胃と大腸の検査が同時に受けられる
苦痛の少ない内視鏡検査
東海内科・内視鏡クリニック 岐阜各務原院
(各務原市/那加駅)
最終更新日:2024/08/21


- 保険診療
医療の進歩により「がんは予防できる時代」となりつつあるが、日本人の死亡原因の1位は依然としてがんである。特に40代を過ぎると、がんにかかるリスクが高まるため早期発見が重要となる。そこで胃や腸の疾患を発見するために必要なのが内視鏡検査だ。しかし、「痛そう」「苦しそう」といった不安からためらう人が多く、できるだけ苦しくない検査を求める声も多い。このようなニーズに応えるために、内視鏡検査のハードルを下げることにこだわっているのが「東海内科・内視鏡クリニック 岐阜各務原院」の神谷友康院長だ。消化器内視鏡を専門とする医師として、豊富な経験を生かし、胃内視鏡と大腸内視鏡の同日検査など、患者の負担が少ない内視鏡検査を追求してきた。今回は神谷院長に、同院の内視鏡検査の特徴や検査の流れなどについて話を聞いた。
(取材日2024年7月11日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q内視鏡検査でわかる病気を教えてください。
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A
「胃カメラ」で知られる胃内視鏡検査は、胃や十二指腸のがんをはじめ、胃ポリープ、胃炎などの発見に有用です。胃がんは減ってはきているものの、世界に比べ日本はまだまだ多いといえます。また、ピロリ菌の感染が疑われる慢性胃炎は、将来的にがん化する可能性があり、早期発見が重要。ピロリ菌感染は、バリウム検査ではわからないケースもあるので、慢性胃炎の方は胃内視鏡検査を受けたほうがよいでしょう。大腸内視鏡検査は大腸がんや大腸ポリープの発見がメイン。近年増えている潰瘍性大腸炎をはじめクローン病や感染性腸炎などの発見にも役立ちます。胃や大腸のポリープ、慢性胃炎、ピロリ菌感染がある方は年に1度は検査を受けてください。
- Q内視鏡検査とは、どのような検査ですか?
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A
胃内視鏡検査は口もしくは鼻から、細長い電子スコープを挿入して、食道、胃、十二指腸の半分程度まで観察することができる検査です。大腸内視鏡検査も細長い電子スコープを肛門から入れて、直腸から盲腸、回腸末端といった小腸の一部まで観察します。いわゆる消化管といわれる胃や大腸は袋状の臓器であり、CTやMRIなどの画像検査では病変が映りにくいこともあります。消化管の病変を見つけるためには内視鏡検査が適しているといえます。初期の大腸がんやポリープなどが見つかった際には、その場で治療ができることがあるのもメリットです。当院では胃内視鏡検査と大腸内視鏡検査が一度にできる同日検査も実施しています。
- Q検査前は、どのような準備をしておけばいいですか?
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A
検査前日の食事は消化の良いものを、夜9時までに食べ終えてください。アルコールは控えましょう。検査当日は朝から絶食ですが、お水やお茶などの水分は取っても大丈夫です。当日は、貴金属などのアクセサリーはつけずに、できるだけゆったりとした、汚れてもいい服装で来院してください。内視鏡検査は胃や腸に空気を入れますので、おなかが張ることもあり、タイトな服装ですと締めつけられて気分が悪くなってしまうかもしれないからです。髪の毛も汚れる可能性がありますので、髪の長い方は束ねてください。また、検査前には酸素の数値を測る機器を指先につけます。マニキュアが剥がれてしまいますので、特に女性の方はご注意ください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診と事前診察
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大腸内視鏡検査では多くの下剤を飲む必要があるため、検査が可能かどうかを調べるために問診と事前診察を受ける。血液検査などで腎臓の数値が悪かったり、心臓に問題があったりする人は、日帰りの内視鏡検査ができない可能性があるという。その後、検査の日時や注意事項、食事などに関する説明を受け、検査前日に飲む下剤などをもらう。お薬手帳は必ず持参しよう。胃内視鏡検査のみの場合は、予約不要で当日検査も可能だ。
- 2検査前日の準備
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大腸内視鏡検査も胃内視鏡検査も、夜9時までに食事を済ませ、以降は絶食する。海藻やキノコなど繊維質の多いものは控えるなど、メニューに気をつける。疑問などがあれば、事前診察の際に医師に聞いておこう。その他の食事制限は特にない。水や茶などの水分は飲めるが、アルコールはNG。大腸内視鏡検査は、就寝前に下剤を服用する。便秘がひどい人は、あらかじめ医師に申し出ておくこと。
- 3検査当日
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検査終了までは絶食。水や茶などの水分は飲める。薬は糖尿病薬は控え、高血圧の薬は服用するなど事前診察での医師の指示に従おう。検査時は基本的に鎮静剤を使用。大腸内視鏡検査の時間は15分程度。ポリープ切除などがあると30分程度かかることもあるという。胃内視鏡検査は5分~10分で終了。大腸内視鏡と胃内視鏡の同日検査を受ける場合、時間は30分程度で、ポリープ切除などがあると40分ほどかかるそうだ。
- 4リカバリールームで休憩
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同院では患者のプライバシーを配慮し、個室のリカバリールームを設置。車で来院する人も多く、運転をはじめとした検査後の患者の安全を守るためでもある。鎮静剤を用いた検査後は、リカバリールームで30分から60分程度休憩する。鎮静剤不使用の場合は休憩する必要はない。また、同院では午前中から行うモーニング検査も実施しており、午後から仕事に行くなど、普段の生活を送ることも可能だ。
- 5検査結果の説明
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鎮静剤不使用の場合は、検査後すぐに結果説明を受けて帰宅できる。鎮静剤を使った場合は、リカバリールームで休憩後に説明を受ける。内容はがんの有無、将来のがんのリスク、次回検査の間隔など。例えば、胃内視鏡検査の場合はピロリ菌感染の有無によるリスクなどの説明がある。組織の採取やポリープ切除、ピロリ菌感染検査を行った場合は1~2週間後に再度受診する。同日検査の場合、来院から帰宅まで4~5時間程度かかる。