その「いびき」、鼻や喉の病気かも
いびきの原因・改善策を解説
コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京
(千代田区/日比谷駅)
最終更新日:2025/04/23


- 保険診療
寝ている時に、大きないびきをかいてしまう。そのせいで、家族と寝室を分けたり、友人との旅行も我慢したり……。いびきに悩み、生活をエンジョイできないでいる人は果たしてどれくらいいるのだろう。最近はスマートフォンのアプリでいびきの音を判定できるものも登場するなど、いびきへの関心が高まっているようだ。実は、いびきにもいろいろな原因があり、適切な処置を受けることで改善が期待できるケースもあるという。そんないびきの診療を20年以上行っているエキスパート、「コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京」の都筑俊寛院長にいびきのメカニズムや原因、それに対する治療法について詳しく話を聞いた。
(取材日2024年9月21日)
目次
鼻の詰まりや喉の形、就寝時の舌の位置など、いびきの原因はいろいろ。まずは自分のいびきの原因を知ろう
- Qいびきの原因は、鼻にあるのでしょうか?
-
A
▲適切な処置を受けることで改善が期待できるケースも
アレルギー性鼻炎などで鼻が詰まっていると空気の通りが狭くなり、スーピーと鳴ることはあります。しかしこの音は寝息の一種で、原因である鼻炎が解消すれば自然となくなるでしょう。そうではなく、ガーとかグォッといった、うるさい感じの音が出る原因は振動によるもの。振動しているのは、喉にある口蓋垂(こうがいすい)、いわゆる「喉ちんこ」といわれる部分です。この口蓋垂とその周りの軟口蓋(なんこうがい)が一般より大きく喉の通り道を塞いでいるような場合、その振動音が大きないびきとなってしまうのです。また、睡眠時無呼吸症候群の症状としてのいびきもあります。ただ、いびきのある方がすべて睡眠時無呼吸症候群ではありません。
- Qいびきに悩んでいる人は、医療機関を受診すべきですか?
-
A
▲いびきが重大な疾患につながる可能性も。まずは相談しよう
原因がわかれば対処できますから、一度受診するといいですね。鼻炎の治療や、口蓋垂やその周りの形の治療が必要と判断されるものについてはレーザーで塞いでいる部分を切除します。この場合は日帰り手術で行い、保険診療となっています。保険適用となるのは、いびきが睡眠の質を下げているから。就寝中にも血圧が上がりやすく、ストレスがかかるので糖代謝異常となりがちで、高血圧や糖尿病を引き起こすこともあります。寝ながらも体を使うのでおなかが空き、食べ過ぎから太りがちとなり、睡眠不足からうつ病や不安症の引き金ともなり得ます。このような健康面、社会面のデメリットがありますので、軽く考えないでいただきたいです。
- Q患者さんはどういう方が多いですか?
-
A
▲幅広い年代の患者が来院している
きっかけはパートナーや友人から指摘されたというケースが多いです。また、いびきの発症に男女差はなく、有楽町という場所柄もあり女性も多くいらっしゃいます。世代も幅広いのですが、女性の場合はライフサイクルの中で、女性ホルモンの分泌量が大きく変わる時、いびきをかきやすくなる傾向があります。そのため、初潮や閉経との関係が深いのです。ただ、10代の頃は育ち盛りだからと、受診まで至らないことが多いようです。また、更年期の方は、加齢に伴って睡眠の質を気にされることもあり、意を決して来院される方が多いです。
- Q具体的な治療法を教えてください。
-
A
▲個室のリカバリールームを備えている
喉を確認し、口蓋垂が気道を塞いでいる場合は、切除するという方法があり、レーザー治療をお勧めします。また、睡眠時無呼吸症候群の場合はCPAPという、睡眠中に鼻に装着したマスクから空気を送り込む治療が標準的です。しかし、これは抜本的な改善ではなく、また、約5割の方が鼻マスクの装着を不快や不便に感じられているというデータもあります。その結果、CPAPの次善の策として、レーザー治療を選ばれることもあります。そのほか、肥満体型だと体内にも脂肪が同様につきやすく、それで気道が狭い場合があるので、食事指導も併用します。
- Qこちらでは、どのような治療を受けることができるのでしょうか。
-
A
▲日帰りのレーザー治療の経験が豊富な都筑院長
当院では軟口蓋形成術という日帰りのレーザー治療を行っています。診療ではわかりやすい説明を心がけており、最初に患者さんの喉の写真を撮って写真で切り取る部分をお示しし、「この部分の通りを良くするのだ」とご理解いただくようにしています。そして手術を行うとなったら、手術日を予約していただきます。手術当日は麻酔からのリカバリーも含め、2時間半ほどで終わります。その後は、1~2回、経過のチェックで通っていただきます。