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小松原 孝夫 院長の独自取材記事

菜の花こどもクリニック

(新潟市西区/小針駅)

最終更新日:2023/07/19

小松原孝夫院長 菜の花こどもクリニック main

新潟市西区小針に2023年5月10日に開業した「菜の花こどもクリニック」は、完全個室制の小児科クリニック。院長の小松原孝夫先生は、新潟大学医学部を卒業後、県内外の病院で小児科医療全般に携わってきた。医療者としてはもちろんのこと、子どもを持つ父親ならではの視点で、「誰もが安心して通える小児科クリニック」づくりに日々まい進している。ウェブ予約やウェブ事前問診システムを導入し、待ち時間の短縮に注力するなど、医療体制のDX化を積極的に推進する小松原院長に、開院の思いや将来の展望などを聞いた。

(取材日2023年6月8日)

大好きな新潟で、地域医療に貢献したいという強い思い

クリニックの特徴を教えてください。

小松原孝夫院長 菜の花こどもクリニック1

当院のコンセプトは、「誰もが安心して通える小児科クリニック」。小児科とアレルギー科を標榜しており、完全予約制の個室診療を行っています。個室は全部で10室あり、事前にウェブで予約して、来院後は個室で待機、私が個室を回って順番に診療するというスタイルです。ロゴの「H」は、ハピネスやホスピタリティー、そしてホームの頭文字でもありますので、個室で自分の家のように過ごしていただきたいと思います。クリニック名の「菜の花」には、春の訪れを教えてくれる、温かくやわらかで優しいイメージがあります。 菜の花のようにたくさんの子どもたちが集まって、元気で健康に成長していってほしいという願いを込めて、この名前をつけました。

開院にあたり、この地を選んだ理由をお聞かせください。

私は栃木の生まれなのですが、大学受験にあたっていくつかの大学を見学しに行った時、新潟の街がとても印象に残ったんです。栃木には海がないので、大きな川に挟まれた土地に街が整然とつくられているのを見て、こんなきれいな街で暮らしてみたいと憧れを感じました。実際に新潟大学に進学し6年間を過ごしましたが、四季が美しく、食べ物もおいしくてすっかり気に入り、根を下ろすことにしたんです。西区には大学のキャンパスがあり、学生時代の最初の1年間をこの街で過ごしました。とても暮らしやすく人に優しい街で、中央区と同じくらいたくさんの子どもが住んでいるのですが、小児科クリニックの数が少ないんですね。そこで、大好きな地域で少しでも皆さんの役に立ちたいと思い、この場所に開院しました。

小児科の医師になろうと決意したきっかけはどんなことですか?

小松原孝夫院長 菜の花こどもクリニック2

大学時代にはさまざまな科で研鑽を積みましたが、小児科の医療現場を経験し、子どもを病気から救うということはその子の人生を変えることだ、一つ命が生まれたような意味合いがあると感じ、できるだけ多くの子どもを救いたいと強く思いました。それに、小児科の先生は皆さん顔に笑いじわができていたんです。それがとてもすてきで、自分もそんなふうに年を取りたいと思いました。卒業後、県内外のさまざまな病院で勤務医として働きましたが、中には小児科の医師が非常に少ない地域もあり、私たちを頼ってきてくれる親御さんの期待に応えなければならないという責任を感じましたし、同じくらいやりがいも感じたんです。それで、これからの人生を地域に根差して多くの子どもの治療をすることに使いたいと決意しました。

完全予約制の個室診療で、感染リスクの軽減をめざす

個室の回診スタイルを取った理由について、詳しくお聞かせください。

小松原孝夫院長 菜の花こどもクリニック3

開院を考え始めた時期が新型コロナウイルス感染症の流行と重なったこともあり、今、患者さんが求めていることはなんだろうと考え、まず、感染症への不安を払拭したいと思いました。新型コロナウイルスだけでなく、子どもがかかる病気の中には、妊婦さんにうつるとおなかの赤ちゃんに障害が残る可能性がある病気もあります。妊婦さんが小児科に行くことはとても不安だと思いますし、その不安を払拭するためには、他の患者さんとは廊下ですれ違う程度で済むような完全個室での診療が適切だと考えました。水疱瘡やおたふく風邪など特に感染力が強い感染症については、感染対応室を別に用意していますので、疑われる場合には事前に連絡の上、別の入り口から入ってもらう動線もつくっています。

ウェブ予約・ウェブ事前問診システムを導入されていますね。

患者さんが求めることの一つに、待ち時間の短縮があると思っています。そこで、一番時間がかかると思われる問診を事前にウェブで済ませてもらうことにしました。電話予約をなくすことで、事務担当者が電話応対以外の業務に注力できることにもつながっています。また、直接来院されても待合室がなく、個室が空かない限りお通しできないので、予約なしの来院もお断りしています。事前予約をしている患者さんを、感染の危険にさらしてしまうことにもなるからです。ウェブ予約時の時間指定にあたっては、受付の混雑回避と、子どもがぐずってしまって家を出るのが遅れた場合も焦らなくて済むように、9時から9時30分の間に来院ください、というように少し幅を持たせています。

その他、設備でこだわった点を教えてください。

小松原孝夫院長 菜の花こどもクリニック4

私にも小さな子どもがいますので、親の目線で見て不便なところを払拭したいと考え、靴のままで入室できるようバリアフリーにしました。小さな子どもがいると荷物も多くなりがちですし、何人もお子さんがいる場合は、全員分の靴を脱がせてまた履かせるだけでも大変だと思ったからです。また、会計の準備ができたらベルでお知らせするシステムを導入しており、診察後の着替えも個室内でゆっくりしてもらうことができます。全室に設置しているタブレットは、「ベルが鳴ったら受付へ」といった案内を表示するほか、ナースコールの役割も果たしており、ボタンをクリックすると受付と無料通話ができる仕組みです。感染症対策の面からキッズスペースが用意できなかったので、待ち時間に自由に使って遊んでもらえるように、子ども向けのアプリもインストールしました。

地域の声を取り入れ、進化していくクリニックに

診療の際に心がけているのはどのようなことですか?

小松原孝夫院長 菜の花こどもクリニック5

病気の説明や注意事項などをご家族にわかりやすく伝えることを意識していますが、自分では伝えているつもりでも実は全然伝わっていなかったということもあり、日々反省の繰り返しです。専門用語はやはりわかりにくいので、病気の説明用紙を作ってお渡しするなど、ご家族に伝わるように工夫して発信していきたいと思っています。また、投薬にあたっては、子どもの自然治癒力、回復力を高めることを第一に考え、子どものためにならない薬は出さないという判断をしています。例えば一般的な風邪の場合、薬はあくまで症状の緩和を図って体を休めるためのもので、治す薬というのはないんです。ではなぜクリニックに来てもらうかというと、症状の中に隠れた肺炎、気管支炎、喘息や重い病気を早く見つけるためなんですね。私たちクリニックの医師の使命は、重症化手前の患者さんを早く見つけて、必要があれば総合病院につなぐことだと考えています。

医師として、心に残っている出来事を教えてください。

勤務医として働いていた時、ご高齢の患者さんのお看取りをしたことがありました。その時に奥さんが亡くなったご主人の頭をなでながら、いつまでも感謝を伝えている姿を見て、ご夫婦で支え合って来られた絆にとても心を動かされましたし、自分もあんなふうな最期が迎えられるように生きていこうと思ったんです。もともと医師をめざしたのは、誰かの役に立てる人間になりたいと思ったからです。自分一人の力では何もできなくても、周りの人たちと協力し合って何かを達成し、それを誰かに喜んでもらえるということは、とても素晴らしいことだと思います。後悔しない人生を送るためにも、この地域の皆さんの力になれるように、医師として努力していきたいと思っています。

これからの展望についてお聞かせください。

小松原孝夫院長 菜の花こどもクリニック6

生まれたばかりのクリニックで、ご不便をおかけすることも多々あるかと思いますが、患者さんから感謝の言葉をいただけたとしたら、大きな励みになると思います。当院だけでできることには、当然限りがあります。他のクリニックの先生方のお力添えもいただきながら、できる範囲で少しずつ、地域の子どもたちの健康と未来に貢献していきたいと思います。システムについては、今の在り方が完成形だとは思っていないので、地域の皆さんやスタッフの意見を取り入れて、少しずつ進化していきたいですね。そして、完全個室のこういった形の診療システムが、一つのスタンダードとして全国の小児科クリニックに広まっていけばいいなとも考えています。

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