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弘瀬 知江子 院長の独自取材記事

名和医院

(大田区/平和島駅)

最終更新日:2019/08/28

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平和島の商店街の一角にある「名和医院」。12年前より現在の場所で弘瀬知江子院長が診療。「患者さんの生涯に寄り添って診療したい」という弘瀬院長の思いから健診に力を入れ、1階の外来診療フロアに加え、3階には健康診断専用のフロアを開設。弘瀬院長は女性ならではの気遣いと温かさを持った笑顔の素敵なドクターで、その人柄に惹かれて連日幅広い年齢層の患者が来院するというのもうなずけた。そんな弘瀬院長に、医師をめざしたきっかけから現在に至るまで、また診療にかける思いなど、たっぷりと話を聞いた。
(取材日2017年9月15日)

地域住民に愛された開業医の父の姿を追い、医師の道へ

まず、医師をめざしたきっかけを教えてください。

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父が開業医だったのが大きいです。いわゆる町の診療所で、どんな患者さんも受け入れ、診療している父の姿に惹かれ、自然とその後を追っていましたね。分け隔てなく患者さんに接することの大切さは、父の姿から学びました。また、その後医学部に進学し、ある日、教授に付いて病院で回診していたときのことです。その教授は、大きな手で入院患者さんや外来患者さんを丁寧に触診していました。どの患者さんもそのぬくもりだけですごく安心されていたんですよね。「ありがとう」と感謝される教授の姿が私の父をほうふつとさせ、それが私のめざすべき医師像に思えました。その教授のもとで学びたいと思い、内分泌代謝科へ入局。糖尿病をはじめ、甲状腺、副甲状腺、を中心に内分泌の診療や研究に従事しました。しばらくして父が突然亡くなり、それを機に父の診療所を継ぐことになり現在に至ります。

こちらで診療するようになってから、ご苦労はありましたか?

大学病院で診療していたときは最初から最後まで患者さんの病態を診ることができたのに対し、開業医は、患者さんを適切な道に導いてあげることが大切な役割。専門的治療が必要な場合は専門の医療機関へ紹介しますが、その後の患者さんの病状を診ることができないので、開業した当初はそこにジレンマを感じていましたね。今では、患者さんを受け入れる病院側の立場を理解して診療できることが強みだと思っています。また提携先の医療機関へご紹介する際は、紹介状を書くだけでなく、こちらである程度診断をつけてからお送りすることを徹底しています。そして、患者さんを生涯通して診て差し上げたいという思いから、12年前に現在の場所へ移転し、各種検査・診断を行える設備を整えました。

こちらの医院の診療について詳しく教えてください。

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1階では一般外来の診療を行い、私の他に、内科と皮膚科の非常勤の先生もいらしてくださっています。小児科については、父がずっと診療してきましたので患者さんのためにも継続したいと思ったのですが、大学病院にいた私はその経験がほとんどなかったものですから、こちらに来てから東邦大学の小児科の先生にお願いして研修させていただきました。現在もそちらと医療連携があるのは心強いですね。ちなみに父の診療所のあった場所では現在、私の妹が歯科を開業しています。骨粗しょう症のお薬などは歯に影響を及ぼすものもありますので、互いに密に連携を取り診療しています。

健診専用フロアを設け、充実した医療機器を導入

3階が健診部門となっていますが、健診のためにワンフロアを設けたのはなぜでしょうか?

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本来、健診と外来とでは来院の目的がまったく異なるのに、両者を混在させて時間を取り、診療することはお互いにとってあまり気持ちのいいものではないと感じていました。そこで、3階は健診部門とし、健康診断や各種健診を行い、受付も直接3階で行っていただけるようになっています。例えば、採血一つとっても、患者さんの中にはご気分を悪くされる方もいらっしゃるので、人の目が届くようにオープンスペースにし、背もたれのある椅子をご用意するなど、院内には私のこだわりが随所に反映されています。CTについては、開院当初は開業医で持っているところがほとんどありませんでしたので、導入する予定はなかったのですが、看護師をしていた母に「ぜひ導入してほしい」と後押しを受け、設置することにしました。これから地域医療に携わる私への母のエールが込められているように感じましたね。

健診について患者さんへアドバイスはありますか?

企業健診では結果に対して私がコメントをして返送しているのですが、そのコメントを必ずお読みいただきたいですね。それで理解できないことがあれば、来院されるようにお伝えしています。大田区の健診についても、患者さん一人ひとりにご説明し、お薬の処方が必要かどうかなどアドバイスを行っています。健診をやりっ放しにしてしまうことだけは避けていただきたいですね。健診を受けるタイミングですが、大田区の健診については年齢が定められていますが、年齢にかかわらず年に1回は受けていただくように外来の患者さんにも伝えています。ご自分でいつ受診したかわからなくなってしまうこともあると思いますので、毎年誕生月に受けられるのがお勧めです。

スタッフと一丸となって診療に取り組むのにあたり、何か共有されていることはありますか?

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特にこれと言ってないんですよ。受付終了時間の間際に「5分後に到着するので待っていてください!」と患者さんから連絡の入ることがよくあるのですが、スタッフは一度受けたお電話に対しては就業時間を過ぎても責任を持って対応してくれたりと、私が何かを言うまでもなく、私と同じ思いで業務に臨んでくれていることに感謝しています。非常勤の先生方も救急の患者さんの診療にも快く応じてくれ、患者さんからの信頼も厚いです。また薬局さんも最後の患者さんの診療が終わるまで開けていてくださるので、周りの方々に助けていただいていますね。それからスタッフ間では「物は大事に」という思いを共有しているようで、徹底して掃除も行ってくれています。12年たった今でも院内がピカピカで清潔なのは彼女たちのおかげですね。

この町で患者の生涯に寄り添い診療したい

診療を通し、どのようなときに喜びを感じますか?

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非常にうれしいのは、混んでいたとしても皆さん、私の診療を待ってお薬を持っていかれることですね。こちらでは患者さんの診察室へのお呼び出しをマイクで行っているのですが、私が名前を呼ぶ声で元気をもらって帰れるとおっしゃる方もいれば、診療の最後に私の手を握って帰られる方が何人もいらして、そうした患者さんのお気持ちにジーンとしてしまいます。時には、家族ぐるみで診させていただいている方もいます。その方の背景まで考えた上で診察していきたいですね。皆さんが私を医師としてではなく、ごくごく自然体で接してくださるのをとてもうれしく思います。父がそうだったように、私も人と話をすることが大好きで、私自身が患者さんからエネルギーをもらっています。医師としてできることがあれば最大限サポートしていきたい、そう思いますね。

診療時間外はどのようにお過ごしですか?

お休みの日は家の掃除など、主婦業をやっています。スーパーで買い物をしていると患者さんに「先生! 今夜は何を作るんですか?」なんて声をかけられたりもしますね(笑)。それから週に一度ホットヨガに通い、リフレッシュしています。そこには異なる業種の人たちが集まっているので、その方たちとの交流は新鮮で楽しいですね。医師という仕事は専門職なので、そこでの時間は自分を見つめ直す時間にもなっていますね。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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国も地域包括ケアシステムを推進しているように、自分が生まれ育ち慣れ親しんだ町で最期を過ごすというのがごく自然なことだと思います。他の病院に転院されたとしても、その後この町に戻ってきたときには、最期までできるだけ私が診て差し上げたいという思いがあります。そのため、訪問診療も行っています。私も自分の育ったこの町で地域の皆さんと一緒に過ごすことのできる日常に、日々幸せを感じています。そして、これからも私自身、患者さんから何でもご相談いただけるような人間でありたいと思います。

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