鳥海 祥郎 院長の独自取材記事
とりうみ歯科医院
(姶良市/帖佐駅)
最終更新日:2026/04/30
大クスで有名な姶良市蒲生町。歯科医院が少なかったこの地域に、2023年「とりうみ歯科医院」が開業した。木目調の温かな待合室にキッズスペースを備えた院内は、子ども連れの家族もくつろげる雰囲気が漂う。院長の鳥海祥郎先生は鹿児島大学を卒業後、霧島市の歯科医院で10年間研鑽を積んだ。恩師のもとで治療技術とともに深く学んだのが、患者一人ひとりに合わせた話し方や向き合い方だ。休日は勉強会へ足を運び、ランニングなどで心身を整える飾らない努力家でもある。「お口をきれいにしてすっきり気持ち良くなり、笑顔で帰れる歯科医院をつくりたい」と語る鳥海院長に、診療の信念や今後の展望を聞いた。
(取材日2026年3月30日)
恩師の背中を追い、地域に求められる歯科医師をめざす
まずは、開業に至るまでの歩みをお聞かせください。

鹿児島大学を卒業後、霧島市の歯科医院で10年間勤務しました。恩師である院長の背中を追いながら、治療技術だけでなく患者さんとの向き合い方を一つ一つ学んだ日々でした。中でも大きかったのがコミュニケーションの学びです。恩師は高齢の方にはゆったりとした口調で、子どもには明るく、また例えば、経営者の方にはまた違ったトーンで語りかけていて、相手に合わせた対応をごく自然にされていました。私がうまく治療できたとき、握手で励ましてくれたことがあり、あの瞬間は今も大きな支えになっています。「この先生でないと」と慕われる姿を間近で見るうちに、自分も患者さんに求められる存在になりたいという思いが強まり、めざす医療を形にしようと開業を決意しました。
この地域を選ばれた理由を教えてください。
当院のある蒲生町は鹿児島市と霧島市のちょうど中間に位置し、人口約6000人に対して歯科医院がとても少ない地域です。お口のお悩みを抱えていても近くで十分な治療を受けにくい環境にあり、この地域の方々を幅広く診られる歯科をつくりたいという思いから、ここでの開業を決めました。来院される方は50〜60代が中心で、ご高齢の方が多い傾向にあります。「これまであまり歯科に通えなかったけれど、新しくできたから診てもらおう」と初めていらっしゃる方もたくさんおられます。お子さんの来院をきっかけに30代のお父さんお母さん世代が家族ぐるみで通ってくださるケースも増えてきました。少しずつ世代を超えて頼っていただけるようになり、この地で開業して良かったと日々感じています。
院内の環境づくりで意識されたことはありますか。

待合室はくつろいでいただけるよう木目調の温かな素材を使い、診療室は清潔感を大切に白を基調としました。照明にもこだわりがあり、前歯の色味を正確に見極められるよう間接照明を取り入れています。待合室の一角にはキッズスペースを設け、ぬいぐるみや絵本、おもちゃを用意しました。きょうだいで来院した際、親御さんの治療中もお子さんに安心して過ごしてもらえるのではないかと思います。診療設備の面では、精密な治療に生かすマイクロスコープやCT、型採りの負担を軽くする口腔内スキャナーを導入しています。滅菌には高水準とされるクラスB滅菌器を採用するなど感染対策も徹底しました。奥に完全個室を1室設け、インプラントなどの特別な治療はこちらで行います。診療スペースはパーティションで仕切り、プライバシーにも配慮しています。
一人ひとりに合わせた対話で、通いたくなる歯科へ
患者さんはどのようなお悩みで来院されますか。

多いのは入れ歯に関するご相談です。そのほか虫歯や歯周病、かぶせ物の入れ直しなど一般的な保険診療全般に幅広くお応えしています。勤務医時代の10年間でほぼすべての領域を経験してきました。歯科医院が限られる地域だからこそ、さまざまなお困り事をまず当院で受け止めたいと思っています。より専門的な分野では、インプラント治療は現在も師事する先生のもとで研鑽を続けており、矯正治療は専門の歯科医師を招いて対応しています。マイクロスコープやCTを生かした精密な歯の根の治療にも力を入れています。今年は「壊れにくい口腔環境をどうつくるか」をテーマに、全国的に知られる先生のもとへ年間を通じて学びに行く予定もあり、治療の質をさらに高めていきたいと考えています。
診療において心がけていることをお聞かせください。
まず大事にしているのは、お口を良い状態に保つ大切さをお伝えすること。その場限りの治療を繰り返すだけでは、どこかに必ず無理が出ます。長い目で見て壊れにくい環境をつくることが、患者さんの負担を減らすと考えています。コミュニケーションでは、恩師から学んだように、お一人お一人に合わせた話し方を心がけています。例えば、お忙しい方にはポイントを絞って手短にお伝えします。初診のときは必ずお顔を見てごあいさつし、いきなり削るようなことはせず、丁寧にご説明してから治療に入ります。私にも子どもがいまして、子育てを通じてお子さんへの声のかけ方やあやし方が実感としてわかるようになりました。お子さん連れでも安心して通っていただきたいですね。
治療を終えた後も通い続けてもらうことを大切にされているそうですね。

治療がひと段落した後にこそ、定期的に通い続けていただくことが何より大切だと考えています。例えば、風邪であれば薬をもらって治ればそれきりかもしれませんが、歯科には定期健診という仕組みがあります。特にお困りのことがなくても来ていただき、お口の中をすみずみまできれいに整えて、すっきりした気持ちで帰っていただく。この積み重ねこそが長くお口の健康を守る力になると日々実感しています。私たちがスタッフと一丸になってめざしているのは、お口を整えて「気持ち良かった、また来るね」と笑顔で帰っていただく歯科医院です。この思いをチーム全員で共有しながら、患者さんにもっと喜んでいただくための工夫を重ねているところです。
噛む力を守ることから地域の健康を支える
日々の診療を支えるチームについて教えてください。

診療は私一人の力では成り立ちません。会計や衛生管理、患者さんへの対応の一つ一つにスタッフの支えが欠かせないからです。先ほど、治療の成果を握手で認めてくれた恩師の温かさが、私の原点になっているとお話ししました。スタッフにも同じように寄り添い、一緒に前を向けるリーダーでありたいと思っています。チームということで言いますと、小学校の保健委員会にも参加しています。その中で、共働きのご家庭ではお子さんのお口の状態をじっくり見る余裕がないという課題も感じています。校医として高校1校と小学校2校を担当しており、院内のチーム力を高めながら、地域貢献の幅も広げていきたいですね。
今後、注力していきたいことは何ですか?
「あそこに行ったらなんとかしてくれるよね」と地域の方に思っていただける歯科医院になることが最大の目標です。そのために力を入れたいのが、医科の先生方との連携です。歯周病と糖尿病や心疾患、骨粗しょう症や高血圧との関連は広く指摘されています。内科や整形外科、薬剤師の方々と手を携え、一人の患者さんを多職種で支える体制を築きたいと考えています。加えて、咀嚼は認知症の予防にも関わるといわれています。健康寿命を延ばす上で咀嚼を支えるのは歯科医師の役割。地域だからこそできる顔の見える連携を強みに強みに、しっかり貢献していきたいですね。そのためにもまずは、自分が努力することが欠かせませんから、休日は勉強会で研鑽を積み、ランニングや筋力トレーニングで心身を整えて、良い状態で診療に臨めるよう心がけています。
読者へのメッセージをお願いします。

私たちの体は食べたもので作られています。その入り口となるのが口であり、お口の状態がしっかりしていなければ十分に噛むことも栄養をとることもできません。近年は、お口の健康が全身に及ぼす影響が注目されています。歯科は虫歯を治すだけの場ではなく、全身の健康を守る大切な入り口でもあります。「痛くなってから行くところ」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。初回からいきなり削ることはいたしませんので、どうかご安心ください。痛みのない方も一度お口の状態を確認し、今後どうケアしていくのがよいかを一緒に考えましょう。「すっきりして気持ち良かった、また来よう」と思っていただける歯科医院をチーム一丸でつくっていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/39万6000円~、歯列矯正(成人)/71万5000円~、歯列矯正(子ども)/第一期治療:22万〜33万円、第二期治療:71万5000〜82万5000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

