表 紀仁 院長の独自取材記事
名古屋おもて内科・呼吸器内科クリニック
(名古屋市昭和区/荒畑駅)
最終更新日:2023/10/27
名古屋市営地下鉄鶴舞線の荒畑駅から徒歩2分というアクセスの良い場所にある「名古屋おもて内科・呼吸器内科クリニック」は、2023年10月2日開院。表紀仁(おもて・のりひと)院長は、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医の資格を持つ呼吸器疾患のスペシャリストだ。これまでは大学病院での勤務や、新型コロナウイルス感染症の診療など、豊富な経験を重ねてきた。その経験と海外留学を通して得た知見を生かし、同院では喘息、間質性肺炎、肺気腫など、咳で悩む患者などを幅広く診療する。また、CT、肺機能検査機器などの先進機器も導入。「患者さんの満足度を第一に考えて診療を行っていきたい」と、レベルの高い医療の提供を追求する表院長に、クリニックの特徴や今後の展望について、話を聞いた。
(取材日2023年9月16日)
高い専門性を生かし、幅広い咳の症状に対応
まずはクリニックの特徴について教えてください。
当院は小児から高齢者まで、咳で困っている人を幅広く治療する呼吸器診療をメインにしたクリニックです。胸部CT検査や肺機能検査のための先進の医療機器を導入し、総合病院に負けないような医療体制を整えています。名古屋市内には呼吸器内科、特に咳専門のクリニックは患者さんの数に対して少ないと以前から感じていました。咳をきちんと診ることができるクリニックをつくりたいと考えていたところ、学生時代からなじみが深いこの場所にご縁があり、開業を決めました。院内には、診療室4室と検査室、感染症患者向けの診療室を設け、私が部屋を回診するスタイルとなっています。発熱のある方と、それ以外の方を分けて診察を行いますので、安心してご利用ください。
具体的にはどのような診療が受けられますか?
呼吸器内科としてはまず、咳診療です。咳でお困りの方は多いと思いますので、少しでも早く治まるよう、CTや肺機能検査機器なども活用して原因を考えていきます。その上で、喘息、肺気腫など呼吸器の専門疾患を治療していくかたちです。また、内科・小児科・アレルギー科にも対応しています。呼吸器疾患とアレルギー疾患は密接な関係があり、例えば喘息の患者さんが花粉症やアトピー性皮膚炎を合併するケースは多いんです。血液検査などを含むアレルギーの検査も、十分対応できる体制を整えています。ほかにもインフルエンザ、胃腸炎などの一般的な内科の病気や、生活習慣病なども診療します。
院長が得意とされる治療や検査を教えてください。
咳、喘息の治療と、胸部CTの読影が得意です。また、間質性肺炎はもともと研究対象で、アメリカのイェール大学に留学していたときの専門でもありました。帰国後は愛知県の新型コロナウイルス感染症の専門病院立ち上げに参加し、3ヵ月ほど患者さんを診療していたこともあります。現在勤務している名古屋大学医学部附属病院でも、新型コロナウイルス感染症を担当しており、人工心肺が必要な重症者から軽症者まで、幅広く診療しています。急性期の症状が治まっても咳に悩まされている方が多く、中には感染後1年たっても咳が続く方もいらっしゃいます。また、ひどい肺炎の場合は肺に後遺症が残るケースもありますので、そうした患者さんへの治療にも注力していきます。
読影技術を生かしたCT検査、肺機能検査にも注力
呼吸器内科で受けられる検査について詳しく教えてください。
気になる症状がある場合、必要に応じてまず胸部エックス線検査を行います。そこで異常があった場合は、胸部CTを撮るという流れです。喘息診療では、機器を使って呼気の一酸化窒素(NO)濃度を測定します。喘息や咳喘息の方は、吐いた息の中に含まれる一酸化窒素の濃度が高いんです。この呼気NO検査は診断だけでなく、喘息の病状把握のためにも実施します。そのほか、呼吸の気道抵抗を測る呼吸機能測定装置による肺機能検査も可能です。いずれも導入しているクリニックは少ないと思いますが、呼吸器疾患の診療には重要と考え、より精度の高い医療の提供をめざして導入しています。
胸部CTを使った精密検査も受けつけていると伺いました。
エックス線検査で異常が見つかって来院された場合、CTで精密検査を行います。見逃しを防ぐため、念のため外部にも二重読影を依頼しますが、肺に関しては当日に結果をお知らせすることが可能です。総合病院ではCTの予約がすぐに取れないことが多く時間がかかりますが、当院であれば不安の中で待つ時間が少なくて済むでしょう。また、自費にはなりますがニーズがあれば、腫瘍マーカーと併せてがん検診のようなかたちで、CTを使った検診にも対応します。CTで肺を撮ると、肝臓や膵臓、首の辺りの甲状腺、乳房が一緒に映る場合があるため、読影によって肺以外のがんを探れるケースもあります。
そのほかに力を入れている診療についてお聞かせください。
当院は、睡眠時無呼吸症候群の診療も積極的に行っています。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に息の通り道である上気道が狭くなり、呼吸が止まることで起こる症状です。夜間の睡眠障害によって日中の生活に支障が出るだけでなく、生活習慣病などの合併症にも注意が必要になります。当院は睡眠時無呼吸症候群の診療はもちろん、合併症管理にも力を入れています。アプノモニター検査やPSG検査、CPAP治療などにも対応しておりますので、ご本人はもちろん、ご家族の症状が気になる場合はご相談ください。
アレルギー科に関してはいかがでしょう。
アレルギー症状のある患者さんに役立てられるよう、舌下免疫療法を取り入れています。舌下免疫療法は、3〜5年ほど継続して薬を服用することで、アレルギー症状の改善が期待できる治療です。現在はスギ、ダニに対するアレルギーに対応した薬があります。5歳以上であれば治療できますので、お子さんの症状のご相談も可能です。
患者の満足度を第一に、高いレベルの医療体制をめざす
クリニックの理念についてお聞かせください。
当院が大切にしているのは、患者さんの満足度を第一に考えることです。そのため、待ち時間を短くすること、患者さんへの説明をしっかり行うこと、高い接遇を心がけること、そして高いレベルの医療を提供することの4つにこだわります。システム自体はデジタル化できることは積極的に取り入れて利便性を高めていきながら、患者さんに対しては「フェイスtoフェイス」を重視し、温かみのある接遇を重視していきたいです。
診療において心がけていることはありますか。
患者さんには納得した上で検査や治療を受けていただけるよう、わかりやすい説明を心がけています。診察時に説明しただけでは覚えられないこともあると思いますので、治療や病気、薬の飲み方などに関するパンフレットを用意することや、看護師による吸入指導やアドバイスにも力を入れています。また、診療にあたっては、咳がいつからどのくらい出ているのか、どの時間帯にひどいのかなどの問診が非常に重要です。痰、ゼイゼイヒューヒューといった音、アレルギーなど随伴症状の有無も細かく聞きたいので、患者さんの話を遮らないよう耳を傾けることも心がけています。
研究にも注力されていると伺いました。
これまでは間質性肺炎と肺気腫の研究に力を入れてきました。患者さんの診療から新しい知見やデータを得るほか、基礎研究といういわゆる細胞レベルの研究も手がけており、この両方を経験していることは自分の強みだと考えています。例えば新しい薬が出たとき、細胞レベルではどういう働きがあって、実際に患者さんに投与した場合にはどのような作用が働くのかという2つの視点から広く考え、その知見を診療に生かすことができます。今後は、咳の症状についてより突き詰めて研究しながら、研究データなども発表していけたらと考えています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
咳で注意すべきなのは、痰に血が混じっている、息が苦しい、ゼイゼイヒューヒューなどの音が出るといった症状です。また、結核の場合は、寝汗の量が多い、体重がどんどん減っていくなどの危険な兆候が現れますので、もしそうした症状がある場合は、早めにご相談ください。今の目標は「咳で困ったらここで診てもらえる」という信頼を得ることです。今後は総合病院との連携体制も広げながら、多くの患者さんのお役に立てるよう尽力していきます。咳に限らず、血圧やコレステロール、糖尿病や小児科なども幅広く診療いたしますので、お気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とは自費で受けるCTを使った検診/1部位1万1000円 さらに1部位追加ごとに5500円