全国のドクター13,609人の想いを取材
クリニック・病院 157,059件の情報を掲載(2025年4月28日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 横浜市西区
  4. 横浜駅
  5. おおかみこころのクリニック横浜院
  6. 身近な「適応障害」をセルフチェック早めの相談が回復への近道

身近な「適応障害」をセルフチェック
早めの相談が回復への近道

おおかみこころのクリニック横浜院

(横浜市西区/横浜駅)

最終更新日:2025/02/14

おおかみこころのクリニック横浜院 身近な「適応障害」をセルフチェック 早めの相談が回復への近道 おおかみこころのクリニック横浜院 身近な「適応障害」をセルフチェック 早めの相談が回復への近道
  • 保険診療

近年、増加の傾向がある適応障害。病名は知っていても、実際にどのような病気で、どのような対応が必要なのか、詳しく理解している人は多くないのではないだろうか。「適応障害は誰にでも起こり得る病気です。私自身、医師になりたての頃に発症し、8ヵ月ほど休職した苦い経験があります」と話すのは、横浜駅近くで、平日22時まで、土日も19時まで診療する「おおかみこころのクリニック横浜院」の三浦暁彦理事長。より良い予後につながる早期発見・早期治療のために精神科・心療内科の受診ハードルを下げることをめざすドクターだ。そんな三浦理事長に、同院を受診する患者の過半数を占めているという適応障害について、詳しく解説してもらった。

(取材日2025年1月21日)

誰もが陥る可能性のある適応障害。普段とは違う心の動きがあれば早めに相談を

Q適応障害とは、そもそもどのような病気なのですか。
A
おおかみこころのクリニック横浜院 平日は夜間診療にも対応し、通いやすさにこだわる

▲平日は夜間診療にも対応し、通いやすさにこだわる

明確なストレスを原因としてさまざまな症状が引き起こされ、社会生活に支障を来す病気です。症状としては気持ちの落ち込みや、眠れない、食べられないといった状態、体が重く感じる倦怠感などが挙げられます。感情のコントロールが利かなくなることもあり、些細なことでイライラしたり、突然涙が止まらなくなったりといったこともあるようです。症状はうつ病と似ているところがありますが、うつ病が脳の問題に起因し、薬物を用いないと治療が難しいのに対し、適応障害は原因さえ取り除けば、比較的短期間で改善をめざせます。ただし、適応障害からうつ病に移行することもあり、早期から病気の兆候に気づき、適切な対応を取ることが大切です。

Q適応障害になりやすい人となりにくい人がいるのでしょうか。
A
おおかみこころのクリニック横浜院 患者との信頼関係を大切にして診療を行う

▲患者との信頼関係を大切にして診療を行う

一般的に、適応障害は誰にでも起こり得るとされています。しかし、うつ病になりやすい人と重なる特徴を持つ人が、適応障害にもなりやすい人といえるでしょう。具体的には、根が真面目で、自分に厳しく、完璧主義な人です。こうした人は、常に「こうあるべき」という「べき思考」にとらわれており、現実とのギャップをストレスとして受け止めやすい傾向があるようです。また、ストレスを受けた際に、周囲に相談したり、別のことをしてリフレッシュしたりするのが苦手な人も陥りやすいようです。ただし、大切な人との離別や学業・仕事での失敗、人間関係の問題など、身近なきっかけで誰にでも起こり得ることを認識していただきたいと思います。

Q適応障害のセルフチェック方法があれば教えてください。
A
おおかみこころのクリニック横浜院 やわらかな雰囲気で相談しやすい三浦院長

▲やわらかな雰囲気で相談しやすい三浦院長

普段の自分とは心持ちが違うと感じたら、適応障害を疑うべきです。例えば、趣味の時間を楽しめないとか、好きな人と会うのもおっくうに感じるとか、いつもならうれしい、楽しい気持ちになるような場面で、そうした気持ちにならないのであれば危険信号です。また、仕事をしている人で、会社に行くのが憂鬱だったり、職場で仕事が手につかなかったり、能率が著しく低下したりするようなケースも、適応障害の可能性があります。仕事が原因の場合、休日に仕事以外のことを楽しめるのであれば、適応障害の可能性がさらに高まるといえます。こうしたサインは普段の自分とも連続する気持ちの問題と思い込みがちで、判断には客観的な視点が必要です。

Q適応障害は、どのように治療していきますか。
A
おおかみこころのクリニック横浜院 診察室は計5室備え、プライバシーにも配慮

▲診察室は計5室備え、プライバシーにも配慮

まずは、可能な限り原因から離れることが大切です。仕事や学校に原因がある場合、休んだほうが早い回復が期待できることを伝えます。休むことが難しい場合、部署異動や業務量の調整など、できる範囲での対応を考えます。並行して生活リズムを整えるためのアドバイスを行い、徐々に原因と向き合うようお話ししていきます。どのようにつらかったかを振り返り、以後同じ状況になった際にどう対応すれば良いかを考えることで、自ら立て直す力、すなわちレジリエンスを高めるのです。薬を用いる場合もありますが、あくまで対症療法的な使用にとどめます。抗不安薬や睡眠導入剤など、いつでもやめられる依存性の低いものをごく少量から処方します。

Q学校や仕事がある人は、休むという選択に勇気が必要なのでは。
A
おおかみこころのクリニック横浜院 自身の経験を生かし、患者に寄り添った治療を提供する

▲自身の経験を生かし、患者に寄り添った治療を提供する

原因から離れることが改善への近道です。復帰の目安は個々の症状によって異なりますが、早い方で2週間、平均すると3ヵ月程度でしょうか。収入面の不安を解消する傷病手当などもありますので検討してみてください。最初の1ヵ月は休養を優先し、低下した気力と体力を養う期間。2ヵ月目からは徐々に家の中での活動を再開し、可能であれば人に会う機会を持つのも良いでしょう。3ヵ月目に入れば復帰に向けた準備を開始。原因を会社や学校と協議し、何らかの再発防止策を考えてもらいます。私が職場復帰にGOサインを出すのは、普通の生活を送れていること、会社が何らかの対応を取っていること、この2つの基準を満たす場合に限られます。

ドクターからのメッセージ

三浦 暁彦理事長

社会の複雑化や人生の多様化に加え、情報の過多により、適応障害を患う人は増えています。早期受診・早期治療を掲げる当院では、受診患者の半数近くが適応障害と診断されるほど、適応障害はありふれた病気です。人生100年の時代において、適応障害にならない人のほうが珍しいとまでいえるかもしれません。日常のワンシーンで普段と違う気持ちになるなど、自身の心持ちに違和感を覚えるような状況があれば、まずは一人で抱え込まないことが肝心です。クリニックでも、身近な人でもよいので、気軽に相談してみてください。追い込みすぎず、自分を大切にする姿勢も必要です。べき思考、白黒思考から離れて、自身をいたわってみてください。

Access