和田 祥子 院長の独自取材記事
日本橋の歯医者さん 日本橋歯科
(中央区/馬喰町駅)
最終更新日:2026/04/13
JR総武線馬喰町駅から徒歩1分。問屋街として歴史を刻む日本橋馬喰町の街並みに溶け込むように、「日本橋の歯医者さん 日本橋歯科」はある。2023年の開院から3年目を迎え、2026年4月に親しみやすい院名へと新たに変更した。院長の和田祥子先生は、東京医科歯科大学大学院でインプラントを研究後、行政機関で医療機器の承認業務にも約6年間携わった経歴を持つ。臨床にとどまらない経験が育んだ広い視野が強みだ。ブラウンを基調とした院内にはアロマが香り、歯科医院特有の緊張感をそっとほどいてくれる。「患者さんが主役、私たちはサポーター」と穏やかに語る姿に、豊かな経験に裏打ちされた確かな信念がにじむ。その診療哲学と今後の展望を聞いた。
(取材日2026年3月25日)
大学病院・行政機関を経て、日本橋になじむ歯科医院を
まずは先生のこれまでの歩みと、開業に至った経緯を教えてください。

東京医科歯科大学の大学院でインプラントを専門に研究したのち、大学病院に勤務していました。その中で、行政機関に出向する機会をいただき、法に基づく医療機器の審査・承認業務に約6年間携わることになったんです。歯科だけでなく整形外科領域の機器も扱い、さまざまな分野の専門家と意見を交わして、視野が広がる日々でした。ただ行政の仕事はスケールが大きくやりがいがある一方で、一人の方の人生に深く関われるのはやはり臨床の現場だと感じるようになったんです。そこで出産を経て本格復帰するタイミングで大学を離れ、勤務医として研鑽を積んだのち、2023年に開業しました。
日本橋のこのエリアで開業された理由をお聞かせください。
子育て中ですので、自宅から通いやすい範囲で開業先を探していました。ただ、オフィス街すぎる場所よりも、働く方と住む方が行き交う温かみのある街がいいなと思っていたんです。馬喰町は問屋街で古くからの街ですが、テナントが出にくく当初は候補に入っていませんでした。たまたま新築ビルに空きが出て初めて訪れたとき、新しさと歴史が共存する雰囲気に惹かれました。日本橋エリアの中でもこれから発展していく場所で、20年、30年と腰を据えられる未来を感じたことが決め手です。3年を経て街にもなじんできましたので、2026年4月からは院名を「日本橋の歯医者さん 日本橋歯科」に変更しました。皆さまにとってより親しみやすいクリニックになりたいと思っています。
院内の雰囲気がとても印象的ですが、こだわった点を教えてください。

「歯医者さんらしくない空間」をめざして、あえてクリニックのデザイン経験がない方に内装を依頼しました。目の前には戦前から残る建物もあるので、街並みを壊さないようレンガ調の素材で新しさと歴史の調和を意識しています。院内ではリラックスしていただけるよう、専門家に選んでもらったアロマも焚いています。歯科医院に苦手意識のある方にも心理的に足を運びやすい雰囲気になっていたらうれしいですね。もう一つの特徴は朝型の診療で、平日は8時30分から、土曜は8時から診療しています。出勤前にクリーニングや治療を受けたいという方にも対応したいと思っています。あとはユニットをゆったりめに確保していますので、ベビーカーをそのまま脇に置いて治療を受けていただくこともできます。私も非常勤の医師も子育て中のため、そのあたりも配慮できていたらうれしいです。
小さな成功体験が、患者の意識を変えていく
診療にあたって大切にされていることを教えてください。

診療で一番大切にしているのは、患者さんが何を望んでいるかをしっかり聞くことです。つい「やってあげたい」という気持ちが先に立ちがちなので、意識して患者さんの声に耳を傾けるようにしています。私は、患者さんの歯は患者さんのものであり、主役は患者さんご自身だと考えています。私たちはあくまでサポーターですので、通院を受け身ではなく自分事として捉えていただきたいんです。そのために心がけているのが、小さな成功体験を積んでいただくこと。「前回より状態が良くなった」と実感することができたら、次もやってみようという気持ちが自然に芽生えます。関心がなかったのは知らなかっただけで、一つスイッチが入ると次々と意識が広がっていくと思うんです。その最初のきっかけを一緒につくれたらと思っています。
力を入れている治療について教えてください。
大学院で専門に研究していたインプラント治療は得意としている治療の一つです。それ以外では、マウスピース型装置を用いた矯正やラミネートベニアなどの審美面の治療にも力を入れています。矯正も私自身が担当しており、「思っていたよりハードルが低い」と驚かれる方も少なくありません。歯並びを整えることはほかの歯を長く残すことにもつながると考えますので、長く通ってくださっている患者さんには積極的にご提案しています。ラミネートベニアは歯を削らずに歯の表面に貼りつけてコートするので、補強や知覚過敏のカバーなどが期待できます。40代以降は歯に小さなヒビや着色が少しずつ生じることがありますが、接着技術の進歩により、ネイルのように薄い素材を歯の表面に貼れるようになりました。削りたくないお気持ちはよくわかりますし、そのために削るのは本末転倒ですからね。
歯科衛生士さんの存在も大きいのではないでしょうか。

予防やメンテナンスにおける衛生士の力はとても大きく、治療と予防は両輪だと考えています。助手を含めたスタッフのサポートがなければ、私一人では質の高い治療は提供できません。正直に言いますと、以前の私はインプラント治療などの処置に関心が偏っていて、歯周病の分野は後回しにしていました。けれども開業して患者さんと長く向き合う中で、治療後のケアや信頼関係の土台に歯周病の管理が欠かせないと痛感し、あらためて学びを深めています。歯周病は衛生士が関心を持つ分野と重なるので、ディスカッションが自然に生まれ、一緒に患者さんを見ているという連携が育ってきました。歯科医師とスタッフの方向性が一致して初めて、良い治療をお届けできると実感しています。
信頼の輪を広げ、一人ひとりの人生に寄り添う
今後の展望をお聞かせください。

開業から3年目を迎え、クリニックとしてのベースはできつつあると感じています。ここからは一つ一つの取り組みを少しずつ大きくしていきたいですね。先輩方の話を伺うと、自分が手がけた治療のその後を長く見届けていく覚悟が求められると感じます。どんな結果であっても、すべてを受け入れられる状態でいたいですし、もし思うようにいかないことがあっても、患者さんが戻ってきてくださるなら、それは人として信頼関係が築けている証だと思うんです。そこからまた一緒に歩み直せることが何よりうれしいですし、そうした信頼の輪を少しずつ広げていきたいと考えています。スタッフの面でも、衛生士がやりがいを感じて自立的に動ける仕組みを整えることが、これからの楽しみです。
お忙しい毎日だと思いますが、日々の活力になっているものはありますか?
2児の母ですので、仕事と家庭の両立はまだまだ手探りの部分もあります。夫や家族がしっかり支えてくれていて、本当に助けられていますね。日々の一番のリフレッシュは、帰宅して子どもたちと過ごす時間です。家に帰った瞬間から容赦なく子どもの世界に引き込まれるので、仕事モードから完全に切り替わるんですよ。クリニックとはまったく違う場所に身を置くと気持ちがフラットに戻ります。診療のことばかり考えていると煮詰まることもありますが、家族との時間が視野を広げてくれるんです。そうした日常の切り替えがあるからこそ、翌日の診療にも新鮮な気持ちで向き合えていると感じます。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

自分の歯にちょっとでも興味を持っていただけたら、それが人生を変えるきっかけになるかもしれません。何か困ってから足を運ぶ場所というイメージがあるかもしれませんが、特に気になることがなくても気軽にいらしていただきたいと思っています。私たちにできることは、患者さんがここにいらしたときのサポートです。だからこそ、ご自身の歯や口の中に少しでも関心を持って、日々のケアを自分事として大切にしていただけたらうれしいですね。当院では患者さんが何を望んでいるかを受け止めて、その選択に全力でお応えしたいと考えています。最初は小さなきっかけで構いません。一歩踏み出してくださったその気持ちに、しっかり寄り添っていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/60万5000円~93万5000円
※費用は程度による
インプラント治療/42万9000円 検査/2万2000円
ラミネートべニア/1万1000円~16万5000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

