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統合失調症は早期発見が重要
早期治療で症状抑制をめざそう

つつじヶ丘こころのクリニック

(調布市/つつじヶ丘駅)

最終更新日:2023/12/14

つつじヶ丘こころのクリニック 統合失調症は早期発見が重要 早期治療で症状抑制をめざそう つつじヶ丘こころのクリニック 統合失調症は早期発見が重要 早期治療で症状抑制をめざそう
  • 保険診療

統合失調症とは幻覚、妄想、思考障害、意欲の欠如などを特徴とする精神疾患だ。思春期から青年期に発症することが多く、罹患率は平均して100人に1人ともいわれ、誰もがかかり得る病気といっても過言ではない。長年、精神科専門病院で数多くの統合失調症患者を診てきた「つつじヶ丘こころのクリニック」の樋口和義院長も、「決して珍しい病気ではありません。重症化を防ぐには早期発見、早期治療が重要です」と、力を込める。ドーパミンなど脳の神経伝達物質のバランスが崩れることで引き起こされるという仮説はあるが、いまだ原因は特定されていない統合失調症。初期症状にはどのようなものがあり、うつ病とはどう違うのか。気になる治療法などと合わせ、詳しく話を聞いた。

(取材日2023年11月21日)

統合失調症は思春期から青年期に不定愁訴を初期症状として発症することが多いので、見逃さずに早期治療を

Q統合失調症はクリニックでも診てもらえるのでしょうか。
A
つつじヶ丘こころのクリニック 患者の負担軽減に取り組む同院

▲患者の負担軽減に取り組む同院

激しい攻撃性や興奮を伴う急性期は入院も必要ですが、慢性期の投薬治療はクリニックでも可能です。しかし、患者さんの服薬率は退院時こそ100%ですが、半年もすると半分ほどまで下がってしまうという調査もあるので注意しなければいけません。なぜならば、服薬を怠れば再発するリスクが高いからです。このため、当院では持続性注射剤による治療も行っています。月に1回程度の注射をするだけで一定量の薬剤を体内にとどめておくことが期待できるため、毎日薬を飲む必要もありません。薬は多種多様で、最近では副作用である眠気が出にくい非鎮静系が主流になりつつあり、QOL改善も大いに期待できます。

Q統合失調症とうつ病の違いについて教えてください。
A
つつじヶ丘こころのクリニック 精神科専門病院での病院長の経験もある樋口院長

▲精神科専門病院での病院長の経験もある樋口院長

うつ病と大きく違うのは統合失調症は妄想、幻覚、思考障害などが見られるという点です。被害妄想、追跡妄想、注視妄想、テレパシー体験など多様な症状を伴います。ただ、向精神薬でそういった陽性症状にアプローチしていくと、感情起伏の平坦化、意欲の喪失、引きこもりなどの陰性症状が目立ってくることもあります。うつ病と見分けがつきにくい耗弱状態となり、抗うつ薬を処方する場合もありますが、同時に統合失調症の治療も続けなければいけません。統合失調症が完治したものと誤解して放置してしまうと、脳にダメージを与え認知機能障害に至る例もあります。

Q統合失調症にはどのような初期症状がありますか。
A
つつじヶ丘こころのクリニック 患者に寄り添い丁寧な診断を心がける

▲患者に寄り添い丁寧な診断を心がける

10代から20代にかけての発症が多く、代表的な初期症状は不定愁訴です。吐き気、腹痛、頭痛、体のどこかが痛いといった症状が続き、内科、外科、整形外科などで検査をしても異常はなく、最後に精神科に来る患者さんも少なくありません。早期発見、早期治療のためにも、もう少し早めに精神科という選択肢を考えていただければと思います。当院では初診だけでは診断せず、3回くらいかけてしっかりと鑑別していきます。もし、統合失調症の可能性ありとなったら少量の向精神薬を投与して様子を見ていくことも可能です。そうすることで発症を抑えることにつながれば、大きな問題には直面せずに済む可能性も期待できます。

Qすでに統合失調症の診断を受けていて薬だけの相談もできますか。
A
つつじヶ丘こころのクリニック 薬の相談にも対応する当院

▲薬の相談にも対応する当院

当院では「今、こんな薬を飲んでいますがどうでしょうか」といった疑問にもお答えしています。統合失調症の薬にはさまざまなタイプがあるので、治療がうまくいっていないのならば薬を変えてみるというのも一つの方法です。適切な薬を使用していても容量が合っていないというケースもあります。いずれにせよ、これまで数多くの統合失調症の患者さんを診てきた経験を生かし、患者さんに提示できる選択肢のカードは多いと自負しています。

Q統合失調症以外の精神疾患にも幅広く対応していると伺いました。
A
つつじヶ丘こころのクリニック 疾患だけでなく、体と心の不調に耳を傾ける

▲疾患だけでなく、体と心の不調に耳を傾ける

うつ病や双極性障害(躁うつ病)などの気分障害、社交不安障害などの不安障害、不眠症、アルコール依存症、自律神経失調症など、多岐にわたる精神疾患に対応可能です。患者さん一人ひとりの心や体の悩み、家族関係などの背景もしっかりと聞き取りつつ、総合的に診療していくことを何よりも大事にしています。ストレスを主な原因とする体の不調はもちろん、風邪、腹痛、生活習慣病などの内科的処方薬も出せますので、どんな些細なことでも気軽にご相談ください。

ドクターからのメッセージ

樋口 和義院長

かつて、統合失調症の薬は手足が震える症状が出ることもありネガティブなイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、現在では新薬開発によりそのような副作用もなくなってきていますのでご安心ください。入院が必要になるような激しい症状を引き起こさないようにするためにも、早期発見、早期治療が何よりも重要です。若年での発症も多く、学校や会社に行けないといった日常生活上のつまずきの中にサインが隠れていることもあります。誰もが心の病気にかかり得るストレス社会の中で、精神科を利用するのは決して特別なことではありません。統合失調症の兆候を感じた場合も、ためらわず早めに受診していただければと思います。

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