身長が縮んだら骨粗しょう症のサイン?
兆しを捉え早期治療を
かすがいクリニック豊中緑丘テラス
(豊中市/牧落駅)
最終更新日:2023/07/13


- 保険診療
加齢などさまざまな原因によって骨の密度が低下し、骨折のリスクが高まる骨粗しょう症。日本には1000万人を超える患者がいるとも言われており、医療機関などは検査や治療の重要性を訴えている。さらに高齢での骨折は寝たきりにつながる可能性があるため、健康寿命を延ばすという観点からも早期発見・早期治療が肝要だ。そうした中、内科でありながら骨粗しょう症の検査・治療に力を注いでいるのが「かすがいクリニック豊中緑丘テラス」。同院の大森洋介院長は「骨折してから病気だとわかるケースが多い骨粗しょう症。若い頃と比べて身長が縮んできた気がするという方は、一度検査を受けてください」と呼びかけている。そんな大森院長に骨粗しょう症の症状や検査を受けるべきタイミングに加え、診療から治療までのプロセスについて解説してもらった。
(取材日2023年6月27日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q骨粗しょう症とはどのような症状なのでしょうか?
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A
簡単に言えば、骨が脆くなって折れやすくなります。加齢をはじめさまざまな原因が挙げられますが、生活習慣などが影響するほか、閉経に伴う女性ホルモンの減少が大きく関係することから女性に多く見られます。骨粗しょう症自体も問題ではありますが、骨が脆くなったことで転倒等により簡単に骨折してしまうことが問題です。足の骨折や腰椎の圧迫骨折が起こりやすく、時には尻もちをついただけで骨が潰れてしまうなど、骨折リスクが高まってしまうのです。特に高齢の方の場合、骨折によって入院してしまうと体力が落ちてそのまま寝たきりになってしまったり、関節痛などで著しく生活の質が下がったりしてしまうので早期治療が重要です。
- Q検査を受けるべきタイミングや頻度を教えてください。
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A
はっきりとした検査タイミングがないことが、骨粗しょう症の発見を難しくしています。目安となるのは若い頃と比べて身長が縮んだと感じた時。背が縮んだということは、骨が圧迫された証拠でもあるので検査を受けるタイミングになるでしょう。特に5cm以上縮んだという人は要注意。あとは単純ですが最近骨折をした人。骨折したことで骨密度を調べた結果、骨粗しょう症と診断されるケースが多いので、念のため検査を受けたほうが良いと思います。骨粗しょう症と診断された方は経過を調べるために定期的な検査が必要ですが、数値に問題がなかった場合は数年で急に発症することは考えられないので、折を見て検査を受けていきましょう。
- Q骨粗しょう症を放っておくことでデメリットはありますか?
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A
やはり骨折のリスクが高まるというのは大きなデメリットです。大腿骨や腰椎を骨折してしまうと入院を余儀なくされますし、高齢の方は入院すると認知機能や運動機能が低下しやすく、骨折が治ったとしても入院前と同じ生活が送れるとは限りません。一方、原因が多岐にわたるため食生活などだけで予防することは難しく、骨粗しょう症になっていないかをしっかりとチェックし、早めの治療を行うことが重要です。それが結局は骨折を予防し、ひいては寝たきりやQOLの低下を防ぐことにつながっていくと考えます。治療に関しても飲み薬や注射など自分のライフスタイルに合わせて選択できるので、まずは検査を受けるところから始めましょう。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1まずは検査が必要かどうかをチェック
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身長の縮みや骨折などの自覚症状がある場合、骨粗しょう症が疑われるかどうかを医師に相談。既往歴など簡単な問診を受けて検査が必要かどうかを判断してもらう。
- 2DEXA法を用いて骨密度を測定
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検査が必要だと判断されたら、エックス線検査で骨密度を測定する。腰の骨と足の付け根の2ヵ所の骨密度を計測し、成人平均値と比べてどれだけ低下しているかで骨粗しょう症かどうか診断される。検査自体は5分程度。
- 3結果説明と治療法の選択
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骨密度検査の結果を踏まえ、骨粗しょう症と診断されたら医師から治療方法などについて説明を受ける。服薬による治療か注射による治療か、自分のライフスタイルに合わせて治療方法を選択する。
- 4骨粗しょう症の治療をスタート
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骨粗しょう症の薬は飲み方に注意が必要。起床後に飲むものや、飲んだ後に安静にしている必要があるもの、飲む間隔などが薬によって違うので、留意しながら服薬する。定期的な服薬が難しい場合は注射による治療を受ける。
- 5定期的な通院で経過を観察
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治療開始後は骨粗しょう症の状態に応じて定期的に受診し経過観察。骨密度の変化をチェックしながら治療を続けていく。