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安齋 祐子 院長の独自取材記事

出町柳こどもクリニック

(京都市上京区/出町柳駅)

最終更新日:2023/10/12

安齋祐子院長 出町柳こどもクリニック main

京阪本線・叡電の出町柳駅から歩いて6分。河原町今出川交差点を150mほど下ったビルの3階という好立地に、2023年10月にオープンした「出町柳こどもクリニック」は、幅広い知識で対応する小児科・アレルギー科のクリニックだ。院長を務める安齋祐子先生は、20年以上の経験を持つベテラン小児科医であり、日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格も取得している。食物アレルギーやアトピー性皮膚炎といった症状などに高い専門性を発揮し、患者である子どもだけでなく保護者の心理面でのサポートにも力を注ぐ。そんな安齋先生が新しいクリニックに込めた思いや診療の際の心がけなど、今後の抱負を含めてじっくりと話を聞いた。

(取材日2023年9月11日)

小児診療で大切なのは、子どもに誠実に向き合うこと

開業に際してこだわったポイントはありますか?

安齋祐子院長 出町柳こどもクリニック1

やはり対象がお子さんですから、とにかく楽しい雰囲気というのは意識しました。待合室も診療室も広めに取って、明るく開放的なスペースにしています。それにプラスしてこだわったのは、ママさんたちに心地良いと思ってもらえるような女性らしい空間づくりですね。花束をモチーフにしたロゴマークをはじめ、看板やナチュラルなインテリアも、私としては人生最大級にフェミニンなイメージを表現しています(笑)。ジェンダーフリーの概念とは逆行するかもしれませんが、女性の医師がいいという方も結構おられますので、それならいっそ強調してみようと思ったわけです。どんなことでも気軽に相談に来てほしいという、おもてなしの気持ちとお考えください。

開業までの経緯を教えてください。

私は自治医科大学を卒業後、大学附属病院や関連病院で小児の入院や外来を担当し、さらに東京、千葉、中国の上海などのクリニックでも研鑽を積んでいました。当医療法人の理事長から「ここにクリニックを出してみないか」とお話をいただいたのが2年前のことです。当時は関東で再就職が決まっていたのでお断りしたのですが、個人的な理由から関西に戻る必要に迫られ、仕事はどうしようということになって「あの時の話はまだ生きているよ」と再度お声がけをいただきました。そこから急きょ、開業に向けた慌ただしい日々が続きましたが、そうまでして私を支援してくださった法人には今も心から感謝しています。私は子どもが大好きで、こういうクリニック系の仕事が一番向いていると思います。それが実現したのは本当に幸せなことですね。

病院が苦手な子どもが多いと思います。診療の際に先生が心がけていることを教えてください。

安齋祐子院長 出町柳こどもクリニック2

子どもだからと適当にあやしたりごまかしたりせず、一人前として対等に接してあげることですね。赤ちゃん言葉もなるべく使いません。それは私が長年の小児診療で得た結論です。1歳児であっても怖くないことを全身で表現すれば必ず伝わりますし、3歳くらいになれば「こういう理由でこういうことするよ」と、さらにしっかりと説明してあげます。あと、絶対にうそをついてはいけません。痛いのに痛くないとか、何も言わずに痛いことをするとかはもってのほかですね。患者さんの人権を尊重し、不安や侵襲をなるべく最小に抑えることは医師の努めです。そこは大人の患者さんの場合と何ら変わりません。まずは地道に一人ひとりに対して誠実に丁寧に。そこから始めていきたいと思います。

「これはアレルギー?」と悩む親に何らかの答えを

先生はアレルギー領域がご専門だそうですね。

安齋祐子院長 出町柳こどもクリニック3

はい。アレルギー専門医の資格を取得してからは食物アレルギーをメインに、アレルギー性鼻炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎といった小児のアレルギー症状に専門家として検査や治療、アドバイスなどを行います。世の中にはきちんと診断がついている子だけでなく、なんとなくアトピー性皮膚炎、なんとなく気管支喘息のような症状があって、本当にそうでしょうかと相談に来られる親御さんが増えています。大切なのは、グレーのまま放置せず、適切な治療や生活につなげていくこと。どのような疾患にも診断基準やガイドラインがありますから、私もそれに照らし合わせながら丁寧にご説明し、必ず何らかの答えを出すよう心がけます。

アレルギーをご専門に選ばれたきっかけはありますか?

お子さんの食物アレルギーの相談を受けた際、きちんと答えられなかったことがアレルギーを勉強したいと思ったきっかけです。現代はアレルギーの子が大勢いて、同時に生き方の多様化も進んでいます。単にアレルギーと診断するだけでなく、そこから先の生活を包括的にフォローしてあげたいと考えたんですね。アレルギーには治療できるものも治療できないものもありますが、治療できないなら治療できないなりに症状と付き合っていく方法を教えてあげなくてはなりません。それでアレルギー専門の資格を取りました。

貴院のアレルギー診療の特徴を教えてください。

安齋祐子院長 出町柳こどもクリニック4

当院の下の階には同じ法人の「耳鼻咽喉科・内科いぐちクリニック」がありますから、当院で検査をした上でそちらで鼻を診てもらうなど、アレルギー性鼻炎に関して互いに連携できることは強みの一つでしょう。また、当院は5歳以上のお子さんで検査可能な、血液1滴から41種類のアレルギー検査結果がわかる検査機器を導入しております。指先を小さな針をチクッと刺して、血液採取量はたったの約1滴で検査が可能です。注射針を使わずに、お子さんの負担が少なく検査ができ、従来よりも結果がわかるのも早いため、不安な親御さんにも安心していただけるのではないかと思います。そのほかには、食物アレルギーの相談や診断を行うことはもちろん、アレルギーがあっても将来的にアレルギーを克服するために、どうしたらいいかをきちんとお答えします。そのための経口負荷試験も院内で行えるようにしたいと思っておりますので、今後に期待していてください。

親と子の悩みの窓口に。なんでも相談できる小児科へ

お子さんのワクチン接種や予防接種にも対応していますね。

安齋祐子院長 出町柳こどもクリニック5

私は予防接種を推奨する一人として、予防接種についてはかなり勉強を重ね、なるべく痛くない、泣かさないということに最大限の注意を払っています。針の深さや腕の押さえ方などを一生懸命に研究した結果、これなら泣かないというポイントを自分なりに会得したつもりです。子どもの気をそらすための話題も年齢によって変え、小さいお子さんの場合は人気キャラクターのおもちゃを見せて、注意が向いた瞬間にさっと打つと気づかれにくいですね。さすがに4本同時接種になると後半はお母さんまで悲痛な表情になってきて厳しいですが、1本だけなら泣かせない自信がありますので、どうか安心してお任せください。

そのほか、クリニックでの取り組みについて教えてください。

今の小児科は「脱・薬」の時代ですから、当院では少しずつ漢方薬を取り入れながら治療や改善をめざします。また、小児科ですから全身を診るのは当たり前。困ったことがあれば「とりあえず何でも安齋に聞いてみて」というのが最近の私のキャッチフレーズです。足が痛い、目が赤い、鼻血が出たなど、もし内科の病気でなければ専門の先生を紹介できますから、何科に行けばいいかと悩むようであれば、とりあえずここへ来ていただくのが早道です。あと、アレルギーとともに気になるのが不登校などいわゆる心身症の子どもが増えていること。そして対応する専門家が少ないことです。私の力の及ぶ範囲でアドバイスできることがあるかもしれませんので、もし悩まれているなら遠慮なくご相談ください。

最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。

安齋祐子院長 出町柳こどもクリニック6

子どもの診療は何年やっていても飽きることがなく、予想外の動きや言葉に思わず吹き出してしまうことが一日に何度もあります。自分の子だとそのうち大人になってしまいますが、いつも子どもたちの中にいられることは私にとって何よりの幸せです。今、世の中は核家族化も進み、お母さん一人で子育てされているご家庭も増えているようです。ママ友達同士では、どうしても「うちの子は」みたいな話で終わってしまうでしょう。お子さんの病気や症状はもちろんですが、もし行き詰まってしまったら一人で抱え込まず、お母さんご自身の相談でお越しいただいても構いません。お子さんにとって親御さんが最後の砦。お母さんをお救いするのも小児科医の仕事です。いつでも何でも相談できる、そんなクリニックをスタッフ一同でめざしていきたいと思います。

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