打越 史洋 院長の独自取材記事
かすがいクリニック豊中緑丘テラス
(豊中市/牧落駅)
最終更新日:2026/07/21
箕面の森近く、シニア向け大規模住宅の緑豊かな敷地内にある「かすがいクリニック豊中緑丘テラス」。地域のかかりつけ医院をめざす同院では、内科・循環器内科・神経内科・肛門外科と異なる専門分野を持つ複数人の医師が診療を担当する。このため一般的な内科疾患をはじめ、さまざまな状況にある患者を診療できる点が特徴。その医師たちをまとめるのが、消化器外科医として30年以上のキャリアを持つ打越史洋院長だ。「小学校4年生のときに、人の命を救うために医師になると決めた」と語るその思いは、ベテランとなった今も変わらない。変化する社会情勢や多様化するニーズに対応した医療を提供することで、人と地域をつなぐ「かすがい」のようなクリニックをめざしていると語る打越院長に、その思いやクリニックの強みについて、話を聞いた。
(取材日2026年6月12日)
小学生の頃からめざしていた、人の命を救うための仕事
こちらのクリニックの特徴を教えていただけますか?

複数の医師が交代で診療を行うのが当院の大きな特徴です。内科・循環器内科・神経内科・肛門外科を専門とする医師が交代で診療を行っており、一つのクリニックでさまざまな疾患・症状に対する専門的な診療ができます。来院前に電話でご相談いただければ、適切な医師がいる日時に予約をお取りすることも可能です。また、風邪症状や発熱、頭痛やめまい、腹痛、下痢や便秘、息苦しさ、疲れが取れない、筋肉の痛み、手足のしびれ、皮膚の発疹など、どの診療科を訪れていいかわからない場合も、内科で総合的に診察を行い、当院の専門の医師や他の専門医療機関につなぎます。当院は高齢者住宅の敷地内にあるため、来院されるのはそちらに入居されている高齢の患者さんが多くを占めますが、住宅以外の近隣住民の皆さんも多数、来院されます。10代の患者さんから40~50代の患者さんも来院され、まさに全世代の患者さんに来院いただいています。
打越院長が医師を志されたきっかけは何でしょうか?
今でもはっきり覚えているのですが、きっかけは小学校4年生の時に学校の講堂で行われた映画鑑賞会で観た映画です。子どもが骨肉腫を患い、肺に転移したことで亡くなってしまうというとても悲しい映画でした。その作品を観て学校から家に帰り、母に「僕は将来医者になって人の命を助けたい」と告げました。医師になってあの映画の主人公のような子どもの命を助けるんだ、と誓ってからはぶれずに医師への道を突き進みましたね。医大入学当時はどのような分野を専門にするかまだ決めておらず、卒業時に少し迷いました。悩んだ末、もともと自分の手を動かして医療に携わりたい、という思いがあったことと、どうせならダイナミックな治療を手がけていこう、という思いからから外科を専門とすることに。以来、消化器外科医として30年間、治療を続けてきました。
「かすがいクリニック豊中緑丘テラス」の院長に就任された経緯を教えていただけますか?

実は当院の初代院長でもあり、現在は、当院の母体である医療法人ミナテラスの理事長である大森洋介先生とは、不思議な縁がありました。かつて私はある総合病院で外科副部長を務めていたのですが、その病院で循環器内科医として修練されていたのが大森先生です。その後も私が勤務していた病院にアルバイトに来られていたりしていました。それからこれは偶然なのですが、私の母が亡くなるまで通院していたのが箕面市の「かすがいクリニック」だったのですね。母からは大森先生のお人柄や医師としての優秀さについていろいろ話を聞かされていました。当時、私は別のクリニックで院長を務めていたのですが、母がお世話になっていたかすがいクリニックのお手伝いをしたいと考えて大森先生に相談したところ、二つ返事で私を迎え入れてくださいました。
専門の医師たちが集い、それぞれの得意分野を生かして
複数の専門の医師が診療を行うことのメリットを教えてください。

来院される患者さんの多様な病気や症状を、1人の医師だけで的確に診療することは困難です。そしてその1人の医師に何かトラブルがあれば、診察そのものがストップしてしまう。そこで各種専門分野を持つ医師がチームとして働くことで、さまざまな症状に対応できる体制が取れるのです。一般的に大きな病院に紹介されがちな疾患でも、当院では院内の医師で対応できることが多いですね。それぞれの医師間の患者さんに関する情報共有を助けてくれるのは看護師の皆さんたち。小まめに情報を共有しながら、さまざまな疾患で訪れる患者さんの診療を行うことができています。
そうしたチームの中で打越院長は医師としてどのように関わっていらっしゃいますか?
現在、当院には私を含めて7人の医師が在籍しており、私自身は内科の診療を行いながら肛門外科を担当しています。また「かすがいクリニック」からは理事長の大森先生が循環器内科の先生として来られています。在籍する医師は大森先生の大学時代の医局から来た先生が多いため、医師チームは「あうんの呼吸」でわかりあえる雰囲気がありますね。私が「かすがいクリニック」からの依頼で訪問診療を行うこともあります。そうした医師としての診療活動を行いながら、院長として当院の医師たちを取りまとめています。
こちらでは骨粗しょう症の診察にも力を入れておられるそうですね。

治療とともに、早期発見のための検査にも力を入れています。ご高齢の方が在宅で治療が困難になることの大きな原因として、骨折が挙げられます。事実、骨折となると入院・手術にリハビリテーションと長期間の治療を受けることになります。さらに元の状態まで回復できない場合もあり、ご自宅で暮らすことが困難になることにもつながります。そうした骨折を予防するためにも、骨粗しょう症を早い段階で発見して治療できるよう、検査・診察に力を入れています。横になるだけで骨密度を計ることができる専用の検査機器を導入しており、来院される患者さんにも積極的に検査をご提案しています。
かかりつけ医として100年、地域を支え続けたい
近年「かかりつけ医」の大切さが注目されていますが、どのように思われますか?

当院は「医療法人ミナテラス」傘下のクリニックですが、法人の理念に「かかりつけ医として地域を100年支え続ける」というものがあります。近年、専門性の高いクリニックが増え、患者さんに選択肢が増えたことは良いことなのですが、1人の患者さんが複数のクリニックを掛け持ちしていることも多い。そのような意味で患者さん全体を診療し、責任を持てる「かかりつけ医」の必要性が高まっています。また、1人の「かかりつけ医」が地域医療を担っている場合、その医師が高齢になるなどして廃業してしまうと、地域医療そのものがなくなってしまいます。そのため、持続的・永続的に医療サービスを提供できる、当院のような医療機関の重要性は高いと思います。医療機関は社会のために、残っていかなければならない。そのため当院でも、次世代に向けた取り組みを行っていきたいと考えています。
先生ご自身が診療の際に気をつけておられることはありますか?
当院は高齢の患者さんが多いので、優しく丁寧な対応を心がけています。聴力が低下している方や認知症を患っている方もいらっしゃいますので、適切な指導や提案を行うためには、必然的に丁寧な対応が必須となります。またご高齢の方は私にとっても人生の先輩。それぞれの個性や大切にされていることは違います。一人ひとりの特性を踏まえた上で、それぞれの尊厳を尊重し、適切に対応することを心がけています。
読者にメッセージをお願いします。

私がこのクリニックの院長に就任したとき、当院のスタッフに「法人傘下のクリニックは、各クリニックでコピーしたように同じサービスをする必要はない。各クリニックに集まった医師や立地などを踏まえて、個性を出していこう」と言いました。そうしたことを踏まえて、当院は「当院ならでは」の強みを出して地域に貢献していきたいと思います。先ほども申し上げましたが、当院には専門分野を持つ医師が複数在籍しています。地域にお住まいの皆さんは、どのような些細なことでも結構ですので、お困り事があれば何でも相談にいらしてください。さらに地域に認知され、頼りにされるクリニックとして成長していきたいと思います。

