浦井 俊二 院長の独自取材記事
星の森消化器内科クリニック
(岩出市/岩出駅)
最終更新日:2023/12/28
店舗やレストランが並ぶフォレストモール岩出の一角にある「星の森消化器内科クリニック」。院長の浦井俊二先生は、関西の総合病院などで経験を積んだベテランドクターで、日本内科学会総合内科専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医や日本消化器病学会消化器病専門医の資格を持つ。クリニックでは、その知識と経験をフルに生かし、消化器内科、胃や大腸の内視鏡検査、生活習慣病など幅広く対応。中でも特に注力している胃と大腸の内視鏡検査では、検査でつらい思いをすると患者が検査嫌いになり、結果として病気発見の遅れにつながる懸念があるとして、やわらかく細い内視鏡を用いるなど、苦痛を軽減するためさまざまな工夫をしている。同院の内視鏡検査の特徴や診療方針について、浦井院長に話を聞いた。
(取材日2023年12月7日)
地域に根差し、より身近な場所で良質な医療の提供を
医師を志したきっかけ、消化器内科を選択した理由について教えてください。
私が医師の道を志すようになったのは、身内をがんで亡くしたことがきっかけです。当時はがんという病名を本人には伝えないのが一般的で、その時も本人にはがんの告知をしていませんでした。本人が気がついているのかどうかわからず、どんどんと弱っていくのを見ていてとてもつらかったことを覚えています。その時の経験から、病気で苦しむ患者さんやその家族を助ける立場になりたいなと思うようになりました。消化器内科を選択したのは、たくさんの臓器を対象にできることから、より多くの患者さんを救う立場になれるのではと考えたためです。また、消化器内科だと、内視鏡やエコーなどの機器を日常的に使います。そうした手技にも興味があり、治療で扱える点で面白そうだなと思いました。
医師になってからのご経験、院長就任に至る経緯についてもお聞かせください。
医学部を卒業した後は、関西の病院を中心に経験を積み、和歌山の日本赤十字社和歌山医療センターには20年間勤務していました。特に、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患は、良くなったり悪くなったりを繰り返して長い間付き合わなくてはいけない病気のため、少しでも良くすることができないかと深く勉強をしました。また、内視鏡についても非常に興味を持っていた分野だったので、勤務医時代には先輩にアピールし積極的に経験を増やし研鑽を積んでまいりました。和歌山で仕事をしてちょうど20年というきりの良いタイミングに、星野クリニックの星野院長と出会いました。ご一緒する中で、クリニックのお仕事が地域の患者さんとより身近に接することができる、大きな病院とはまた違った深みのある仕事であると実感し、「星の森」の院長として地域の消化器診療にチャレンジすることを決めました。
窓が大きくてすてきなクリニックですが、何か意識した点はありますか?
患者さんが少しでも気軽に足を運んでくださるように、全体的に明るい雰囲気にしています。白が基調の落ち着ける内装にしたり、たくさんの観葉植物を置いたり、患者さんが安心して医療を受けられるように工夫をしています。医療機関というのは、基本的には皆さん行きたくないところだと思うんです。そうしたイメージを払拭できるような、気軽に足を運べるクリニックにしたいと考えています。また、治療に使う機器だけではなく、自動精算機などの設備も備えています。スムーズな会計を行うことで、患者さんの待ち時間の短縮につながっていますね。
めざすは「苦痛の少ない」内視鏡検査
クリニックの診療内容、患者さんの主訴について教えてください。
消化器内科については、私の専門ということもあり、おなかが痛い、便通の調子が悪い、食欲がないなど、幅広いご相談内容に対応しています。それから、内科として、高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病のご相談でいらっしゃる患者さんも多いですね。当院で特に力を入れているのは、胃や大腸の内視鏡検査です。土曜日の内視鏡検査が可能なことに加えて、胃と大腸の検査を同じ日に受けることが可能なので、検査で何日も休むことが難しい働き世代の方など、若い方にもご利用いただきたいと思っています。
内視鏡検査に関して、特徴や心がけていることはありますか?
検査で心がけているのは、「できるだけ苦痛を少なくする」という点です。特に初めて内視鏡検査をする方の場合、その最初の検査でつらく苦しい思いをしてしまうと、「内視鏡検査は嫌だ、二度と受けたくない」と考えてしまうことが多いんです。そうすると、将来何か症状があっても検査を渋ってしまい、結果として病気の発見の遅れにつながってしまいます。当院では、ご希望の方には検査前から個室での下剤内服が可能なリラックスできる環境があります。もちろん、苦しくない内視鏡のため、麻酔を使った内視鏡検査が可能です。さらに、一般的な内視鏡よりもやわらかく細い管のものを使い、患者さんが苦しくない検査ができるように配慮しています。また、意識がなかったとしても検査による体の負担は生じています。そのため、検査後に休んでいただくソファーも質の良いものをそろえて、ゆったりと体を休めることができるようにしています。
患者さんとのコミュニケーションでは、どのようなことを心がけていますか?
例えば、生活習慣病の診療では、お酒はダメですよとか、運動してくださいねと、患者さんに生活指導をしなければならない場面が出てきます。しかし、まだ人間関係ができていない間柄の医師から頭ごなしにそうした注意を受けても、患者さんは抵抗を感じてしまい、場合によっては逆効果になってしまうと思うんです。特に慢性疾患で長く通っていただく患者さんに対しては、まずは患者さんとの距離を縮めて、信頼関係を築くことを大切にしています。世間話ができるような関係になった上で指導ができれば、患者さんも耳を傾けてくれて、結果として患者さんの症状改善につなげることができると思っています。
患者と同じ目線で、寄り添う地域のクリニックに
クリニックとしての診療方針、理念について教えてください。
まず何よりも、患者さんと同じ目線になり、寄り添うことが大切だと思っています。常日頃から、自分の親だったら、子どもだったらどうだろうと考えて、診療にあたるようにしています。それから、研究会や勉強会に積極的に参加し、論文などにも目を通して勉強し続けることも大事にしています。医学の世界はどんどん進歩しています。自分が医学生、医師になったばかりの頃に学んだ治療方法が今も最善とは限りません。患者さんにとってより良い医療を提供するためには、新しい情報を常にキャッチアップして、努力を続けることが必要だと考えています。
将来に向けた展望、今後やっていきたい治療などがありましたら教えてください。
現在は常勤医師が私だけなので利用していませんが、当院には診察室や内視鏡の検査をする部屋が2部屋あるんです。ゆくゆくは医師やスタッフを増やして、患者さんをお待たせしなくて済むように、これらの設備を活用できる体制を整えていければと思っています。それから、医師が複数人になれば、訪問診療を行うなどして、通院が難しい患者さんを診ることも可能になります。スタッフの充実を図って、より多くの患者さんをサポートできるようにしていきたいですね。また、和歌山市にある本院の星野クリニックと連携をしていますが、今後はより患者さんに関する情報の共有や意見交換なども積極的に行っていきたいと考えています。
最後に、地域の方々に向けてメッセージをお願いします。
患者さんとの距離が近く、いろいろなお話をしながら診察ができる点が、地域に根差したクリニックの良いところだと思います。大きな病院だと、ちょっと気になることがあっても、病気じゃなかったら恥ずかしいとか、こんな些細なことで受診して怒られるんじゃないかと心配してしまい、行きづらい面もあると思うのですが、そうした際に気軽に相談できて、皆さんに安心を提供できる場所になっていきたいなと考えています。調べて何もないことを確認するだけでももちろん大丈夫ですので、何か気になる症状があったら放置せず、気兼ねなく相談に来ていただけるとうれしいですね。私が少しでも皆さんのお力になれるように精一杯頑張りたいと思います。いつでもご来院ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは上部消化管内視鏡検査/1万5000円、下部消化管内視鏡検査/2万円