臼井 佳恵 院長の独自取材記事
西新宿 皮ふのクリニック
(新宿区/西新宿五丁目駅)
最終更新日:2025/07/31
都営大江戸線・西新宿五丁目駅より徒歩4分。十二社通り沿いのオフィスビル2階に位置する「西新宿 皮ふのクリニック」は、2023年8月に開業。アトピー性皮膚炎やかぶれ・水虫・じんましんなどの一般皮膚科から、しみ・しわなどの美容皮膚科まで幅広く診療している。院長の臼井佳恵(うすい・かえ)先生は、日本皮膚科学会皮膚科専門医。大学病院や総合病院などでの診療経験を生かし、肌状態を確認するための機器を用いながら治療の経過を丁寧に説明することで患者が納得のいく治療やケアを心がけているという。「皮膚科や美容皮膚科には来院ハードルの高いイメージがあるかもしれませんが、誰でも気軽に受診していただけるクリニックでありたいです」と話す臼井院長に、開業から1年たった現在の患者層や診療の特徴などを聞いた。
(取材日2024年10月18日)
幅広い肌の悩みに皮膚科と美容皮膚科の両面から対応
開業から1年たちましたが、現在どのような患者さんがいらっしゃっていますか?

2023年8月の開業からありがたいことに患者さんが増え、新生児からご年配の方まで本当に幅広く来ていただいています。診療時間が17時30分までのため、若い方たちは受診しにくいかと思っていたのですが、今は在宅でお仕事をされている方が多いようで、20、30代の若い世代も多いです。診療内容としては、アトピー性皮膚炎・湿疹・じんましん、かぶれなどのアレルギーによる症状、とびひや水虫のような感染症、ほくろやイボなど皮膚疾患全般に対応しています。特に若い方はニキビに悩まれて来る方が多いですね。美容皮膚科は、どちらかというと年配の方が多い印象です。美容皮膚科だけのクリニックは入りにくいと思っている方や男性の方、ある程度年齢を重ね、しみや肝斑に悩まれている方も、皮膚科が標榜されていることで受診しやすいようです。
相談しやすい雰囲気も御院の魅力ですね。
開業から1年、大変でしたがスタッフの支えもあり、無事に診療を行うことができました。とても優秀なスタッフたちで、私が患者さんに伝え漏れていたことがあってもしっかりフォローしてくれます。費用のことなども含め、不明点があったときは、スタッフにも気軽に聞いてください。院内の内装のイメージから初診のご高齢の方には、美容のみのクリニックだと思う方もいるようなのですが、皮膚科の保険診療を基本としていますので安心して来ていただきたいです。その中で保険診療ではカバーできない部分は、自費診療をご提案させていただくこともあります。例えば、「首のイボを取りたいが、美容専門のクリニックには行きづらい」というような男性の患者さんにもぜひ来ていただきたいです。保険での治療はもちろん、美容面からもアプローチすることで、皮膚のお悩みを少しでも軽くできる診療をお届けできればうれしいですね。
開業までのご経歴を教えてください。

東京医科大学を卒業後、同大学皮膚科学分野教室に入局し、同大学病院で研鑽を積みました。その後、総合病院や東京都内の皮膚科クリニック、美容皮膚科クリニックを経て、学生時代からなじみのある西新宿に開業しました。開業を決意したのは、保険診療を中心にしながらも、保険診療ではカバーできない皮膚治療や美容皮膚科にも対応できるクリニックをつくりたかったからです。しみやしわが気になるというお悩みに応えるには、保険診療だけでは限界があると思います。保険診療の縛りがある、自費診療の医療機器が入っていないといった理由から患者さんのニーズに応えられず、申し訳なく思うこともありました。このような経験から、当院では皮膚科の医師として私自身が納得できる、そして患者さんにも納得していただける治療をご提案・ご提供していきたいと考えています。
皮膚症状に悩む患者の気持ちに寄り添った診療を
ニキビで受診する患者さんも多いそうですね。

ニキビは内服薬・外用薬などの保険診療でも改善が望めますが、重症度やニキビの種類によってはなかなか良くならない、いったん改善したように見えても繰り返してしまうなど治療がうまくいかないこともあります。当院ではこうしたケースも踏まえてニキビに対応し、患者さんのお悩みに寄り添っていきたいと思っています。ニキビなどが原因で、患者さんがコンプレックスを抱えてしまうことも少なくありませんから、些細な肌トラブルでもきちんと診断し、患者さんのお話をお聞きした上で、ライフスタイルなどに応じた適切な治療をご提案しています。
ニキビなど皮膚の病気は人目につきやすいので、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
そう思います。私自身もアトピー性皮膚炎に悩んだ経験がありますので、患者さんの気持ちはよくわかります。私の場合は思春期に症状がひどくて、外出を控えてしまったり、皮膚科の先生から「治らない病気だから仕方がない」と言われて傷ついたりしました。ですから、特に10代、20代の若い患者さんには治療のことだけでなく、日常生活で困っていることもお聞きするなど、できるだけ気持ちに寄り添えるよう努めています。また、アトピー性皮膚炎は難治性の方向けに生物学的製剤である注射薬が登場するなど治療の選択肢が広がっており、当院でも処置が可能です。ニキビに関しても、私が医師になった当時にはなかったお薬がたくさん登場しました。古い治療にとらわれず常に知識・情報をアップデートして、患者さんとともに前進していけるようこれからも研鑽を積んでいきたいと思っています。
その他、診療面でのこだわりがあれば教えてください。

しみやしわなどにも対応していますのでさまざまな美容医療機器を導入していますが、特にこだわっているのは、患者さんが納得した施術を進めていくことです。そこで、肌状態を確認するために、先進の肌画像カウンセリングシステムを使用し、肉眼では見えにくい薄いしみや肝斑、隠れたしみなどをカラー写真・UV写真・赤み写真でチェックできます。当院では施術の前後に機器で患部を撮影し、ケアの経過を客観的に見られるようにしています。患者さんと一緒に経過を確認していくことで、納得感や満足感を得られるように心がけています。また、化粧室とは別に、メイクを落とすためのクレンジングルームと、メイク直しのためのパウダールームも備えました。メイクを落とした後に他の患者さんと一緒にならないようにプライベートな空間を確保するなど、快適に過ごしていただける工夫もしています。
患者がより良く年を重ねていけるようサポートしたい
診療の際、心がけていることを教えてください。

わかりやすく、患者さんが納得できる説明を心がけています。中には複数の施設で美容施術を受けた後に当院を受診される患者さんもおられます。施術を始めるにあたっては、なぜこの施術をお勧めするのか、施術中は、今はどういう状態で、この後どのような経過をたどるのかなど、肌状態を確認するための機器の画像なども活用しながら時間の許す範囲でしっかりとご説明します。また、主訴だけでなく、肌に関するさまざまなお悩みに対応できるよう、診察の最後に「他に困っていることはありませんか?」と必ず声をかけるようにしています。
診療でお忙しいかと思いますが、診察後や休日はどのように過ごしていますか?
小学生と中学生の娘がいるので、子どもと遊んだり、習い事に付き合ったりすることが多いですね。平日はどうしても仕事に時間を取られてしまうので、休日は子どもたちとの時間を大切にしています。ミュージカルを見に行くことも好きなのですが、自分の趣味の時間を持つのはもう少し子育てが落ち着いてからになりそうです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

皮膚の症状を改善するためには、処方された内服薬や外用薬をきちんと使用することが大切です。特に外用薬は塗るのが手間ですし、手も汚れるので大変だとは思いますが、毎日塗っていただかないことには結果は期待できません。初めてお薬を処方する際には正しい塗り方を指導し、使用量や塗り方がわからなくなった場合には再度お伝えいたしますので、遠慮なくご相談ください。皮膚科は赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年齢の患者さんを診察する数少ない診療科であり、そこにやりがいを感じています。皮膚の調子が良ければ、気持ちも明るく前向きになれると思います。皮膚の病気はもちろんエイジングケアも含めて、皆さんがより良く年を重ねていけるようお手伝いできればうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはしみケア/3mm以下:4400円、しわケア/眉間・目尻:それぞれ2万8000円
※費用の詳細はクリニックへお問い合わせください。

