磐井 まどか 院長の独自取材記事
東京新宿クリニック
(新宿区/西武新宿駅)
最終更新日:2025/10/06

西武新宿駅北口の目の前に立つビル内に構える「東京新宿クリニック」。院長を務める磐井まどか先生は、一般内科・生活習慣病・健康診断・産業保健が専門。同院では風邪などの治療をはじめ、糖尿病、高血圧症、脂質異常症の診療、管理を中心に対応している。2024年からは皮膚科の医師も診療に加わり、幅広い悩みにより専門的に対応できるようになった。「今の医療を支えるだけでなく今後の医療の発展にも貢献したい」と治験も積極的に実施。必要があれば大学病院などとも連携し、オフィス街や飲食店街が混在する大都会で「頼れるかかりつけ医」として地域医療を提供している。「困ったことがあればまずは受診してもらえれば。適切な道筋をお伝えしたい」と訴える磐井院長に、クリニックの診療の特徴などについて尋ねた。
(取材日2025年7月9日)
生活習慣病などの診療に加え、働く人に向けた支援も
こちらにはどのような方が来院していますか?

新宿はオフィス街と飲食店街が混在する地域。この辺りでお仕事されている方を中心に、老若男女、幅広い世代の方に受診していただいています。外国の方も多いです。風邪や胃腸炎など内科全般の症状で来られる方や、糖尿病や高血圧などの生活習慣病で、お薬の処方や定期的な管理のために受診される方が多いですね。これまでかかりつけ医がなく「ありがたい」とおっしゃってくださる方もいるので、何かあったときにすぐ受診できる医療機関としてお役に立てているのかな、と思っています。人間関係が希薄といわれる大都会で、医療のことについて気軽に相談できる場を提供し続けたいですね。
クリニックの診療の特徴を教えてください。
風邪などの一般内科診療に加え、私の産業保健の知識を生かし、仕事と持病の治療・管理の両立を目的とした支援などを行っています。またクリニック全体として、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症、気管支喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの生活習慣病の診療、睡眠時無呼吸症候群の治療も行っています。周囲には東京都立大久保病院や東京女子医科大学病院などもあるため、まずは当院で病状を適切に診断し、必要があればそうした病院と連携しながら、病気と上手に付き合っていくための一次医療の提供に力を注いでいます。
治験にも取り組んでいると伺いました。

近年、新たな医薬品や医療機器が多く開発され、国内の臨床試験を実施できる医療機関の需要も高まっています。これまでは承認された薬を処方する側だったクリニックですが、時代に即して治験も行い、開発の一端を担えればと考えています。治験が正しく、倫理上公正に行われ、承認後まで一貫して安全対策・管理が行われるよう、当院では院内に治験コーディネーターが常駐。月1回、治験審査委員会と倫理審査委員会も実施しています。新宿という立地はアクセスしやすいことの他、幅広い年齢や社会的立場の方が多く、治験参加者を集めやすいというメリットもあると思います。私自身も以前、新型コロナウイルス治療薬の治験に関わり、とてもやりがいを感じました。今の医療を支えるだけでなく、将来の医療の発展に貢献できることも重要だと思っています。
人間関係が希薄な大都会で、何でも相談できる場所に
皮膚科の診療にも対応されているのですね。

はい。皮膚に関する悩みを持つ患者さんは多く、これまでもプライマリケアの一環として対応していましたが、2024年に皮膚科の先生が加わったことでより専門的な検査や治療ができるようになりました。皮膚疾患についても、これまで以上に質を重視して医療サービスを提供していきたいと思います。審美面のご相談も受けつけています。
そもそも、先生はなぜ医師という職業を選んだのでしょうか?
私は、両親の仕事の都合で幼少期を海外で過ごしました。先進国と発展途上国の中間といえるような国々の、さまざまな人種、価値観が入り混ざった社会で、貧富の差も含めた社会格差を感じました。そんな経験から、多様な生き方があることを知り、その多様な生き方の中で人生の幸福感や満足感を追求するために社会に必要なものは何かと考え、医療に関心を持つようになったのです。人生100年時代といわれる今、個人の身体的な健康だけでなく、生きがいや人生の目標を持ち、周りの人たちと良いつながりを築きながら人生を全うするためには、病気の治療や管理はもちろん、地域医療、予防医療、産業保健という分野も非常に重要だと思い、その領域を専門としました。
診療で大切にしていること、心がけていることを教えてください。

都心にあるクリニックではありますが、地域医療を担う施設として何かあった時に気軽に相談しに来てもらえるクリニックでありたい。そのために、「傾聴」の姿勢を大切にしています。「この方は心の奥底ではどのように考えているのかな」という気持ちで、その方が話しやすい雰囲気を心がけ、病気や症状だけでなく生活背景なども伺うようにしています。心を開いてくださったら、そこからは専門家として責任を持って対応し、必要があればより高度な医療機関につなぐようにしています。生活習慣病の治療や管理はとにかく「継続する」ことが大事です。その方その方で最善の方法は異なると思いますので、お話を聞きとり、患者さんの様子を見て、感じながら、生活背景や性格なども考慮しつつ「どうしたらこの方が無理なく治療を続けられるか」と考え、ご提案しています。
今後の医療の発展にも貢献できる取り組みを
その他、クリニックで注力している分野はありますか?

病気の予防に注力しています。健康相談や生活習慣病の管理もそうですし、ワクチンもそうですね。例えば最近では百日咳、RSウイルス、麻しん、風疹などが問題視されており、妊婦さんやそのご家族、また医療職の方からワクチンのご相談を受けることがとても多いです。病気の流行が変われば需要も変わってきますから、時流を読みながら患者さんのニーズを捉え、十分に対応できるように常に心がけています。その他、留学前や海外赴任前などに行う渡航ワクチンにも対応しています。留学先や赴任先の地域や時期などに応じて、その方に合ったワクチンの実施計画を立てていますので、お気軽にご相談ください。
お忙しいと思いますが、プライベートでは何かご趣味などはありますか?
趣味は海外旅行です。とはいえ、忙しくて行けるのは年に一度ぐらいでしょうか。知らない所、行ったことのない所に行くのが好きです。まだ見たことのない場所を見てみたいのです。1人でも行きますし、国内なら車で宿も決めずフラッと旅に出ることもありますよ。女性にはあまりお勧めしませんが(笑)。知らない所に行ってみたいという気持ちが強い。好奇心が強いのだと思います。それは診療でも同じで、初めて会う患者さんに対して、どんな人なんだろう、どんな考え方を持った人なんだろうと思いながら向き合い、お話を聞く時間が好きです。日々新たな出会いがあり、発見がある。そういう意味では、仕事と旅行、通じるものがあると思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

一番お伝えしたいことは、気軽に受診していただきたいということです。医療機関にハードルの高さを感じている方もいらっしゃると思いますが、どこに相談したら良いかわからない、どこを受診したら良いかわからないという方は、とりあえず当院に相談しに来ていただけたらと思います。1人で悩んだり、我慢したりして、結局何もしない、どこも受診しないということにならないように、まずはいらしてください。その際には、その方に適切な医療を受けていただけるよう、道筋をつけて情報をお伝えしたいと考えています。