました。これまでがんセンターなどで勤務する中で、症状が出たときにはすでにがんが進行していたということもありました。ごく初期の段階で見つかれば内視鏡で手術ができ、体への負担も少なくて済むことが期待できます。逆に知らないで何年も放っておくと、大きく切る必要があったり、手遅れになってしまうことも。早期発見のために内視鏡検査は欠かせません。特にヘリコバクター・ピロリ菌に感染した過去がある方、がん発症の確率が高くなる年配の方は、定期的に検査することをお勧めします。

内視鏡検査は苦手という方も多いと聞きますが、何か工夫されている点はありますか?

胃カメラを敬遠する気持ちはよくわかります。当院では苦痛の少ないよう、経鼻の細い管を使っていますし、ご希望があれば鎮静剤使用を選択することも可能です。また高齢の方は麻酔が効きすぎると、血圧が下がったり、呼吸が落ちたりということが考えられます。それを未然に防ぐよう、血圧計、サチュレーション(動脈血酸素飽和度)測定機器、心電図などのモニターをつけ、検査中の血行動態を見ながら実施していますので、安心して検査を受けていただけたらと思います。

診療の際には、どのようなことを大切になさっていますか。

鷹橋伸子院長 のばら内科クリニック4

症状だけでなく、患者さんの生活や人生などの背景まで含めて診ることです。今まで病院で勤務していた中で、検査や診療日が決まっており、患者さんの生活より治療を優先することが当たり前でもどかしい想いがありました。医師は病気を治療する立場ですが、患者さんにとっては病気を治すことが一番大事ではない場合もあります。ご家族がいたり、お仕事のご事情があったり、その方ご自身の生活があるからです。そういった背景や患者さんご自身が何をしたいのかを理解し、場合によっては検査や通院の日程を調整するなど、患者さんに寄り添い診療していきたいです。そのためには患者さんとの間に信頼関係が必要ですので、日頃からできるだけコミュニケーションを取ることを大切にしています。

忙しい患者をサポートする「地域に開かれた医院」へ

医師を志されたきっかけを教えてください。

鷹橋伸子院長 のばら内科クリニック5

父と母が医師でしたので、ごく自然に。母が患者さんに心臓の模型を使っていろいろ説明したり「ベクトル心電図」の研究をして大学に教えに行ったりしているのを見ていたので、専門も母と同じ循環器に進みました。卒業後そのまま勤めた東京女子医科大学病院は心臓病治療に注力しており、大規模な施設も備えていて、多くの患者さんがおみえでした。とにかく忙しく、休日も寝る暇もない。疲れ果てている私を見かねた母が、自分の出身である慈恵会医科大学を勧めてくれ、移ることにしました。そこで消化器について学び始め、内視鏡の面白さを知り、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医を取得しました。

患者さんへ、何かアドバイスはありますか。

今は女性の方も働くのが当たり前になっていますが、どうぞ頑張りすぎないで、と言いたいです。本当に皆さんよく頑張っていて、お話を聞いていると「休めないのです」とおっしゃるのですね。仕事も休めないし、うちに帰っても休めない。子どもが産まれれば、今度は子どもと仕事の両立が大変。でも頑張りすぎると、どこかで破綻が起きます。経験者の私が言うのですから、間違いないと思います(笑)。そのようなときに病気になってしまうと、回復も遅れてしまいます。もちろんそれは男性の方も、すでにお仕事を引退された方、学生さんなども同様です。そうなる前にぜひゆっくりお休みをとってください。

最後に、これからの展望をお聞かせください。

鷹橋伸子院長 のばら内科クリニック6

間口の広い、どのような方でも訪れやすい、地域に開かれたクリニックになりたいと思っています。内視鏡やエコー、エックス線と検査機器も充実しておりますので、大学病院へ行かなくとも、お時間をおかけすることなく検査も行うことができるかと思います。もしも、大きな病気が見つかった際には、関連の病院をご紹介することも可能です。また、患者さんごとのさまざまな悩みに耳を傾け、長く寄り添っていけたらと考えています。患者さんとじっくりお話しすることを大切に、病気の症状だけでなく、患者さんの暮らしや今の状態も考えながら、丁寧に診療をしていきたいと考えております。ぜひ些細なことでも気軽にご相談ください。

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