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小林 和磨 院長の独自取材記事

こばやし内科クリニック

(みよし市/三好ヶ丘駅)

最終更新日:2023/11/27

小林和磨院長 こばやし内科クリニック main

2023年9月に、みよし市打越町に開院した「こばやし内科クリニック」。小林和磨院長は日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医の資格を有する腎臓内科のスペシャリスト。大学時代の研究経験を生かし、同院では腎代替療法の一つである腹膜透析にも対応している。また、日本内科学会総合内科専門医として、腎臓疾患から派生する全身的な疾患も幅広く診療している。腎臓に対する正しい情報提供を行うことも重視し、初期症状に乏しく、早期発見が難しい腎臓疾患の知識を地域の人々へ共有する教室の開催や、透析治療に対する幅広い情報の提供にも力を入れている。「ここなら何度通ってもいいと思ってもらえるクリニックにしたい」と、語る小林院長に、クリニックの特徴や地域への思い、今後の展望について話を聞いた。

(取材日2023年10月30日)

腎臓内科を専門としながら、幅広い内科診療にも対応

まずは開院の経緯についてお聞かせください。

小林和磨院長 こばやし内科クリニック1

私は幼少期は病弱で、よく自宅近くの診療所にかかっていました。医師に憧れるようになったのは、当時担当してくださった先生の影響です。そのせいか、医師といえば「地域の内科の先生」というイメージを漠然と持ち続けてきました。特に腎臓内科は、患者さんの生活に深く関わりながら長く診療するケースがほとんどです。そのため地域に密着したほうが貢献できると思い、開業の道を選びました。もともと豊田市で生まれ育ちましたが、この近隣の病院に勤務し、みよし市で暮らしていたこともあります。自分にとってホームに近いこのエリアで開業できてうれしいですね。

なぜ腎臓内科を専門として選ばれたのでしょうか。

大学で腎臓内科について学んだとき、一人の患者さんに対して長期的な診療が必要なところに魅力を感じました。もともと人が好きで、医師になりたての頃から患者さんと関係性を築くことにやりがいを感じていたんです。腎臓内科は生活に密着し、患者さんと長く深く関わるケースが多いので、そういう意味でも自分に向いていると思いました。また、腎臓疾患は全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。そうした意味で、内科全般について幅広い知識が求められる点も、他の科にはない魅力だと思いました。

こちらのクリニックの特徴についてお聞かせください。

小林和磨院長 こばやし内科クリニック2

当院の腎臓内科は、腎臓の機能をできるだけ維持、あるいは改善することを目的に検査・診療を行っています。管理栄養士も在籍していますので、栄養指導も可能です。腎不全が進行してしまった方でも、当院なら腎代替療法の一つである腹膜透析が受けられます。また、腎臓疾患が原因で全身的な健康に影響が出た場合でも対応できるよう、腎臓以外の内科疾患も幅広く診療できる体制を整えています。もちろん、風邪などの急性疾患や生活習慣病のような慢性疾患などの内科診療も可能ですので、お気軽にご相談ください。

診療において、心がけていることはありますか。

「ここの先生とだったら話に来てもいいかな」と思ってもらうことが、私にとって理想の診療スタイルです。そのためできるだけ丁寧に説明すること、患者さんが納得した上で検査や治療を進めることを意識しています。治療や検査の必要性をわかっていただくことはもちろんですが、こちらから一方的に話をし過ぎると患者さんが話したいことが話せず、不信感につながってしまうかもしれません。そうならないために、できるだけ患者さんのお話を聞くことを意識しています。

腹膜透析ができる医療体制や豊富な検査機器を備える

腹膜透析について、詳しくお聞かせください。

小林和磨院長 こばやし内科クリニック3

腎代替療法には、血液透析、腹膜透析、腎移植の3種類があります。当院で対応している腹膜透析は、腹腔内に透析液を注入し、腹膜を介して体の中の老廃物やカリウム、過剰な水分を液の中に取り込み、それを排液することで腎臓の代わりをめざす方法です。血液透析は週3回の通院が必要であるのに対し、腹膜透析は自宅でも取り組めます。毎日行う必要がありますが、その分身体への負担は少なく、仕事をしながら休憩時間を使って治療できるのも特徴です。当院は夕方や土曜も開いていますので、働きながら透析が必要な方にとって利用しやすいかと思います。愛知県には腹膜透析ができる診療所が少ないと思いますので、まずは自分が腎臓内科医として、積極的に取り組んでいきたいです。

血液透析だけでなく、腹膜透析という選択肢もあるのですね。

日本で透析といえば血液透析を思い浮かべる方が多いと思います。3つの治療法の説明を聞き、納得した上で血液透析を選ばれるなら問題ないものの、中には他の治療法を知らずに血液透析を選択されている方も多く、情報提供が不十分だと感じます。それぞれの治療法に一長一短はありますが、ライフスタイル的に腹膜透析が合う場合もあります。患者さんには、それぞれの治療の説明を聞いた上で決めてほしいというのが私の思いです。今後も腎臓内科医として、患者さんに十分な情報を提供し、治療の選択肢を提示することを続けていきます。

腎不全の治療においては、やはり家族や周りの人の協力も必要でしょうか。

小林和磨院長 こばやし内科クリニック4

患者さんそれぞれの状況によってさまざまですが、透析治療は生活がガラッと変わることが多いです。血液透析はこまめな通院が必要ですし、腹膜透析であれば治療環境を自宅に用意しなければなりません。腎移植の場合でも、ドナーが必要です。患者さん本人だけを診るのではなく、周りの人々の環境も含め、最適と思われる治療を考えることが腎臓内科医には求められると思っています。当院ではご本人と家族の方に、その治療を選択することでどんな影響があるのかをしっかりと説明いたします。

検査機器や設備についてもお聞かせください。

腎臓の主な働きは尿を作ることですが、動脈硬化や骨・心臓など全身にも影響を及ぼします。そのためエックス線撮影装置や超音波(エコー)検査機器、骨密度検査機器など幅広い検査機器を導入しています。また、腎機能が悪化すると免疫力が低下するため、できるだけ安心して通っていただけるよう、感染症の疑いのある患者さんや熱がある患者さんとそうでない患者さんの動線を完全に分離できる内装にしました。それから少し先の話になりますが、妻がリウマチ科が専門の医師ですので、将来的には膠原病などへの対応も視野に入れています。膠原病も骨が弱くなったり、免疫力が低下したりすることがあるため、そうした方も安心して通えるよう設備を整えました。

「何度通ってもいい」と思われるクリニックをめざして

地域に対して、取り組んでいきたいことはありますか。

小林和磨院長 こばやし内科クリニック5

今後待合室を使って、定期的に腎臓病教室を開く予定です。腎臓疾患は自覚症状に乏しく、気がついたときには透析寸前の状態であることも少なくありません。早期発見のためには定期的な尿検査や採血検査が不可欠ですので、地域の皆さまにはその重要性を伝えていきたいです。病気になった人を診ることはもちろんですが、病気にならないようにすること、そして病気を初期段階でできるだけ食い止めることも、腎臓内科医の仕事だと思っています。腎臓病教室は、どなたでも参加いただけますので、気軽に足を運んでいただき、地域に腎臓の知識を徐々に広めていきたいです。

今後の展望や目標についてお聞かせください。

地域の方にとって「ここなら何度通ってもいいな」と思っていただけるクリニックになることが目標です。腎臓疾患はあまり症状がない中で、通院しなければならない場合もよくあります。その中で「先生と話しにいこうかな」と思ってもらえる雰囲気をつくり、気軽に通っていただけるクリニックにすることが、地域医療への貢献につながると思っています。将来的にはリウマチ、膠原病の診察もスタートしていく予定ですので、地域の幅広い患者さんが安心して通っていただけるクリニックをめざしていきたいです。

最後に読者へメッセージをお願いします。

小林和磨院長 こばやし内科クリニック6

腎臓を守るためには、異常を少しでも早く見つけることが重要です。検査を定期的に受けていただき、少しでも心配なことがあれば相談していただければと思います。また、腎臓は悪くなっても最後に透析という手段もあります。ネガティブなイメージがあるかもしれませんが、透析をしながら充実した生活をされている患者さんも多くいらっしゃいます。透析導入を遅らせることはもちろん大切ですが、必要になった場合には十分な説明を聞いていただき、受け入れていただくことも大事だと思っています。当院は周辺の病院とも密に連携していますので、必要であれば紹介することも可能です。些細な心配事でも、お気軽にご相談ください。

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