難聴は認知症の危険因子
入念な検査で診断、適切な治療につなげる
コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京
(千代田区/日比谷駅)
最終更新日:2024/10/15
- 自由診療
テレビの音が大きい、聞き返しが多いといったきっかけで、家族から指摘されることも多い難聴。自分はまだまだ聞こえると思っていても、「周りが迷惑していると感じたら受診してください」と注意を呼びかけるのが、「コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京」の都筑俊寛(つづく・としひろ)院長だ。フランス国立神経科学研究所で研究に携わってきた都筑院長は、神経からのアプローチで難聴を改善したいと考えている。同院の難聴に対する取り組みについて話を聞いた。
(取材日2024年9月21日)
目次
年齢とともに目だけではなく耳も衰える。認知症予防のためにも難聴は早めに対策を
- Q難聴の原因にはどんなものがありますか?
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A
例えば、目が老眼になるように、耳も年齢とともに聞こえにくくなります。音を感知する神経細胞が加齢によってダメージを受け、音の情報を脳にうまく伝えられなくなるからです。聴覚の低下は40代のうちにすでに高音域から始まっていますが、初期はほとんど自覚もありません。それでも、75歳以上では約半数が難聴に悩んでいるというデータもあります。また、突然に聞こえが悪くなる突発性難聴、メニエール病から来る難聴があります。いずれも大人に多く見られる難聴で、子どもの難聴とは異なる点に注意してください。
- Q子どもの難聴は大人とどう違いますか?
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A
子どもの場合、まず先天的に見られる新生児難聴があります。幼稚園から小学校低学年にかけては、滲出性中耳炎による難聴も少なくありません。滲出性中耳炎とは耳の奥に液体がたまる病気ですが、痛みを伴わないことも多く、難聴を認めるようになってようやく気づくというケースもあります。放置したままでいると、鼓膜切開術などの手術で液体を抜かなければいけなくなることもあり、子どもにとっては大きな負担でしょう。鼻詰まりが原因になることもあるので、アレルギー性鼻炎や花粉症のお子さんは特に注意してあげてください。
- Q難聴の検査はどのように行うのでしょうか。
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A
一般的には聴力検査室で聴力検査を行います。耳鼻咽喉科の一角に設けられたボックスの中に入り、ヘッドホンを装着して、音が聞こえたタイミングでボタンを押す検査を受けたことがある人もいるのではないでしょうか。ただ、この検査は耳鳴りが続いている時などは正しい検査結果を得られません。難しいケースに対応するためにも、保険適応外になりますが、当院ではDPOAE(歪成分耳音響放射検査)、ASSR(聴性定常反応検査)も併用しています。DPOAEは2つの異なる周波数の音で刺激した時、耳がどう反応するかを調べる検査です。一方、ASSRは聞こえの神経を活性化して活動しているか脳波測定を行います。
- Qこちらでは、なぜ詳しい検査にこだわっているのでしょうか。
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A
詳細な検査を重視するのは、耳の中のどの部位の機能が衰えているかを正確に知る必要があるからです。また、治療によってどのくらい回復が見込めるか、経過を知るためにもこれらの検査は欠かせません。突発性難聴を何年も放置していて、もう改善できないのではと諦めている方も、一度相談していただければと思っています。また、当院では老人性感音難聴に関する診療などにも取り組んでいます。現在、老化に伴い聞こえの神経が衰えている難聴については、再生医療の分野で研究が進んでいます。補聴器の煩わしさから一人でも多くの方を救うことにもつながれば、長年難聴の診療に取り組んできた医師として喜ばしいことです。
自由診療費用の目安
自由診療とは難聴の検査(聴力検査、ASSR、DPOAE)/3万3000円