武島 知志 院長の独自取材記事
たけしま眼科
(御所市/近鉄御所駅)
最終更新日:2026/06/01
JR和歌山線・御所駅から徒歩5分。駅近でありながら豊かな自然も感じられる穏やかな環境の中に「たけしま眼科」はある。院内に入ると、白と木目を基調にした落ち着いた待合室が広がり、大きな窓からは明るい光が差し込む。院長の武島知志先生は、総合病院での豊富な経験を経て、より患者に近い立場で医療に関わりたいという思いから、2023年に同院を開業した。先進の検査機器を活用しながら、患者一人ひとりの声に耳を傾け、悩みや不安に寄り添う診療を大切にしている。誠実な人柄と穏やかな語り口が印象的な武島院長に、開業までの経緯や診療にかける思いなどを聞いた。
(取材日2026年3月23日)
縁に導かれて、地域の目の健康を支える存在に
この地で開業された理由を教えてください。

私の出身地は富山県高岡市で、もともとこの地域に特別ゆかりがあったわけではありません。しかし、総合病院で長く勤務する中で、より患者さんに近い目線で地域医療に関わりたいという思いが強くなり、開業を意識するようになりました。そうした経緯から、本院の理事長とお話しする機会があり、この地域では眼科医療が十分に行き届いていない現状があると伺い、自分が貢献できるのではないかと考えたのが始まりです。また、高岡には著名な歌人とゆかりのある地があり、その歌人が奈良から富山に移り住んだ歴史があります。私はその逆の流れでこの地に来ていることに、ご縁のようなものを感じました。さらに、周囲を山に囲まれた風景や穏やかな空気感も故郷と似ており、初めて訪れたにもかかわらず懐かしさや親しみを覚えました。こうしたいくつかの重なりから、この地で開業することを決意しました。
開業前と現在で地域の印象に変化はありましたか?
開業前は、関西という土地に対して、どこか独特で少し厳しい雰囲気があるのではないかという先入観があり、正直なところ少し身構えていた部分もありました。しかし、実際に診療を始めてみると、その印象は大きく変わりました。地域の方々はとても温かくて優しい方が多く、患者さんだけでなくスタッフの皆さんにも日々支えていただいていると感じています。困っていると自然に声をかけてくださる方も多く、人との距離の近さや思いやりの深さにふれる機会が多いと感じています。今ではこの土地で診療できていることに安心感を覚えるとともに、大きなやりがいを感じながら日々の診療に向き合っています。
どのような患者さんが多く来院されていますか?

ご高齢の方が比較的多く、白内障や緑内障といった加齢に伴う症状についてのご相談が中心となっています。一方で、お子さんや若い世代など幅広い年代の方も来院されており、症状も多岐にわたります。「見えにくい」「かすむ」「ピントが合いにくい」といった見え方に関するお悩みの他、目のかゆみや乾き、異物感、痛みなど、日常生活の中で感じるさまざまな違和感をきっかけに受診される方も多くいらっしゃいます。特に季節によっては、花粉などのアレルギーによるかゆみや充血といった症状で受診される方が増える印象です。また、生後間もないお子さんの目やにが気になるといったご相談で保護者の方が来院されるなど、ご家族単位で診察するケースもあります。そうした中で、地域全体に関わる医療を担っている実感がありますね。
充実した検査体制と受診しやすい環境づくりを重視
日々の診療で大切にしていることは何ですか?

目は生活の質に直結する大切な器官なので、小さな変化でも不安を感じやすい部位だと思います。そのため、症状そのものだけでなく、患者さんがどのような場面で困っているのか、どのような不安を抱えて来院されているのかといった背景にも目を向けながら、丁寧にお話を伺うことを心がけています。また、患者さん一人ひとりに合わせた伝え方も大切にしています。例えば、ご高齢の方にはできるだけわかりやすくシンプルな言葉ではっきりとお伝えすることや、声の大きさや話すスピードにも配慮しています。診察や検査の結果についても、納得してお帰りいただけるよう丁寧に説明し、不安な気持ちを少しでも軽くできるよう努めるなど、安心して通っていただける診療を大切にしています。
検査機器も充実していますね。医院の特徴や体制について教えてください。
先進の検査機器を整えて、できるだけ患者さんの負担を軽減しながら、より精度の高い診断ができるよう努めています。例えば、光の干渉を利用して網膜の血管をより精密に撮影できる機器を導入しており、短時間で広い範囲を撮影することが可能です。薬剤で瞳孔を開く必要もないため、検査後の見えにくさや日常生活への影響を抑えられ、患者さんの負担を減らすことにもつながっています。また、視力矯正に関しては1級眼鏡作製技能士が在籍しており、検査結果をもとに一人ひとりに合った眼鏡のご提案まで院内で対応できる体制を整えています。その他、通院が難しい方に向けた送迎の対応や院内でお薬をお渡しできる体制など、できるだけスムーズに受診していただける環境づくりにも取り組んでいます。また、手術後にはリラックスして安静いただけるお部屋、リカバリー室もあります。
最近、患者さんの訴えで気になる傾向はありますか?

特定の病気が増えているというよりも、ライフスタイルの変化に伴う目の不調を訴える方が増えている印象があります。特にスマートフォンやタブレットの使用時間が長くなったことで、目の疲れや乾き、ピントが合いにくいといったご相談は増えています。長時間手元を見続けることでまばたきの回数が減り、目に負担がかかりやすくなることも一因と考えられます。また、お子さんについても動画視聴やゲームの時間が長くなることで、視力への影響が気になるケースが見られます。さらに近年では、近視と日照時間の関係について指摘されており、外で過ごす時間が少ないことも一つの要因とされています。このように、生活の利便性が高まる一方で、目への負担が増していると感じています。
原点を忘れず地域に寄り添う医療をめざして
先生が医師を志したきっかけを教えてください。

実家は兼業農家で、もともと医師家系ではありません。そんな私が医師をめざしたきっかけは、中学生の頃に母が病気を患ったことでした。治療を通して支えてくださった先生の存在が強く印象に残り、自分も医療に関わる仕事に就きたいと考えるようになりました。その後、医学部に進み、学生時代や初期研修の期間にさまざまな分野を経験する中で眼科を選びました。眼科は内科的な治療から外科的な治療まで一貫して関わることができる分野であり、人間の感覚に直接関わる領域にアプローチできるという点も、他の診療科にはない魅力だと感じています。私たちにとって「見える」ことは生活の中で重要な役割を果たしており、患者さんに喜んでいただくために、見え方の改善を図る治療ができることも、この分野を選んだ理由の一つです。
お忙しい毎日かと思いますが、リフレッシュ法などはありますか?
特別なことをしているわけではありませんが、最近はサウナに行くことがリフレッシュになっています。もともとはあまり興味がなかったのですが、ドラマをきっかけに通うようになり、今ではすっかり習慣になりました。サウナに入っていると、余計なことを考えずに自分の感覚に集中できる時間があり、気持ちをリセットすることができます。また、健康管理の一環として運動も意識して取り入れており、ランニングや筋力トレーニングを行うようにしています。日常生活では、寝る前にスマートフォンを触らないようにするなど、睡眠の質を意識した工夫も心がけています。無理のない範囲で、心と体を整える時間を大切にしています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

患者さんあってこそのクリニックであるという意識を大切にしながら、地域の方々の期待に応えられる存在でありたいです。開院から少しずつ地域の皆さんに認知していただき、「近くにできてよかった」と、声をかけていただくこともあり、その言葉に支えられていると感じています。そうした期待を裏切らないよう、不安な気持ちを抱えて来院される患者さんに対して、安心していただける場所であり続けたいと思っています。目の症状は小さな違和感であっても、実際に調べてみると治療が必要なケースもありますので、気になることがあれば無理に我慢せず、気軽にご相談いただければうれしいです。一人ひとりの状態に応じて、わかりやすい説明と適切な医療を提供できるよう、これからも努めていきたいと考えています。

