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糖尿病の専門家に聞く
生活習慣病の予防と治療

Uクリニック

(今治市/今治駅)

最終更新日:2023/11/28

Uクリニック 糖尿病の専門家に聞く 生活習慣病の予防と治療 Uクリニック 糖尿病の専門家に聞く 生活習慣病の予防と治療
  • 保険診療

食生活の乱れや運動不足、睡眠不足、ストレスなどが引き金となって起こる、糖尿病や高血圧症、高脂血症といった生活習慣病。健康診断で異常を指摘されても、自覚症状がないからとつい受診を後回しにしてしまっている人も多いのではないだろうか。「生活習慣病は健康寿命を左右する疾患。患者さんが無理なく健康を維持できるよう医師として寄り添っていきたい」と「Uクリニック」の上田晃久院長は話す。日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医の資格を持ち、県内各地の基幹病院で長年多くの患者の糖尿病治療にあたってきた上田院長に、糖尿病をはじめとする生活習慣病の基礎知識や同院の診療方針について詳しく話を聞いた。

(取材日2023年10月18日)

「人を診る診療」で患者の生活背景に寄り添うアプローチに注力

Q生活習慣病はどのような病気なのでしょうか?
A
Uクリニック 生活習慣病はさまざまな病気につながる可能性がある

▲生活習慣病はさまざまな病気につながる可能性がある

生活習慣病は、食事や運動、睡眠、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣が深く関与し、発症の原因となる疾患の総称です。動脈硬化のリスクとなる糖尿病、高血圧症、脂質異常症、さらに日本人の主な死因であるがん・脳血管疾患、心疾患なども生活習慣病であるとされています。脳卒中や心疾患は動脈硬化と密接に関係しており、高血圧や喫煙、糖尿病、脂質異常症、肥満などの危険因子が重なることでより発症リスクを高めてしまいます。特に基礎代謝が落ち始める中高年以降は肥満になりやすく、20代の頃と比べて体重が10kg以上増えた人は生活習慣病のリスクが高いとされています。

Q糖尿病の原因、どんな自覚症状があるかを教えてください。
A
Uクリニック 体組成測定を行うことで、より精密に体の状態を見える化

▲体組成測定を行うことで、より精密に体の状態を見える化

糖尿病は血糖値が高い状態が続く病気です。インスリンの働きが悪くなることにより血糖値が上昇し、尿に糖分が漏れ出てしまうのです。初期段階ではあまり自覚症状がないため、つい放置がちになります。しかし年齢とともにインスリンの瞬発的な分泌力は低下していくため、若い頃と同じ食事や糖質中心の食事を続けていると、体が糖を処理しきれず血糖が上昇してしまいます。このように血糖値がさらに上昇すると、口の渇きや尿量の増加を自覚されることが多くなります。注意すべき症状としては、食事量や運動量は変わらないのに急に体重が減少する場合です。また、糖尿病型によっては痩せ型の人にもリスクがあるため、注意が必要です。

Q糖尿病が進行するとどうなるのですか?
A
Uクリニック 患者一人ひとりに合わせて食事や運動の指導も行う

▲患者一人ひとりに合わせて食事や運動の指導も行う

高血糖が続くとインスリンの分泌力がさらに低下し、合併症の心配が出てきます。糖尿病の合併症には、糖尿病網膜症・糖尿病神経障害・糖尿病腎症・脳梗塞・心筋梗塞などの血管の合併症、感染症、骨粗しょう症、悪性腫瘍、歯周病などがあります。糖尿病は自覚症状がない、または通院が面倒などさまざまな理由で治療開始のタイミングが遅れてしまうことが多々あります。取り組みが遅れることにより管理に苦慮する疾患ですが、裏を返せば早期対応で心配が減る疾患ということ。病態を正しく把握し、適切な介入により糖を利用する環境を整えることができれば、糖尿病とうまく付き合っていくことが望めます。

Qこちらの糖尿病治療の特徴を教えてください。
A
Uクリニック 検査機器の充実を図り、即日での検査結果の提示を行う

▲検査機器の充実を図り、即日での検査結果の提示を行う

糖尿病の治療目標は、正常な糖代謝に近づけ、合併症をできるだけ回避し健康な人と同じ生活をめざすこと。10人いれば10人とも糖代謝の病態は異なりますし、考え方も違います。ですから当院では画一的な生活指導、食事管理、薬物療法ではなく、一人ひとりに対応した治療内容の提案に努めています。患者さんの生活背景や仕事、家族構成、嗜好を理解した上で、食事や運動の指導を実施。医師と看護師、管理栄養士、臨床検査技師によるチーム医療で患者さんをサポートします。また当院では毎回の受診時に血液検査や体組成測定を実施。即日結果をお伝えすることで、患者さんの治療に対するモチベーション維持につなげています。

Q先生は糖尿病の啓発にも注力されていらっしゃいますね。
A
Uクリニック 検査値や一定の臓器ではなく人を診ることを大切にしているという

▲検査値や一定の臓器ではなく人を診ることを大切にしているという

糖尿病治療に臨む上で、一番大事なことは知ることです。「糖尿病教育は治療の一部ではなく治療そのものである」。糖尿病診療のパイオニア的存在として知られるエリオット・P・ジョスリンの名言を訳したものです。さらに、一般的に良いとされていることがみんなに当てはまるわけではありません。大切なのは、あなたにとって「何が必要であるか」を知ること。一般的に理想とされる体重、BMIといった数値にとらわれるのではなく、自身の現在の食事摂取エネルギーや栄養素の摂取内容、脂肪量や筋肉量を知ること。1日にどのくらい動いているかを知ること。それが糖尿病治療の第一歩です。

ドクターからのメッセージ

上田 晃久院長

「健康」であることのありがたみは、健康なうちは気づかないもので、一度健康を損なったときに気づくことが多いですよね。当院では生活習慣病を中心に診療していますが、自身の健康を維持する重要性を患者さんに知っていただくことに重きを置いています。知ることで不安が安心に変わる人もいるでしょうし、継続する意欲につながり前向きに治療に取り組めるようになる人もいるでしょう。そして、そうした変化こそが、私の診療の原動力となっています。健康維持には、生活習慣の見直しと病態に応じた対応をきちんと行う必要があります。ご自身の健康で気になることはもちろん、大切なご家族について心配事がございましたら、気軽にご相談ください。

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