白水 寛理 院長の独自取材記事
しろうず脳神経外科
(糟屋郡新宮町/新宮中央駅)
最終更新日:2025/03/11

JR鹿児島本線・新宮中央駅から徒歩約2分。2023年10月に開業した「しろうず脳神経外科」は、家具店やホームセンターなどが立ち並び、ファミリー層や学生など、幅広い世代でにぎわう街にある。院長を務める白水寛理(しろうず・のりとし)先生は、これまで主に脳卒中や脳腫瘍、頭部外傷などの急性期医療に携わってきた脳神経外科のスペシャリスト。多くの患者を診てきた経験を生かし、地域住民にとってより身近なかかりつけ医となるべく開業したという。院内設備を充実させ、大規模病院と変わらないレベルのMRIを導入している点も、同院の大きな特徴。「患者さんのお悩みをしっかり聞き、信頼関係を築くことを最優先にしています」と語る白水先生に、患者への想いや診療方針などについて聞いた。
(取材日2025年1月6日)
これまでの経験を生かし患者にとってより身近な存在に
白水先生のご経歴について教えていただけますか?

私は開業前、主に救急の現場で働いてきました。一刻も早い治療を要する患者さんたちに手を差し伸べることにやりがいを感じていましたし、貴重な経験ができたと思います。例えば、脚立から足を踏み外し頭部を打ったことが原因で頭の中で出血してしまったり、高血圧が原因で脳出血を起こしたり、脳梗塞や脳腫瘍などですね。ほとんど緊急での手術が必要な患者さんの対応です。まず何よりも患者さんの命を救うことを最優先にという思いで、緊急を要するさまざまな症例を診てきました。
なぜ救急の現場から地域の脳神経外科に移ったのでしょうか?
日々患者さんが入れ替わるのが救急の現場です。そんな中でふと、「この患者さんたちは今後どのような経過をたどるのだろう」と思いました。緊急を要する多くの患者さんを診る中で、その方たちのアフターフォローや救急では診療していない頭痛など、どちらかというと日常生活を支えていくことの必要性を感じたのです。これがきっかけでしょうか。日頃から頭痛や物忘れ、めまいなどで悩んでいる方は多いと思います。脳神経外科と聞くとハードルが高いと感じるかもしれませんが、当院は交通の便も良くショッピングができる施設も近くて足を運んでいただきやすいエリアにあります。気軽に話をする気持ちで来ていただけたらうれしいです。
大規模病院と変わらないレベルでMRIなどの検査ができると伺いました。

高いレベルで地域医療に貢献したいと考え、MRIをはじめさまざまな検査の設備を整えています。片頭痛と一概にいっても原因は多岐にわたりますし、下は7歳くらいの小学校低学年から、上は80代くらいの方までいらっしゃるなど年齢層も広いです。物忘れというと高齢の方に起きやすいと思われがちですが、若い人でも「仕事が覚えられない……」といった方がいて、軽度認知障害や若年性アルツハイマー型認知症なども視野に入れておく必要があります。また、ちょっとしためまいなどは放っておきがちですが、重大な病気が潜んでいるケースもあります。そのため、その患者さんごとのあらゆる可能性を見逃さないように設備の充実を図っています。「市販の頭痛薬でなんとかしていたけれど」「これくらいいいかと見て見ぬふりをしていたけれど」など、ご自分ではどうしようもできなくなって困っている方などは、ぜひ一度ご相談ください。
患者との対話を大切にすることが信頼関係を築く第一歩
診療方針を教えていただけますか?

地域に根差した医療を提供するために、まずはクリニックに通ってくださる近隣住民の方々に真心を込めた診療を行うことを心がけています。その中でも特に意識しているのが、「お話をきちんと聞くこと」です。例えば、頭痛の場合、どのタイミングで痛くなるのか、どのように痛いのか、どこが痛いのか、どのくらいの時間、頻度なのかを細かくお聞きします。単に痛み止めを出せばいいというものではなく、患者さんが本当に困っている根本の部分を解決するためにしっかり話を聞くことに重きを置いているんです。「月に1度頭痛がある」と言っても、その1回の頭痛のために毎日怯えて生活していることもありますからね。患者さんの気持ちを理解して声のかけ方や薬の処方の仕方を考えています。これは、患者さんとの信頼関係を築くために重要なステップであると同時に、正確な診療にもつながると考えています。
診療後には検査結果などの資料をお渡ししているとか。
はい。クリニックで医師から説明を受けても、ご自宅に戻ると何と言われたかわからなくなることがありますよね。ご家族と患者さんの間で認識がずれてしまうことを防ぎ、診察や検査の結果をご自宅でご家族にも共有しやすくしていただくため、MRI画像や文章を載せた説明の資料をお渡ししています。また、当院では先進の技術を駆使した認知症検査にも取り組んでおり、そちらの検査結果もお渡しすることもあります。その検査というのは、脳のMRI画像を使って認知症を早く見つけるための技術が使われています。それによって、認知症の可能性があるかどうかを早めに判断でき、早い段階で適切な対応ができるのが強みです。
脳神経外科の医師として、知っていただきたい健康管理のポイントがあれば教えてください。

やはり、基本的な生活習慣に気をつけて、高血圧や糖尿病にならないように心がけることが大事です。血圧はご自宅で測っていただき、血糖値やコレステロールは定期的な健康診断を受けて数値をチェックしましょう。生活習慣病は放置すると動脈硬化につながります。血管は一度硬くなると、元には戻りません。脳梗塞などにならないよう進行を抑えることしかできないので、手前で動脈硬化を防ぐことが最も重要です。あとは日常生活を支障なく送るために、天気痛が頻繁に起こる人は予防的に薬を飲むのも一つの選択肢として考えていただければと思います。そうすることで、普段の生活の中で頭痛のことを気にしなくて済むようになりますよね。それだけでも心の負担が大きく変わるのではないでしょうか。
地域の希望となり、一人ひとりの笑顔を守りたい
片頭痛の治療は年々進化しているとか。

2021年から、保険診療にて片頭痛の患者さんに使用できる予防注射が登場しました。これで、今まで片頭痛に悩まされ続けた患者さんが人生を快適に過ごせることが望めるようになったんです。やはり、片頭痛があるせいで予定を立てられなかったり、キャンセルせざるを得なかったりすると患者さんもつらいと思います。この予防注射を打つことで、片頭痛の悩みから解消されてストレスなく生活できるようになったら、QOL(生活の質)が格段に上がるのではないかと感じています。お子さんの片頭痛についても、親子で体質が似ていることが影響し、発症しやすくなることがあります。お母さんが頭痛をお持ちだと、お子さんにもその傾向が現れることがあるため、早めに気をつけてあげることがとても大切です。
ブログでの情報発信も積極的にされているのが印象的です。
患者さんの中には、わざわざクリニックに足を運ぶべきか迷われる方もいらっしゃるかもしれません。例えば、「症状がある中で、コーヒーは飲んでもいいのかな?」といった、ちょっとした疑問が心に浮かぶこともあるでしょう。しかし、そういった小さな疑問を抱えたまま日々を過ごすのは、不安ですよね。だからこそ、私はブログを通じて、患者さんの疑問にお答えしたいと思っています。患者さんが感じる素朴な質問や、日常生活で気をつけるべきことについて、少しでも役立つ情報をお届けすることが私の使命だと感じています。患者さん一人ひとりが安心して生活できるように、心を込めてサポートしています。今後も患者さんが「もっと知りたい!」「どうすれば良いのか?」を、少しでも解決できる場となるよう努めてまいります。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

日々仕事などでお忙しい方でも診療に来やすい環境をつくれるよう、事前の予約を受けつけております。また、お子さんをお連れの方にも安心してご来院いただけるよう、親御さんが検査を受けている間は、スタッフがしっかりとお子さんを見守ります。どうぞ心配せずにお越しくださいね。頭痛、めまい、しびれなどの脳神経外科に関するお悩みや不安が心に浮かんだとき、当院を思い出していただければうれしく思います。患者さんがここで受けた診療に安心し、「ここに来て良かった」と笑顔で帰っていただけるよう、スタッフ一同、心を込めて毎日の診療に向き合っています。あなたの大切な一歩を、私たちが全力でサポートいたします。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック/2万2000円~