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青木 啓 院長の独自取材記事

Kこころのクリニック

(犬山市/犬山駅)

最終更新日:2023/12/13

青木啓院長 Kこころのクリニック main

名鉄犬山線・犬山駅西口から徒歩2分という立地に「医療法人糸逢会 Kこころのクリニック」はある。受付の壁や待合室の椅子の色は渋みのあるブルーで統一されており、床やドアなど木目を生かした内装が落ち着いた雰囲気を醸し出している。青木啓院長は長らく名古屋市の病院で勤務してきたが、縁あって、犬山市にある「ともこころのクリニック」の分院として2023年4月に開業。以来、精神科や心療内科が少ない地域において互いに患者を紹介し合うなど連携し診療にあたっている。「どんな小さなことでもまず気軽に相談できる『町医者』のような存在でありたい」と穏やかに話す青木院長。病気を診るだけでなく雑談を大切にしてその人自身や生活背景に思いをはせ、人生に寄り添う診療スタイルを信条としている。

(取材日2023年10月31日)

パワハラや10代の不登校の悩みにも対応

開業の経緯について教えてください。

青木啓院長 Kこころのクリニック1

私は名古屋出身で、市内の複数の病院に勤務後、北区にあるメンタルホスピタルで副院長を務めていました。やりがいはあったのですが、役職がつくと会議や経営に関わることが多くなります。そんなとき、犬山市にある「ともこころのクリニック」の高木友徳院長に、分院として開業しないかと声をかけていただいたのです。患者さんと直接関わる開業医のほうが自分には合っているのかもしれないと考え、お話を受けて2023年4月に開業しました。ここはもともと母校・愛知医科大学の大先輩である栗木先生が長年営んでおられた「くりきメンタルクリニック」だった場所で、当院はそれを引き継ぐ形になりました。ですから今も栗木先生の患者さんが通ってきてくださいます。

院内はとても落ち着いた雰囲気です。

開業の際に内部をリフォームしました。私が「青木」なのでブルーをシンボルカラーにしようと決めて、受付の壁や待合室の椅子の色など全体的に、渋めのブルーを基調としています。ブルーは、医療分野ではあまり好まれない色かもしれないのですが、私は気にしていなくて、心を落ち着かせる効果があるともされているので、患者さんにはリラックスして過ごしていただければと思っています。服装は色にこだわらず、いつもカジュアルな感じです。私自身も実は小さい頃、白衣が苦手でした。初めての患者さんにも「ああ、ここはこんなにフランクで来やすいところなんだな」と感じていただければうれしいです。

開業されて半年余り、どのような患者さんが来られていますか?

青木啓院長 Kこころのクリニック2

最近は、10代の方の問い合わせが増えていて初診全体の半分ほどになるでしょうか。ご相談があれば症状によっては小学生も受け入れています。患者さんが娘さんや息子さんを連れてご家族で受診されるケースも増えてきました。20代や働き盛りの世代、高齢の方も来られています。症状は人それぞれですが、10代だといじめや不登校、発達障害で悩む方が多く、親御さん同士のクチコミや学校の先生からの紹介で来られることもあります。お勤めの方では、パワハラや働きすぎなどにより不眠や不安を訴える方が目立ちます。高齢の方では認知症の方、孤独を感じておられる方などのほか、栗木先生の頃からずっと通われていてお話だけで帰られる方も。また、私の病院勤務時代からの患者さんもおられますね。

「今、困っている患者」をできるだけ早く診る

子どもの患者さんが多いのですね。

青木啓院長 Kこころのクリニック3

割合としては多いのですが、私は子どもの専門家ではないので、お会いしてみて専門の医療機関に紹介したほうがいいと判断すれば、信用できる先生のおられる病院の専門科やクリニックに紹介しています。現状、この犬山市と周辺には精神科、心療内科が多くありません。犬山病院では予約が数ヵ月待ちのこともあり、本院である「ともこころのクリニック」もすでにたくさんの患者さんを受け入れています。しかし「今、困っている患者さん」はいらっしゃるわけで、誰かが診ないといけません。特に大切なお子さんのことで悩んでいる方は待たせたくなくて、当院ではできるだけ早く受診できるよう努めています。まずファーストタッチのクリニックとして、とにかく会って話を聞いて差し上げたいのです。ただ開業当初は頑張りすぎて倒れそうになったので(笑)、自分の体に無理のない範囲でできるだけ初診の方を受け入れるようにしています。

子どもの場合も薬物治療になるのでしょうか?

お子さんはこの先、症状や環境が変わっていくことが考えられるので、必要な場合を除き、すぐに薬を出すことはしていません。その代わり、定期的に親御さんを一緒に診ていこうという姿勢でいます。処方する時は、お子さんに使える薬は限られているため、その中から選択して適切なものを処方しています。期待される効果も大事ですが、副作用をきちんと確認したいので、大人よりも短いスパンで、1週間や2週間後に「また来てね」とお伝えしています。

働き盛りの世代の患者さんについてはいかがでしょうか?

青木啓院長 Kこころのクリニック4

一口に「パワハラ」といっても、上司からの言葉や態度は、人によって受け止め方が全然違います。極端な例えですが、1日1時間の残業をさせられて「つらい」という方もいれば、月に何十時間も残業しているのに「自分がいけない。まだ頑張れる」という方もいます。体の不調がひどい方にはよく眠れるよう薬をお出しして1週間後に来ていただき、再度診察の上、診断書をお出しします。仕事を休むことをネガティブに捉えてしまって周囲から何か言われることを恐れる患者さんもおられるでしょうが、「医者の指示」の一言でいいからとお話しします。上司や家族に私がお話しすることもできるので、かなうなら一緒に来ていただければ。つらさが深刻な患者さんには月1の通院から週1にすることもできますよ。「先生の顔を見にきました」「先生に会えて良かった」と言われることもあり、ありがたく感じています。

雑談を大事に、小さな悩みでも気軽に来られる場に

診療において大切にされていることはどんなことでしょうか?

青木啓院長 Kこころのクリニック5

精神科、心療内科は、病気の症状だけを診ていてはいけないという面があります。患者さんの暮らす地域や生活背景、家族背景を知り、この先の人生まで一緒に考えていくことが大切なのです。この先の人生というのは、お子さんだけでなく高齢の方にとっても大事な問題で、配偶者に先立たれて今後1人でどう生きていくか、といったお悩みもあります。「子どもが独立して寂しい」という方には「息子さんに会いにくる感じで、ここにいらしてくださいね」とお話しすることも。ですから診療ではよく雑談をしていますね。中高生とはゲームや動画サイトの話をして、私のパソコンで検索して見てみることもあるのですが私は知らないことが多くて(笑)。親御さんと「時代だね」と笑い合っています。雑談は最初の関係づくりの一歩になりますが、無理に話すことは求めていません。ずっと無言で、何回か来院するうちに少しずつ話してくれる子もいます。

スタッフの方々についても教えてください。

当院には、看護師1人、事務3人、非常勤のケースワーカー1人、そして2階でカウンセリングを行う臨床心理士が7人在籍しています。私は1日、ほぼ診察室から動くことはないので、スタッフのほうから「今度ランチに行きましょう」と誘いにきてくれたりします(笑)。先週もみんなで誕生日会をしたんですよ。スタッフには恵まれており、いろいろ助けられていることは多いですね。私は、患者さんが笑顔になられることが一番の望みですが、スタッフが笑顔で楽しく働けるクリニックでもありたいと思っています。

今後の展望についてお考えをお聞かせください。

青木啓院長 Kこころのクリニック6

開業当初は非常に混み合い、数時間の待ち時間になってしまう日もあったのですが、多くの患者さんが「最初はたいへんですよね」と声をかけてくださり、犬山市の皆さんの温かさを知りました。ご縁があって犬山に開業しましたので、気軽に相談していただきたいですね。どんな病気も早期治療が大事です。「こんなことぐらいで」と思わず、早めに受診されることで何かお手伝いできることがあると思うのです。本院の「ともこころのクリニック」にはきちんとプログラムされたデイケアがあり訪問看護も行っています。そして犬山病院には入院施設があります。どちらとも互いに患者さんを紹介し連携し合う中で、当院では、いつでも来やすく話しやすい身近な「町医者」としての役割をしっかりまっとうしていきたいと思います。

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