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長崎 宏則 院長の独自取材記事

うえの台いたみと内科のクリニック

(東海市/太田川駅)

最終更新日:2025/10/31

長崎宏則院長 うえの台いたみと内科のクリニック main

名古屋市のベッドタウンで緑に恵まれる東海市上野台に2023年10月に開業した「うえの台いたみと内科のクリニック」は、専門に特化するのではなく「トータルで診る」ことをモットーにするクリニックだ。長崎宏則院長は、基幹病院の麻酔科部長として外科手術を支えるだけでなく、災害医療や栄養管理チーム回診など専門外の分野でも多くの診療に携わってきた。その経験を生かし、専門である痛みの診療だけでなく、内科や小児科など年齢も診療も幅広く対応している。「悪い箇所だけを診るのではなく、患者の背景や人となりを理解し全体を診ることが大事」と長崎院長。開業から2年たった今の思いや今後の展望など、たっぷり話を聞いた。

(取材日2025年9月30日)

患者の人となりを知り、トータルに診療

先生が麻酔科を選ばれたのは、どのような経緯からでしょうか?

長崎宏則院長 うえの台いたみと内科のクリニック1

家族に医師がいるため、子どもの頃から自然な流れで医師をめざすようになりました。初めから麻酔科と決めていたわけではなく、当初は外科志望だったんですが、大学を卒業して麻酔科に入った時、手術前の患者さんに投薬などの準備を施し、滞りなく手術を終えた時に大きな達成感を感じたんですね。患者さんが問題なく手術を受けることができるよう試行錯誤した答えが、すぐに返ってくるところにも惹かれました。開業した今、患者さんの話を伺いながらニーズをくみ取り、自分でこれが適切と判断した治療を行い、その結果がダイレクトにわかることに、大きなやりがいを感じていますが、これは麻酔科医として培った価値観に通じていると思います。

大学病院や基幹病院で勤務されていらっしゃいましたが、開業を決意された思いをお聞かせください。

病院勤務は、外来、集中治療、手術といろいろな業務があり学ぶことも多かったですし、仲間にも恵まれ充実した毎日でした。そういった仕事や勉強がひと段落ついてきた頃に、環境を変えてみたいなと思ったのが開業を考えるきっかけだったと思います。開業して一番感じることは、医師が患者さんの生活に近いところにいるということですね。大きな病院勤務ですと、なかなかその患者さんの背景まで知る機会がないのですが、クリニックでは患者さんの生活様式や仕事など人となりを知ることから始まります。健康についてどんなことでも相談できる「よろず屋さん」のようなクリニックをめざしたいという思いで開業を決意しました。

こちらのクリニックの患者層や主訴について教えてください。

長崎宏則院長 うえの台いたみと内科のクリニック2

開業当初は、お子さんの患者さんが多かったですね。現在は、お子さんもいますが、30代の働き世代からご高齢の方が多くなっています。主訴は、痛みに関する方と生活習慣病など内科一般や小児科の方がちょうど半々くらいですね。痛みで来院される方は、長年痛みを抱えながら改善しないという方も多く、近隣だけでなく車で一時間近くかけて遠くから来られる方もいます。また、ひいおじいちゃん・ひいおばあちゃん、おじいちゃん・おばあちゃん、お父さんお母さん、そしてお子さんというように4代にわたり皆さんで通ってくださるご家族も。ご家族で診ていると、体形や調子の悪い箇所が似ているなど新たな気づきがあります。そういう面も総合病院とは違うクリニックの良さだと思います。

誰でもなんでも相談できるかかりつけ医でありたい

院名や院内の造りにも、先生のこだわりが詰まっているとか。

長崎宏則院長 うえの台いたみと内科のクリニック3

そうなんです。この地域は上野台という漢字の地名なんですが、穏やかな雰囲気を出すためにあえて角張っていない平仮名の「うえの」表記にしました。「いたみ」も同様です。小さなお子さんも女性の方も、年齢や性別を問わず皆さんが緊張せず安心して来院できるクリニックにしたいと考えました。白と木目で統一した院内も、患者さんがくつろげるような配色を選んでいます。街中の立て看板も、優しい色合いやイメージを大切にし、スミレの花をモチーフにしているんですよ。それは私たち職員の心構えにも通じていて、できるだけバタバタせず穏やかな気持ちで患者さんと向き合うように努力しています。忙しいと難しいときもありますが、スタッフ一同その気持ちを大切にしています。

診療方針についてお聞かせください。

最近はクリニックもいろいろな科で細分化されている時代ですよね。例えば、内科でも糖尿病・甲状腺科とか整形外科では足や手に特化しているとか。医療はどんどん高度化しているので、そうやって専門的に診るということも大事だと思いますが、当院は「専門性を高めて高度化をめざすのではなく、どんな症状でも取りあえずまず来院してください」という姿勢で診療しています。自分で診療できることはしっかり対応し、専門の医師にかかったほうが良いと判断した時は紹介するという振り分けはしっかり行いますが、まず「この症状で困っている」という相談が気軽にできる入り口をなるべく広くして対応しています。「こういう人に来てほしい」というクリニック側の都合ではなく、患者さんが主語であるクリニックをめざしています。

かかりつけ医として患者さんと向き合っていらっしゃいますが、かかりつけ医を持つメリットは何でしょう。

長崎宏則院長 うえの台いたみと内科のクリニック4

かかりつけ医を持つメリットは、診療情報が集約化されることに尽きると思います。例えば当院から専門の医師に紹介した場合、その医師の高度な経験と知識と技術の返事がかかりつけ医である当院に返ってきます。その患者さんの疾患や服薬の様子などすべての情報が集約できることは、今後の診療を的確にするためにとても役立ちます。また、かかりつけ医を持つことで、終末期の相談もできるようになると良いと思いますね。そうなるためには、やはりかかりつけ医として長くお付き合いさせていただくことが大事だと思います。家族会議にかかりつけ医も加わり、患者さんにとって良い終末を過ごすことができるようにする。それは患者さんにとってもメリットですし、かかりつけ医としてもそういうポジションでありたいと思います。

内科一般から専門性の高い痛みの治療まで

先生の専門である痛みの患者さんも多いと思いますが、どのような診療をされるのでしょうか?

長崎宏則院長 うえの台いたみと内科のクリニック5

最近は診断が難しい難治性の痛みの患者さんが増えてきていると思いますね。それは、当院が痛みのクリニックとして皆さんに認知されてきた結果でもあると思いますが、思った以上に痛みが治らず困っている人が多いということに、開業してあらためて気づきました。痛みはつらく、生活の質も下がってしまうので、いかに早く痛みを抑えるかが重要です。当院では、診断的治療を行うことで、疾患の方向性を絞ったり見極めたりし、痛みの原因を探ることに役立てています。痛みに対する治療は、投薬や鎮痛処置、神経ブロック注射、生活の指導などさまざまなアプローチを行っています。診療内容や設備のアップデートをしながら、患者さん一人ひとりに適した治療方法を実践しています。

患者さんと接するとき、心がけていることを教えてください。

診察というのは、患者さんが扉を開けて入ってくるところから始まっています。例えば問診票に「腰痛」と書いてあっても、文字だけではわからないことが多いんです。その患者さんの歩き方や診察時に椅子に座った時の様子、例えば足を組んでいないかなど、患者さんの様子をよく見るようにしていますね。そういう普段の生活の仕方を見ながら、生活指導のポイントを考えています。それから、問診では他院では聞かれていないような部分も見落とさず聞くように心がけています。「それを聞かれたのは初めて」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり痛みの患者さんを多く診てきたという経験値は大きいと思いますし、それが診察に役立っていると感じます。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

長崎宏則院長 うえの台いたみと内科のクリニック6

同じような価値観を持つ後進を育てたいですね。ここで一緒に診療し経験を積んでもらい、いずれここを巣立ってほかの地域でも同じようなスタイルのクリニックが広まっていくと良いなと思います。クリニックの専門化が進む世の中の流れとは逆行しているかもしれませんが「広くいろいろな疾患を診る」「どんな疾患も断らずに全部診る」そんなクリニックであり続けたいと思います。これは医師にとっても大変なことなのですが、当院は今後も痛みだけに特化することなく、今のスタイルを守り続け、どんな疾患も診るクリニックであり続けたいと思っています。辞書に載っている「あ」から「ん」まで全部診る、そういったポリシーで診療をしていますので、体の不調や心配事は、なんでもまずは相談してください。

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