岡野 良知 院長の独自取材記事
OKP with Life クリニック
(さいたま市北区/大宮駅)
最終更新日:2025/07/01

「あなたの人生に寄り添い、共に歩み続けるクリニック」をコンセプトに、さいたま市北区櫛引町で地域医療に貢献している「OKP with Life クリニック」。整形外科やリハビリテーション、内科を中心とした総合診療を行っており、子どもから高齢者まで何でも相談できる幅広さが特徴だ。通院困難な患者に対しては訪問診療や訪問リハビリテーションも行っている。岡野良知院長は埼玉医科大学を卒業後、母校や関連病院の整形外科で主に脊椎疾患の診療に携わってきた。医師になって以来ずっと「一人ひとりの患者さんに寄り添っていきたい」という思いを抱き続け、今、同院の院長としてその夢を実現しつつある。「患者さんには前向きに、笑顔になってほしい」と語る岡野院長に、地域医療への思いや院名の由来などを聞いた。
(取材日2025年5月30日)
患者の人生に寄り添い、ともに歩み続けるクリニック
はじめに、クリニックのコンセプトをお聞かせください。

当院のコンセプトは、「あなたの人生に寄り添い、共に歩み続けるクリニック」です。これは母体である医療法人社団鴻愛会の「共に生きる」という理念とも共通しており、全職員が同じ思いで診療に取り組んでいます。整形外科やリハビリテーション、内科を中心とした総合診療など、お困りの際に何でも相談できる診療の幅広さが特徴です。より専門的な診療が必要となった際は、リウマチ膠原病内科、糖尿病代謝内科、呼吸器内科などをそれぞれ専門とする医師が対応。入院を伴うような治療が必要と判断した際は、関連のこうのす共生病院に速やかにおつなぎできますし、法人内ですのでその後のフォローアップもスムーズです。また外来の他に、関連の介護施設やサービスつき高齢者向け住宅をご利用の方や、当院に通われていたけれど通院困難になった方に対して、訪問診療や訪問リハビリテーションも行っています。
法人全体で連携して地域医療に取り組まれているのですね。
はい。当院の所属する鴻愛会は2001年にこうのす共生病院を開設し、当院を含めた法人全体で鴻巣市や上尾市を中心に医療・介護サービスを展開するなど、県内の高齢化に伴う福祉介護ニーズに応えてきました。当院はさいたま市北区エリアの皆さんの人生に寄り添えるよう、グループ連携によるメリットを生かしながら日々チャレンジし続けています。大宮に近い場所でありながら、この櫛引町には穏やかな空気が流れていますね。お子さんの急な発熱や、部活でケガをした高校生、生活習慣病が気になる働き世代、内科も整形外科もとお悩みの増えたご高齢の方など、患者層は幅広いです。予約制とはいえどうしても待ち時間が生じてしまうのですが、少しでも快適にお過ごしいただけるよう、待合室はゆったりとしたカフェのような雰囲気にしました。また「お子さんも楽しめるように」とスタッフが本や折り紙を用意していますので、ぜひご家族で楽しんでいってください。
先生は長く埼玉の医療に貢献されてきたと伺いました。

私は埼玉医科大学を卒業後、母校や関連病院の整形外科で主に脊椎疾患の診療に携わり、こうのす共生病院に移ってからは副院長として診療を行ってきました。出身は岩手県ですが、もう埼玉での生活のほうが長いですね。私にはずっと理想にしていた医療の形があります。それは一人ひとりの患者さんに寄り添い、歩むということ。まさに当院のコンセプトそのもので、院長就任の話をいただいた時には「抱いてきた理想を実現できる」という期待でいっぱいでした。第二の故郷ともいうべき埼玉で、このような形で地域医療に貢献できるのはうれしいことですね。
笑顔を大切に、患者が前向きになれる診療を
先生から見て、こちらのクリニックの良さは何だと思われますか?

「明るい」ということではないでしょうか。待合室は広く明るく、リハビリテーション室には日の光が差し込んでいます。そのような物理的な明るさに加えて、スタッフの明るい対応も当院の自慢です。看護師は患者さんのちょっとした変化にもすぐ気づき、お困りのようならばそっと手を差し伸べてお声がけをしています。受付スタッフや診療放射線技師は丁寧な対応で患者さんを誘導し、リハビリテーションスタッフたちは親身になって患者さんの動作をサポート。医師だけでなくすべてのスタッフが心を込めて、笑顔で患者さんに向き合っているんです。その気持ちが院内の雰囲気をさらに明るくし、患者さんも笑顔を見せてくださるのだと思います。
身体機能が衰えたり、できることが少なくなると、笑顔になれない患者さんもいるかもしれません……。
整形外科に限らず、元には戻せないことや完治の難しい病気があることは否めません。ですが少しでも前向きに、来た時よりも明るい気持ちでお帰りいただきたいと思っています。人は失ったものやマイナス面、もしくは目の前にある苦痛に目を向けてしまいがちです。でも私は患者さんに前を向いてもらえるよう、「少しでも前進していること」についてお話しします。病気になったりご高齢になると、以前のような行動ができなくなることもあるでしょう。ですが先月より今月、昨日より今日、できるようになったこともあるはずです。心と体は別々ではなく、心が落ち込めば不調にもなりますし、逆もまたしかり。私たちも笑顔を大切にしたいですし、患者さんにも笑顔で過ごしていただきたいですね。痛みをゼロにすることは難しくても、ここに来たら気持ちが明るくなれるような、そんな場所でありたいです。
その他、診療で大切にしていることはありますか?

患者さんの話をしっかり聞くということです。診療室では医師・看護師・事務スタッフの3人で患者さんをお迎えしており、患者さんの主訴などを事務スタッフがその場でカルテに記録。そのおかげで私は患者さんとの会話や診察に専念できています。整形外科の診療室ではベッド脇に余幅を持たせており、患者さんが無理な姿勢を取ることなく医師が全身を診られる造りです。診察の際のお痛みや、その他どのような内容でも、患者さんの話は聞き漏らさないように心がけています。
「OKPに行ってきた」が櫛引町の合言葉になるように
院名の「OKP with Life」の由来を教えてください。

Omiya・Kushihiki・People with Lifeで、「櫛引町の皆さんとともに」という理事長と私の思いを込めました。というのは表の意味で、裏の意味は「岡野」をもじった「オカピー」。私の学生時代のあだ名です(笑)。語呂がいいので地域の皆さんに親しんでもらえたら何よりです。
ところで、先生はなぜ医師をめざしたのですか?
代々医師の家系であったことと、生物学に興味があったのは確かですが、「気がついたら医師になっていた」というのが正しいかもしれません。誰しも人生にはさまざまな出来事があり、医師として喜びを感じたこともあれば、人の不幸に接する場面も他の職業と比べて多かったように思います。患者さんの人生に寄り添う「医師」の責任は大きいですが、力になれたときに感じるやりがいもまた大きいです。どのような病気であっても、治療の主役は患者さんで私たちはサポート役。患者さんが前向きに治療に取り組めるよう、精度の高い治療や有意義な情報提供に努めていきたいですね。
患者さん自身にも治療に取り組む気持ちが必要なのですね。

当院ではそのような考えで診療を行っており、例えばリハビリテーションでも「患者さんが自分で動かせるようになること」に重きを置いています。治療や薬について不安や疑問がある場合には遠慮なくお聞かせください。医師任せではなく自主的に取り組んでいただきたいですし、他の選択肢が必要ならば一緒にその方法を考えていきましょう。
最後に、地域の読者へメッセージをお願いします。
この地域の方が何かしらの不調を感じた際に、一番に思い出してもらえるクリニックでありたいです。「今日OKPに行ってきたよ」というような会話が櫛引町のあちこちで聞かれるようになればうれしいですね。医療だけではなく、介護とも連携を取りながら、必要とされる限り患者さんの人生に寄り添い続けたいと思います。