熊西 俊介 院長の独自取材記事
くまにし整形外科クリニック
(門真市/大日駅)
最終更新日:2024/01/22
大日駅より徒歩約5分、ショッピングモール1階にある「くまにし整形外科クリニック」。熊をモチーフにしたユニークなロゴが目を引く自動扉から中に入ると、白と木目を基調とした落ち着ける空間が広がる。院長の熊西俊介先生は、複数の大規模病院で腫瘍の手術などに携わってきたが、最初から最後まで患者一人ひとりとじっくり向き合いたいとの想いが募り、2023年11月開業に踏み切った。患者との対話を大切にし、可能な限り患者の希望に沿った医療の提供を心がけているという院長に、同院の特徴から今後の展望まで幅広く聞いた。
(取材日2023年12月12日)
患者一人ひとりに向き合いたいとの想いから開業へ
医師をめざしたきっかけと、整形外科を選んだ理由を教えてください。
父が医師をしていてその姿を見ていて、子どもの頃にかっこいいな、誇らしいなと思っていたので、やはりその影響はありますね。ただ、その頃は漠然といいなと思っていたくらいで、真剣にめざすようになったのは、現実が見えてきた高校に入学したくらいだったでしょうか。整形外科を選んだのは、幸いずっと健康だったので、自分自身がかかっていたクリニックが整形外科くらいしかなくて(笑)。学生時代スポーツをしていたので、ケガした時にお世話になっていました。スポーツ全般が好きなのも、整形外科を選んだ理由の一つです。
開業までの経緯は?
兵庫医科大学病院で初期研修を終えてそのまま入局、その後関連の宝塚市立病院など複数の病院で経験を積み、大学病院の骨軟部腫瘍班からお声がけいただいたのをきっかけに戻りました。そこで腫瘍の治療・手術をやりながら大学院で基礎研究を行っていました。充実した日々だったのですが、大学病院では1人の患者さんを最初から最後まで診るといったことができません。だんだんと1人の患者さんに最後まで携わっていきたいなという想いが芽生え、開業を決めました。ただ、大学病院という先進的な治療をする場での経験があったことで視野が広がり、地域のプライマリケアの重要性を理解できるようになったので、本当に良い経験となりました。開業を決めてからは、それを視野に入れ、幅広く研鑽を積んできました。
内装や設備などのこだわりを教えてください。
患者さんが病院に足を運ぶ時というのは、どうしても少し緊張すると思うので、少しでもリラックスしてもらえるよう、いかにも病院やクリニックといった感じにはしたくないなと思いました。ただ、あまりにも医療からかけ離れた雰囲気も違うのかなと。そのバランスを大切にしたいと、設計士さんに相談しました。結果、木目やダウンライトなどで良い感じに仕上げてくださいました。レイアウトについては、患者さんやスタッフの動線を考えて、診察スペースを囲むようなかたちで受付、リハビリテーション室を配置しています。病院のような先端の医療機器がそろっているわけではありませんが、ここですべき検査・治療ができるよう、必要な機器・設備は整えています。今はエコーの性能が非常に良くなっていて、患者さんの負担も小さいので、検査に役立てるようにしています。
患者の心に寄り添う優しい医療の提供を
今後行っていきたい医療について伺います。
特に何かを専門にしているわけではないのですが、患者さん一人ひとりとしっかりお話をして、その中で自分の専門的な知識をご提示させていただき、一緒に治療方針を決めていくというのがすごく大切だと思っています。この症状ならこれといった型にはまった治療ではなく、対話を大切にして、患者さん一人ひとりの治療を大切にしたいなと思いながら日々診療にあたっています。整形外科に来られるのは、細かな症状は異なるにしろ、多くの方が、何らかの「痛み」があるからだと思います。だからといって「みんな痛いんだ、痛くて当然なんだ」とは思わないようにしていますね。患者さんの気持ちになって、ご本人の症状や痛さ、つらさなどを少しでもくみ取って差し上げられるように、じっくり患者さんのお話に耳を傾けるように心がけています。
先生が理想とするクリニック像は?
月並みですが、何かあったときに安心して受診しようかなと思っていただけるクリニックが、私の中の理想かなと感じますね。クリニックなので、「来たいな」というのは変な話なのですが、「何かあったらあの先生に診てもらえる」と、思ってもらえたらうれしいですね。そう思ってもらえるには、スキルも大切ではあるのですが、お互いしっかりとコミュニケーションを取って、信頼関係をつくっていくことが、何よりも重要かなと考えています。
どういった主訴が多いですか? また、こちらではどういった治療が受けられますか?
患者さんの年代層も幅広いですし、主訴もさまざまです。高齢者や中高年の方の腰痛や肩凝り、学生さんがスポーツ中にケガをしたなど、一般的なものが多いですね。そのため、当院は一般的な疾患を幅広く診ています。特色としては、骨密度の検査・治療、リハビリに力を入れていることでしょうか。骨密度検査では全身型エックス線骨密度測定器、DEXAを用いた、精度の高い骨密度測定を行っています。リハビリでは、理学療法士が運動療法、物理療法とも対応しています。また、先ほど言ったとおり、私自身スポーツが好きなので、それぞれスポーツの特性に応じたスポーツリハビリも積極的に行っていきたいと思います。
気軽に受診できる存在をめざす
スタッフさんについても教えてください。
受付兼リハビリ助手をしてもらっているスタッフがいます。リハビリにおいては、物理療法の機械を設置してもらったり、予約を取ってもらったりといった役割です。あとは看護師さんですね。スタッフは、私よりクリニックの経験がある人が多いので、私は今、試行錯誤で日々クリニックを運営しているのですが、スタッフからああではないですか、こうではないですかと教えてもらうことが多いです。スタッフはすでにできているので、こちらからわざわざお願いすることはないのですが、私もスタッフもとにかく患者さんの話にしっかり耳を傾ける、自分がされて嫌な態度は絶対にしないといったことを気をつけています。お互い、誰が上、誰が下ということはなく、なんでも連携して情報を共有し合える、風通しの良い職場をめざしています。
お忙しいと思いますが、休日のリフレッシュ法は?
休日はもっぱら子どもたちと遊んでいますね。特に下の男の子と野球のキャッチボールをして過ごすことが多いです。息子はサッカーを習っているのですが、野球も好きなようです。あとは2年ほど前にゴルフを始めたので、まだまだ下手ですが、ゴルフをすることも増えてきました。昔やっていたサッカーやラグビーはなかなかする機会がないのが残念です。以前は筋力トレーニングもやっていたのですが、一度やめたら、次はなかなか取り組めません(笑)。自分自身の健康のためにも、もう少し運動をしたいなとは思っています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
まだ開業して間もないので、まずはできるだけ多くの方に周知していただくというのが目標です。ここに整形外科があることを知っていただきたいですね。長いスパンでは、地域の人からも愛されるクリニックといったら横柄でしょうか。地域の方とともに歩むクリニックというか、皆さんの健康のため、生き生きとした生活のため、少しでもお役に立てる存在になっていければいいなと思います。皆さんへのメッセージとしては、何かあれば、遠慮なさらず相談に来てくださいということですね。些細なことでもいいので、体の不調を感じたら、気軽に来ていただければうれしいです。