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小林 三善 院長の独自取材記事

さんぜんクリニック

(高松市/瓦町駅)

最終更新日:2023/08/01

小林三善院長 さんぜんクリニック main

琴電琴平線・瓦町駅から菊池寛通りを西に7、8分ほど歩くと、中央公園の外周に沿って中核病院や官公庁が林立するが、その一角にそびえる高松メディカルモール2階に、「さんぜんクリニック」は開院した。院長の小林三善先生は、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医の肩書きを持つ消化器診療の専門家。クリニックから目と鼻の先のKKR高松病院で消化器内科部長・消化器内視鏡センター長を10年務め、愛着のあるこの地で独立開業に踏み切った。専門である胃と大腸の内視鏡検査では苦痛の軽減にこだわり、先進の機器を導入。「通院患者さんが消化器がんで苦しまないよう、全身全霊で早期発見・早期治療に取り組みたい」と話す小林院長に、消化器内科を専攻した理由や患者に対する想い、今後の展望などを聞いた。

(取材日2023年6月30日)

市の中核を担う地で質の高い医療の提供をめざす

県庁所在地のど真ん中での開業ですね。

小林三善院長 さんぜんクリニック1

そうですね。徒歩1分圏内に、KKR高松病院、高松赤十字病院、三宅リハビリテーション病院があり、大きな病院に囲まれた医療ビルでこの度、新規開業いたしました。この場所であれば、10年間勤めたKKR高松病院の通院患者さんも引き続き私の診療を受けることができますし、長年培ってきた近隣病院とのネットワークによって、困った時にはすぐに信頼できる先生に相談をすることができます。医療水準が保たれるという、患者さんのメリットを最も重視して、この地での開業を決断しました。駅からのアクセスも良好ですので、特に内視鏡検査を受けられる方にとっては便利な立地環境かと思います。

「さんぜん」というクリニック名の由来は何でしょう?

私の名前の「みつよし」を音読みにして、クリニック名としました。これは学生時代のあだ名でもあります。「将来、もしも政治家になったら『さんぜん』で出馬させよう」と、祖父が期待を込めて命名した名前だそうです。ほかに、「燦然と輝くクリニック」でありたいとの思いもあります。

開業までの日々を振り返っていかがでしょうか。

小林三善院長 さんぜんクリニック2

今年の3月31日までKKR高松病院に勤務しておりましたので、緊急内視鏡での夜間呼び出しなどをこなしながら準備をするのは、やはり大変でした。開業コンサルタントさんや建築会社さんをはじめとする多くの方々に助けていただき、無事に開業することができたと思います。皆さんの支えあっての私であると、改めて感謝の気持ちを感じました。現状はKKR高松病院時代の患者さんが多いですが、新しく来られる方も増えていっている印象です。これからは専門とする消化器疾患に加え、全身の症状や疾患も総合的に診療しながら、地域医療を担うかかりつけ医をめざしたいと考えています。

苦痛を軽減し、小さな病変も見落とさないよう努める

子どもの頃から、医師を志していらっしゃったのですか?

小林三善院長 さんぜんクリニック3

私は兵庫県出身で、教師を父親に持つ三兄弟の末っ子として育ちました。子どもの頃は昆虫が大好きで、将来の夢は「理科の教師になること」。熱帯魚を飼っていたことから熱帯雨林の生態に興味を持ち、現地に出向いて調査をしたいとも思っていました。しかし一番上の兄に体の障害があったため、二番目の兄が医師を志し、私も小学校高学年の頃には医師をめざすようになりました。地元からも近い香川医科大学に入学してからは、30年間ずっと香川県に住んでいます。整形外科の道に進んだ兄に対して、私が専門に選んだのは消化器内科。死亡率が高いとされる消化器がんの方を救いたいと考えたからです。さらに消化器内科の中でも、高画質のカラー画像をもとに自分で病気を診断し、治療も自分の技術で完結できる内視鏡治療に魅力を感じ、卒業後は香川医科大学第三内科(現・香川大学医学部消化器・神経内科)に入局。大学では今も臨床教授を務めています。

大学病院に入られた後のご経歴を伺いたいです。

入局後、2年目からは小豆島の内海病院で地域医療を経験しましたが、次のステップに進むため4年半後に大学病院へ戻り、診療、研究、教育に従事。クローン病や潰瘍性大腸炎といった難病疾患の治療や高度内視鏡治療の腕を磨き、さらに基礎研究で食道がん治療の論文を発表し学位を取得しました。また、病棟の医長として全体のマネジメントをしつつ後進を育成。その後はKKR高松病院に内視鏡センター長として10年間勤務し、早期がんの内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)など、難易度が高い治療を中心に担当しました。ESDは従来よりも広い範囲の病変を一括切除する治療です。しかし、内視鏡検査への恐怖で診断が遅れ、症状が進行した患者さんも多く診てきたことから、「気軽に専門医の内視鏡検査を受けられる環境をつくり、早期発見・早期治療に結びつけ、がんで苦しむ人を減らしたい」と強く願うようになり、クリニック開業へと至りました。

診療をする上で心がけていることや、クリニックの特徴をお聞かせください。

小林三善院長 さんぜんクリニック4

食道や胃などの上部消化管、小腸・大腸などの下部消化管、どちらに対しても「苦痛を軽減し、小さな病変も見落とさない」ことを心がけています。上部消化管に関しては、経鼻内視鏡とともに専門施設と同等の拡大内視鏡を有していることが特徴です。当院の経鼻内視鏡は細く嘔吐反射が起きにくい形状で、かつ高解像度の画像が取得できます。病変が見つかれば、最大で145倍まで画面を拡大し、粘膜表面を詳細に観察することもできます。下部消化管に関しては、「無送気軸保持短縮法」と「浸水法」の2種類を組み合わせた大腸内視鏡挿入法を実施。空気を入れて内視鏡を挿入すると腹部が張って痛みが出ますから、代わりに水を入れて視界を確保し、屈曲の強い部分では腸が伸びて痛みが出ないよう、軸をまっすぐ保ちながら挿入します。過去に受けた内視鏡検査がつらかった方は、鎮静剤・鎮痛剤の使用も可能です。なお大腸ポリープについては日帰り切除も行っています。

不安な思いで検査に訪れる患者さんのため、他にもさまざまな工夫をされています。

ビルの中ですので、院内は開放感のある空間を意識しました。内視鏡検査の前に下剤を飲んでいただく前処置室は院内の奥に配し、男女で部屋を分けて、照明や壁の色もイメージを変えています。内視鏡室の検査台はストレッチャーとなっており、麻酔後も横になったままリカバリースペースへ移動することができます。内視鏡検査への不安感につながる部分は細部まで配慮を重ねていますので、「検診で異常が見つかったけれど、内視鏡検査は不安」という方も安心してお越しください。

徳を積み善を積み重ね、地域住民から信頼される存在に

内科的疾患の治療にも精通されていますね。

小林三善院長 さんぜんクリニック5

私は卒業後、一貫して胃・大腸の内視鏡診断・治療、炎症性腸疾患・機能性胃腸疾患治療、便秘診療と胃腸を専門領域としてきましたが、日本内科学会総合内科専門医として、高血圧症や高脂血症、糖尿病といった生活習慣病のご相談にも対応することができます。消化器疾患は単独で考えられがちですが、高脂血症の方であれば、肝臓に脂肪がたまり肝機能異常を起こす非アルコール性脂肪性肝疾患につながる場合もありますし、糖尿病の方であれば大腸がんのリスクが高まりますので、複合的な診査・診断が必要です。当院では消化器だけでなく、全身のさまざまな症状や疾患に対してアドバイスし、お一人お一人に合わせた治療を提供します。

プライベートについても教えてください。

休みの日はジョギングをするなど、体を動かすことを心がけています。やはり自分自身が健康でないと、いい診療はできないと思いますので。定期的にハーフマラソンの大会に参加し、自宅では庭の植物の世話をして癒やされています。ちなみに、高校時代は美術部で油絵を制作し、大学時代は軟式テニスに打ち込んでいました。

最後にクリニックの展望と、読者へのメッセージをお願いします。

小林三善院長 さんぜんクリニック6

地域医療で学んだ知見を生かし、近隣にお住まいの皆さんや、働く現役世代の皆さんのかかりつけ医として長く愛されるクリニックに育てていきたいと思っています。病院への紹介が必要な方は早期に対応し、当院での管理が可能な方は全力でサポートいたします。私の座右の銘は、「積徳積善でなくては大事はできず」。人としての徳や善行を積まなければ、大事は成し遂げられません。これからも患者さんお一人お一人を第一に考え、患者さんの訴える不調や不安に耳を傾け、徳を積み善を積み重ね、地域の皆さんから信頼される存在となれるよう、スタッフ一同努めて参ります。少しでも気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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