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長島 加代子 副院長の独自取材記事

福岡リハ西都クリニック スポーツ・整形外科

(福岡市西区/九大学研都市駅)

最終更新日:2023/12/27

長島加代子副院長 福岡リハ西都クリニック スポーツ・整形外科 main

西区の北原地区でリハビリテーションの拠点をめざす「福岡リハ西都クリニック スポーツ・整形外科」。学生を中心にスポーツに取り組む幅広い世代が通う同院で、一般診療とスポーツに励む女性を専門に診る外来を担当しているのが、長島加代子副院長だ。日本整形外科学会整形外科専門医で、スポーツ医学にも詳しい長島先生は、痛みの原因に根本からアプローチすることで、ケガの再発やスポーツ障害の予防をめざしている。さらに同じ女性の立場から月経痛や無月経をはじめとした女性特有の悩みを抱える患者に寄り添い、将来を見据えて必要な治療を提案。「無月経のリスクなどを啓発するなど、生涯健康にスポーツを続けられるようサポートしていきたい」と語る長島先生に、スポーツに励む女性に特化した外来の内容やめざす医療について話を聞いた。

(取材日2023年12月12日)

スポーツ医学の知識を生かし、患者を支える

はじめに、先生が医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

長島加代子副院長 福岡リハ西都クリニック スポーツ・整形外科1

外科医だった父の影響が大きいと思います。島で医師として働いていた父は、急患があるとすぐに駆けつけ、とても親身に患者さんと向き合っていました。そんな父の姿を小さな頃から見て育ち、人に感謝される素晴らしい仕事だと感じていました。整形外科の道を選んだのは、私自身10代からバレーボールなどスポーツに取り組んできたからです。学生時代には何度かケガを経験しましたし、ケガをしているにもかかわらずチームの事情で試合に出なければならない先輩たちもたくさん見てきました。そうした経験がきっかけで、スポーツに取り組む人たちを支え、少しでも症状や後遺症を抑えられるアドバイスができる存在になりたいと思うようになったんです。

これまでのご経歴について教えてください。

大学卒業後は久留米大学病院に入局し、派遣先の病院で一般の外傷や骨折の手術を担当していました。しばらくは高齢の患者さんの治療が中心で、仕事を覚えながらも根底にはやはり「スポーツに関わりたい」という強い思いがありました。そこで、スポーツ整形を専門とする先生のもとで勉強したり、九州で行われるスポーツの大会に医師として帯同したりしながら経験を積み、スポーツ整形の専門知識と経験を身につけました。そのほか、趣味が高じてヨガのインストラクターの資格も持っています。ヨガを通じて体の正しい使い方を学ぶことができましたし、インストラクターの資格を取得したことで、患者さんによりわかりやすい説明ができるようになりました。

現在はどのような患者さんが来られていますか?

長島加代子副院長 福岡リハ西都クリニック スポーツ・整形外科2

小学生のお子さんから上は90代の方まで、幅広い年齢の方がいらっしゃいます。当院はスポーツでのケガや障害の治療に力を入れていますので、部活動に打ち込む学生に加えて趣味でマラソンなどのスポーツを楽しむ中高年の方が多い印象です。中でも近くに九州大学があることから、学生の患者さんが多いように感じます。主訴については学生の場合、膝や腰、股関節、かかとなどの痛み、中高年の方は加齢による膝の痛みが中心です。当院では整形外科医とスポーツ医学に精通する医師が協力しながら、ケガをしにくい体づくりに取り組んでいます。また、高齢の方に関しては骨粗しょう症の検査や治療に力を入れています。

スポーツに励む女性のための外来。特有の悩みに対応

適切な治療計画はどのように決めているのでしょうか?

長島加代子副院長 福岡リハ西都クリニック スポーツ・整形外科3

整形外科に来る患者さんの中には、外科的処置を必要とせず薬や注射で痛みに対処されている方も多くいます。ですが痛みには必ず原因があり、その原因を解決しないことには症状が完全に消えることはありません。私の外来ではこうした痛みに蓋をするだけの治療ではなく、その原因を追究し、根本にアプローチすることで痛みを繰り返さない治療をめざしています。原因を調べるには一定の時間が必要になりますから、医師による診察と詳しい検査、そしてリハビリテーションを通してじっくりと探っていきます。遠回りに感じるかもしれませんが、結果的には一番の近道だと思っています。高齢の方でも「年だから仕方がない」と諦めずに、できるだけ痛みが出にくい方法を一緒に考えるようにしています。

スポーツに励む女性のための外来とはどのようなものなのでしょうか?

月経痛や無月経、股関節などのデリケートな部分の痛みといった女性特有の悩みに女性医師が対応する相談窓口のことです。関東では10年ほど前から設置が始まっていますが、全国的に女性の整形外科医が少ないことから、地方ではまだまだ珍しいと思います。しかし、こうした窓口を求める女性は非常に多く、当院にも少しずつですが患者さんがいらっしゃるようになりました。スポーツに励む女性からよく相談を受けるのが、疲労骨折です。陸上の長距離や新体操など痩せた体を求められる競技を行っている方に多く、生理が来ていない、または止まっているというケースも少なくありません。あとは月経痛の症状が重く、練習や大会に影響が出て困っているという、月経にまつわる相談も多くなっています。

具体的に、どのように治療を進めて行くのですか?

長島加代子副院長 福岡リハ西都クリニック スポーツ・整形外科4

疲労骨折と無月経の原因は、トレーニングに必要な食事の量や栄養が足りないため、エネルギー不足に陥り、生理に回すエネルギーも足りない、という悪循環に陥ってしまっているためです。月経に必要なエストロゲンが不足しているため骨の密度も下がり、骨折を繰り返しやすくなってしまいます。さらに、生理がないままでは将来的に骨粗しょう症のリスクが高まることがわかっています。まずは十分な食事と栄養を取って飢餓状態の改善を図り、当たり前に生理がくることをめざします。そして月経痛については、ドーピングの不安から痛み止めを我慢している女性もいるので「ドーピングにはならないので、痛い時には飲んでいいんだよ」と伝えます。低用量ピルで痛みを和らげることを図るのも一つの選択肢ですから、本人の希望を聞きながら婦人科との架け橋の役割を果たしていきます。

生涯を通じてスポーツを楽しめるよう、進化を続ける

こちらのクリニックは先進の設備もそろえていらっしゃいますね。

長島加代子副院長 福岡リハ西都クリニック スポーツ・整形外科5

適切な診断のためには、丁寧な診察に加えてMRIをはじめとした先進の機器による検査も欠かせません。さらに、そうした機器を扱うスタッフも「もっといい映像を」と常に向上心を持って臨んでくれていることが、質の高い診療につながっていると思います。このほか、足底腱膜炎への効果が期待できる体外衝撃波装置など、使える医療機器が多いということを心強く感じています。患者さんにとっても治療の幅が広がりますし、私たち医師もこうした機器の力を借りながら、柔軟に治療を提案していければと思っています。

診療の際、大切にしていることを教えてください。

患者さんに痛みの原因をきちんと理解してもらい、早期の改善のためにも理学療法士の力だけではなく、ストレッチなどの自主トレーニングに取り組んでもらえるよう促すことです。そして、しっかり休みを取るということ。患者さんの中にはドクターストップを出すと「休みたくない」と泣いてしまう方もいらっしゃるでしょう。なので、休息は遅れではなく、今までよりも良い体の使い方を身につけ、さらにパワーアップして戻っていくことだとお伝えするようにしています。当院にいらした方には自分の体について誰よりも理解してもらい、自分に合ったトレーニングでケガを予防しながら休む時には休む。そうやって賢くスポーツを続けていってもらいたいと願っています。

最後に、今後の展望と読者に向けてメッセージをお願いします。

長島加代子副院長 福岡リハ西都クリニック スポーツ・整形外科6

引き続き、薬や注射だけに頼るのではなく、丁寧な診察と一人ひとりに合わせたリハビリテーションで原因の根本的な治療をめざしていきたいと思います。今スポーツに取り組んでいる方には、ケガをしにくい体づくりで年を重ねてからもスポーツを楽しんでもらい、健康寿命の延伸につなげるのが目標です。地域の皆さんに「このクリニックができて良かった」と思ってもらえるよう、スタッフ全員で力を尽くして参ります。気になることがあればなんでも相談してくださいね。

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