寺井浩之院長の独自取材記事

てらい歯科クリニック

(茨木市／南茨木駅)

最終更新日：2024/01/30

2023年に開院した「てらい歯科クリニック」は、阪急京都本線・大阪モノレール線の南茨木駅より徒歩2分という利便性の高い立地にある。木目の風合いがやわらかい待合室は、リラックスできる空間だ。また、キッズスペースは、子どもの口の使い方などをトレーニングするための「口腔育成ルーム」として併用できるよう工夫されている。院長を務める寺井浩之（てらい・こうし）先生は、インプラントや歯周病に関して先端の治療を行う歯科医院で副院長を務めた経験を生かして、幅広い歯科の治療に対応。子どもから大人まで安心して通院できる歯科医院づくりを大切にしている。会話の端々に誠実さと優しい人柄を感じさせる寺井院長に、歯科医院の特徴や診療のモットーなど詳しい話を聞いた。

（取材日2023年11月7日）

原因を患者と共有していく診療を
将来、後悔しないために今できることを
一人ひとりのライフスタイルを大切に

原因を患者と共有していく診療を

まずは、この地で開業された理由を教えてください。

茨木市は私の母の実家があるので自分のルーツを感じる場所でもあり、ご縁を感じたんです。それに、住民の方の年齢層が幅広かったことも大きいですね。これまでの私の経験から、難しい治療が必要になってしまった患者さんは、元をたどっていくと幼少期の食生活や歯並びが影響していると思えることが多くて。ですので、自分が開院するならば20年、30年後に歯を失って後悔することがないように、地域の方々の手助けができればと考えており、お子さんが多いエリアでそれが実現できればと考えていました。実際にホームページやSNSで情報を発信していたところ、私の思いに共感していただけたのか、当院の患者さんはご家族で通ってくださる方が多くなってうれしい限りです。

先生の診療スタンスについてお聞かせください。

もともと私はインプラント治療や重度の歯周病の治療を専門に手がけてきたのですが、その中で「なぜこんなに複雑な治療をしなければならなくなったのか」という原因を究明することが重要だと考えるようになりました。患者さんは、不安を抱える中で勇気を出して歯科医院に来てくださっていますから、その気持ちに寄り添って「せっかくの機会ですから、原因を探して改善していきましょう」というスタンスで診療を行うようにしています。例えば虫歯1本であったとしても、その場しのぎの治療を行うのではなく、初回は必要な検査をして患者さんと一緒にエックス線検査の写真を見たりしながら丁寧にコミュニケーションを取り、信頼関係を築いてから治療を行うことを心がけています。

初めて歯科医院を受診するお子さんも多いと思いますが、診療において工夫していることはありますか？

お子さんが歯科で怖い体験をして、ネガティブなイメージを持ってほしくないと思っていますので、「ここに来たら楽しいな」と感じてもらえるように気を配っています。例えば2歳ぐらいまでのお子さんでしたら、診療室に入るのにハードルが高いと判断した場合には、親御さんの膝の上で歯磨きの練習からスタートして徐々に慣れてもらうようにしています。そのために、キッズスペースを広めに確保して、多目的に使えるようにしているんですよ。また、診療の際に椅子を倒すのを怖がるお子さんもいますので、診療室の天井にモニターを設置してアニメ動画を見ながら診療が受けられるようになっています。とにかく通院がストレスにならないことが重要なので、楽しんでくれているお子さんを見るとうれしいですね。

将来、後悔しないために今できることを

子どもの矯正について詳しくお聞かせください。

子どもの歯を矯正するタイミングは、お口の中の状態で大きく変わってきます。すぐに矯正を始めたほうが良い場合もありますが、逆に「もう少し永久歯が生えてくるまで待ちましょう」というケースもあるんですよ。また、矯正にはお子さんご本人の協力が必要不可欠です。無理に押しつけて、嫌な気持ちにさせてしまっては矯正を継続することが難しくなるので、お子さんがやる気になるまで様子を見ながら、私自身もお子さん一人ひとりに伝わる説明を工夫しています。歯の矯正には取り外し可能な装置を選択することもできますし、矯正期間がやみくもに長くならないように心がけていますので、お子さんの歯並びが気になったら一度相談に来ていただきたいと思います。また当院は、お子さんだけでなく、成人の患者さんの矯正にも対応しています。

先生は矯正後のメンテナンスの重要性を発信していらっしゃいますね。

はい。頑張って矯正しても、もともと歯並びが悪くなった原因が取り除けていなければ元に戻ってしまう恐れがあるんです。例えば、指しゃぶりの癖は歯を動かしてしまうことにつながりますし、口呼吸の影響から舌で前歯を押してしまうこともあります。そこで、癖を改善するための体操や口の筋肉を適切に動かすためのトレーニングを親子一緒に行えるように、キッズスペースを口腔育成ルームとして活用しているんです。メンテナンスの重要性は大人の方でも変わりません。せっかくインプラントや歯周病の治療を行っても、ブラッシングに問題があったり、歯ぎしりがあったりすることで再発してしまう可能性もありますから、私は「治療が終わってからが大切」だと考えています。

患者さんの生活習慣も歯を守るポイントになってくるのですね。

指をちょっと切ったことがある方ならわかると思うのですが、放置しておいても自然に治ることが望める場合が多いですよね。それは自分の組織が再生していっているのですが、歯は残念ながら再生しない組織なんです。虫歯を削って詰めることを「治療」と呼びますが、自分の歯が元どおりになっているわけではないので「修理」というイメージに近いのかもしれません。先ほどもふれましたが、歯並びの悪さや歯周病には必ず原因がありますので、問題があった箇所を矯正したり治療したりしても、ご本人が原因を理解して改善していかなければ、再発リスクは高いままです。将来、歯の状態が悪化しないために、今どうしたらいいか考えるのが、歯科のあるべき姿ではないかなと思っていますね。

一人ひとりのライフスタイルを大切に

開院前のご経験についてお聞かせください。

私は歯科医師をめざして北海道大学歯学部に入学しました。大地が広く、大らかな人が多くて、第2の故郷と呼べるほど本当に素晴らしい環境でしたね。大学を卒業後は北海道大学病院の歯周・歯内療法学講座に入局し、そこで歯周病治療の面白さを知りました。その後、兵庫県にある藤井歯科医院に勤務しながら、さらに自分の腕を磨きたいと決意して歯科医師のスタディーグループに入ったんです。その中でインプラントや歯周病治療など先端の治療を行う瀧野裕行先生に出会い、先生が院長を務めるタキノ歯科医院ペリオ・インプラントオフィスで数多くの手術を手がける日々を送りました。こうした貴重な経験を積むことができ、つくづく人に恵まれた人生だなと感じています。

先生の診療におけるモットーは何ですか？

先ほどお話しした藤井歯科医院の藤井孝典先生と、スタディーグループで出会った瀧野先生に共通していたのは、「病気を治療する以前にまず人を見なさい」という教えでした。私も深く共感していて、患者さんのライフスタイルやその時の感情、その方の人生があってこその治療だと思っているんです。なので、患者さんの背景を深く知るために丁寧に対話をしながら、互いに信頼し合える関係を大切にしています。当院のスタッフも、間近で私と患者さんとのやりとりを見る中で、私の考え方をくみとってくれていると感じていますね。それと、昨年に私が1児の父となったことで、育児の大変さや親御さんの子どもを思う気持ちがより強くわかるようになりました。「世の中の親御さんって立派だな」と尊敬の意を込めて診療にあたっています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今の目標は、開院1年目に来院してくださった患者さんが、10年後、20年後もメンテナンスに来てくださるような歯科医院をめざすことですね。そのために、「あの時、やっておいて良かったな」と実感していただけるような将来を見据えた治療を心がけていきます。患者さんによってさまざまな悩みがあると思いますが、私は気さくな性格だと思いますので、どうぞ気持ちを楽にしていらしてください。お子さんから高齢の方まで、ご家族で通っていただけるアットホームな雰囲気づくりを大切にしています。これまでの経験を生かし、歯の矯正やインプラント、虫歯や歯周病の治療はもちろん、親知らずの抜歯の手術など幅広い診療に対応いたしますので、ぜひ一度ご相談いただければと思います。