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村松 広行 院長の独自取材記事

矢口渡脳神経クリニック

(大田区/矢口渡駅)

最終更新日:2024/02/21

村松広行院長 矢口渡脳神経クリニック main

東急多摩川線矢口渡駅から徒歩3分、京浜東北線蒲田駅などターミナル駅からのアクセスも良い立地にあるのが「矢口渡脳神経クリニック」だ。福島県立医科大学附属病院や牧田総合病院など、大学病院や基幹病院の脳神経外科にて20年以上救急医療に携わってきた村松広行先生が2023年11月に開業した。開業にあたって志したのは、地域のかかりつけ医となること。同院では予防医療の観点から、急性期治療だけでなく生活習慣病の治療までその専門的な知見を生かし対応しているという。診療にあたる上でどのようなことを心がけているのか。これからどのような医療機関となることをめざしているのか。話を聞いた。

(取材日2024年1月29日)

医師をめざしたきっかけは若くして亡くなった叔母

そもそも先生はなぜ医師をめざしたのですか?

村松広行院長 矢口渡脳神経クリニック1

高校生の頃、親しかった叔母を病気で亡くしました。まだ30代と若く、何か自分にできたことがあったのではないか。そう思い、医師の道を志すようになりました。外科の道に進んだのは、先輩からの誘いがきっかけです。福島県立医科大学で学んでいたとき「ゴルフ部」に所属していまして。そのときの先輩に声をかけていただいたんです。そこから20年以上、脳神経外科医として研鑽を積んできました。専門としてきたのが脳卒中の血管内治療です。特にカテーテル治療、動脈瘤、出血の治療を専門としてきました。とはいえ、救急医療にも長らく携わってきましたから、脳卒中に関しては手術が必要な方から、必要としない方まで幅広く診てきました。そうした経験も今のクリニックで提供している医療に生かせればと思っています。

非常にアクセスの良い場所に位置しています。ここでの開業のきっかけは?

勤務医時代から大規模な医療機関では「紹介状がないと受診できない」「MRIの予約が取れず、数週間先まで患者さんをお待たせしてしまう」といったことがあり、課題だと感じていました。初診ですぐに診てもらえる、かかりつけ医と専門医療機関の橋渡しができるような場が脳神経外科の領域には必要だろうと。ここで開業を決めたのは、私が牧田総合病院時代に診ていた患者さんを引き続き近くで診られるようにと思ったからです。また当初からMRIを設置したかったので、広さも必要でした。条件に合う物件を探していたところ、ちょうどぴったりな場所が見つかったのです。駅からも近く、患者さんの中には駅のホームから見えた看板を頼りに来院したという方もいます。

落ち着いた雰囲気の院内です。どのようなこだわりがあるのでしょうか?

村松広行院長 矢口渡脳神経クリニック2

患者さん目線を心がけて、ソファーやテーブルの材質、配置を考えました。特にこだわったのはソファーです。高齢の方の来院も多いだろうと見越し、立ち上がりやすいものを選びました。また、「クリニックらしさ」が前面に出てしまわないように、院内の配色は落ち着いたもので統一しています。そのほうが患者さんがリラックスして診察に臨めるのではないかと思っています。

スタッフの働きやすさがより良い診療につながる

どういったときに脳神経外科にかかったほうが良いとお考えでしょうか?

村松広行院長 矢口渡脳神経クリニック3

頭痛やめまい・しびれなどの症状でしょうか。頭痛に関連するものとしては首の痛み、それから腰の痛みも神経系の疾患が背後にある可能性があります。足のしびれなども対象になるかと思います。当院に来られている方で言うと、高齢の方では脳卒中の不安、めまいやしびれなどで、若い方は頭痛で来院されることも多いです。最近だと「物忘れ」を気にして来院される方もおられます。先ほどご紹介した症状の背後には重篤な疾患が隠れていることも少なくありませんので、気になることがあればまずはご来院いただきたいですね。

そうした中でどういった治療を提供していきたいとお考えですか?

私は救急の現場で長年脳卒中の患者さんを診てきました。その経験から言うと、まずは、急いで治療が必要かどうかを見極めることが重要だと感じています。そしてそのことをいち早く患者さんに伝え、不安を取り除くことも大切だと感じています。そのために気軽に患者さんに足を運んでいただけるようなクリニックになることが目下の目標です。結局のところ、脳の疾患などは生活習慣病が悪化した末に発症することが多いので、脳神経外科領域の疾患で大切なのは予防です。早期診断より手前、予防のため、高血圧や脂質異常症など生活習慣病の治療なども提供していきたいと考えています。

先生が心がけている理念とは何でしょうか?

村松広行院長 矢口渡脳神経クリニック4

私が長らくいた救急の現場では、どうしても一人ひとりの患者さんに向き合う時間を長く取れませんでした。クリニックを開業したからには、患者さんが気持ち良く診療を受けられるようにしたいと思っています。また、患者さん目線で物事を考えるのは大前提ですが、スタッフの働きやすい環境も重要だと感じています。広い意味で言えば、医療はサービス業です。楽しく働くスタッフなくしては患者さんの過ごしやすいクリニックが成り立つことはないのではないでしょうか。その一つとして、当院では看護師などスタッフからの提案を積極的に取り入れ、診療に生かすような体制をつくっています。スタッフが働きやすくやりがいをもって働ける環境にするためにどうすれば良いか、日々模索しているところです。

MRIやCTを地域で共有できる体制を整える

診療において、特に力を入れていることは何ですか?

村松広行院長 矢口渡脳神経クリニック5

柱としているのは脳卒中や頭痛の治療、それぞれの予防、そして認知症の診療です。例えば頭痛の場合、高齢の方で生活習慣病の既往のある方は脳卒中のリスクがありますし、若い方でも「たかが頭痛」と侮ってはいけません。生活の質を大きく損なうことにつながります。適切に医療介入することでQOLの改善につなげたいと考えています。それから認知症の症状。脳卒中が背後にある可能性もありますし、物忘れの中には治療することで改善が望めるものも潜んでいます。診断し治療につなげ、その後、生活の質を落とさず暮らしていくための支援をしていきます。加えて「一度診て終わり」ではなく、患者さんをトータルにケアしたいという思いから、脳卒中の発作を起こした方の入院後のフォローなども行っています。

症状によっては多領域と連携が必要なものもあるのではないでしょうか?

脳神経疾患と言っても非常に幅が広く、脳神経外科ではなく神経内科で治療が必要なこともあります。うつ病などが原因で心療内科との連携が必要な場合もあります。長年基幹病院で勤めていた経験から、それぞれの専門クリニックに加えて、パーキンソン病のような難病にも対応できる高度医療機関とも連携が取れており、患者さんを紹介できる体制が構築できています。また地域医療の観点から言うと、当院のようにMRIとCTを兼ね備えている小規模の医療機関はあまり多くありません。将来的にはクリニック同士で連携し、当院のMRIやCTを共有できるような体制もつくっていけたらと考えています。

最後に読者の方へメッセージをお願いします。

村松広行院長 矢口渡脳神経クリニック6

MRIなどの検査機器を通して気軽に専門的な検査を受けられるのが当院の強みだと感じています。脳神経の疾患は発見が遅れると一大事につながりかねません。めまいやしびれ、頭痛、些細な不調だと思う場合もあるかもしれませんが、放置しないでいただきたい。当院では生活習慣病など身近な疾患についても治療できる体制を整えていますから、お悩みの際はまずは気軽に足を運んでいただきたいです。

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