臼井 佳恵 院長の独自取材記事
西新宿 皮ふのクリニック
(新宿区/西新宿五丁目駅)
最終更新日:2023/10/10

都営大江戸線・西新宿五丁目駅より徒歩4分。十二社通り沿いのオフィスビル2階に位置する「西新宿 皮ふのクリニック」は、2023年8月に開業。アトピー性皮膚炎やかぶれ・水虫・じんましんなどの一般皮膚科から、しみ・しわ・ニキビ痕などの美容皮膚科まで幅広く診療している。院長の臼井佳恵(うすい・かえ)先生は、日本皮膚科学会皮膚科専門医。大学病院や総合病院などでの診療経験を生かし、肌状態を確認するための機器など先進の機器を用いながら治療の経過を丁寧に説明することで患者が納得のいく治療を心がけているという。「皮膚科や美容皮膚科には敷居の高いイメージがあるかもしれませんが、誰でも気軽に受診していただけるクリニックでありたいと思っています」と話す臼井院長に、開業の経緯や診療の特徴などを聞いた。
(取材日2023年9月4日)
幅広い肌の悩みに皮膚科と美容皮膚科の両面から対応
開業されたばかりだそうですね。

はい。東京医科大学を卒業後、同大学皮膚科学分野教室に入局し、同大学病院で研鑽を積みました。その後、総合病院や東京都内の皮膚科クリニック、美容皮膚科クリニックを経て、2023年8月に開業しました。開業を決意したのは、保険診療を中心にしながらも、保険診療ではカバーできない皮膚治療や美容皮膚診療にも対応できるクリニックをつくりたかったからです。例えば、しみやしわが気になるというお悩みに応えるには、保険診療だけでは限界があると思います。保険診療の縛りがある、自費診療の医療機器が入っていないといった理由から患者さまのニーズに応えられず、申し訳なく思うこともありました。このような経験から、皮膚科の医師として私自身が納得できる、そして患者さまにも納得していただける治療をご提案・ご提供できればと思い、当院を立ち上げました。
西新宿で開業されたのはなぜですか?
西新宿は母校の東京医科大学があり、学生時代からなじみのある大好きなエリアなんです。超高層ビル街のイメージが強い西新宿ですが実は古い町で、学生時代と比べれば随分変わりましたが、それでも当院のある西新宿5丁目辺りはまだ昔懐かしい町並みや住宅街が残っています。当院の入っているビルは、もともと長くこの場所で診療されていた内科・小児科医院の跡地に建てられました。医院が閉院されたことも知っていて、どうなるのかなと思っていたら新たにメディカルビルが建ち、開業物件を探してもらっていた業者さんに自ら伺い、紹介していただきました。「絶対にここで開業したい!」と思いました。まさにご縁があって大好きなエリアで地域医療に貢献できることをとてもうれしく思っています。
診療内容を教えてください。また、どのような患者さんが来院されていますか?

アトピー性皮膚炎・湿疹・じんましん、かぶれなどのアレルギーによる症状から、とびひや水虫のような感染症、ほくろやイボなど皮膚疾患全般に小児からご高齢の方まで幅広く診療しています。また、しみやしわなど、美容面でのお悩みにも対応しています。まだ開業して1ヵ月ほどですが、患者さまの年齢層は赤ちゃんからご高齢の方まで幅広く、男性も多いです。先日はご高齢の男性が「首のイボを取りたいが、美容専門のクリニックには行きづらいので」ということで来院してくださいました。治療はもちろん美容面からもアプローチすることで、患者さまの皮膚のお悩みを少しでも軽くできる診療をお届けできればうれしいですね。
皮膚症状に悩む患者の気持ちに寄り添った診療を
一般皮膚科と美容皮膚科、両方に対応できるメリットは何でしょうか。

わかりやすいのはニキビ治療だと思います。ニキビは内服薬・外用薬などの保険診療でも改善が望めますが、重症度やニキビの種類によってはなかなか良くならない、いったん改善したように見えても繰り返してしまうなど治療がうまくいかないこともあります。そのようなときに自費診療の選択肢があれば、難治性のニキビやニキビ痕にも対応が可能です。当院では、内服やIPL、炭酸ガスレーザーなどの自費診療にも対応しています。もちろん、自費診療を無理に勧めることはありません。きちんと診断し、患者さまのお話をお聞きした上で、ライフスタイルやご予算に応じた適切な治療をご提案いたします。
ニキビなど皮膚の病気は人目につきやすいので、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
そう思います。私自身もアトピー性皮膚炎に悩んだ経験がありますので、患者さまの気持ちはよくわかります。私の場合は思春期に症状がひどくて、外出を控えてしまったり、皮膚科の先生から「治らない病気だから仕方がない」といわれて傷ついたりしました。ですから、特に10代、20代の若い患者さまには治療のことだけでなく、日常生活で困っていることもお聞きするなど、できるだけ気持ちに寄り添えるよう努めています。また、アトピー性皮膚炎には生物学的製剤である注射薬が発売されたりと、治療の選択肢が広がっています。ニキビに関しても、私が医師になった当時にはなかったお薬がたくさん使えるようになっています。古い治療にとらわれず常に知識・情報をアップデートして、患者さまとともに前進していけるようこれからも研鑽を積んでいきたいと思っています。
その他、診療面でのこだわりがあれば教えてください。

しみやしわなどにも対応していますのでさまざまな美容医療機器を導入していますが、特にこだわっているのは、患者さまが納得した治療を進めていくことです。そこで、肌状態を確認するための機器を導入しております。肌状態を見える化する先進の肌画像カウンセリングシステムで、肉眼では見えにくい薄いしみや肝斑、隠れたしみなどをカラー写真・UV写真・赤み写真で確認できます。当院では施術の前後に機器で患部を撮影し、治療の経過を客観的に診れるようにしています。患者さまと一緒に経過を確認していくことで、納得感や満足感を得られる治療を心がけています。また、化粧室とは別に、メイクを落とすためのクレンジングルームと、メイク直しのためのパウダールームも備えています。メイクを落とした後に他の患者さまと一緒にならないよう、処置室の前に椅子を用意してプライベートな空間を確保するなど、快適に過ごしていただけるように工夫しています。
患者がより良く年を重ねていけるようサポートしたい
診療の際、心がけていることを教えてください。

わかりやすく、患者さまが納得できる説明を心がけています。中には複数の施設で美容施術を受けた後に当院を受診される患者さまもおられます。治療を始めるにあたっては、なぜこの治療をお勧めするのか、治療中は、今はどういう状態で、この後どのような経過をたどるのかなど、肌状態を確認するための機器の画像なども活用しながら時間の許す範囲でしっかりとご説明しています。また、主訴だけでなく、肌に関するさまざまなお悩みに対応できるよう、診察の最後に「他に困っていることはありませんか?」と必ず声をかけています。
診療でお忙しいかと思いますが、診察後や休日はどのように過ごしていますか?
小学生と中学生の娘がいるので、子どもと遊んだり、習い事に付き合ったりすることが多いですね。平日はどうしても仕事に時間を取られてしまうので、休日は子どもたちとの時間を大切にしています。
先生ご自身が肌の健康のために気をつけていることはありますか?
特別なことはしていないのですが、なるべく日焼けをしないように気をつけています。子どもと外遊びすることも多いので、紫外線を浴びてしまうこともよくあるのですが、日焼け止めを塗るなり、サングラスや帽子、日傘でガードするなりして将来の肌のためにも対策しています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

皮膚の症状を改善するためには、処方された内服薬や外用薬をきちんと使用することが大切です。特に外用薬は塗るのが手間ですし、手も汚れるので大変だとは思いますが、毎日塗っていただかないことには結果は期待できません。初めてお薬を処方する際には正しい塗り方を指導し、使用量や塗り方がわからなくなった場合には再度お伝えいたしますので、遠慮なくご相談ください。皮膚科は赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年齢の患者さまを診察する数少ない診療科であり、そこにやりがいを感じています。皮膚の調子が良ければ、気持ちも明るく前向きになれると思います。皮膚の病気はもちろんエイジングケアも含めて、皆さまがより良く年を重ねていけるようお手伝いできればうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはしみケア/3mm以下:4400円、しわケア/眉間・目尻:それぞれ2万8000円
※費用の詳細はクリニックへお問い合わせください。