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大矢 智博 院長の独自取材記事

おおや眼科クリニック

(大田区/平和島駅)

最終更新日:2021/10/18

大矢智博院長 おおや眼科クリニック main

京浜急行の平和島駅から、徒歩約3分の場所にある「おおや眼科クリニック」。明るく広々とした待合室には、中央に海水魚の水槽が備えられている。疾患によっては本を読めない患者もおり、多数の雑誌等を置くことができないという事情から、待ち時間に少しでも気がまぎれるようにするための配慮だという。院長の大矢智博先生は、真剣に言葉を選ぶその静かな口調から、誠実さと優しさがうかがえる。「患者さんの訴えをちゃんとお聞きすることが診療の第一歩」と語る大矢院長に、クリニックの診療方針や眼科の医師としての思いなどを聞いた。

(取材日2012年6月10日/更新日2021年9月10日)

設備を整え、多くの白内障手術に対応

開業は2001年とお聞きしていますが、2006年に現在の場所に移転したとか。

大矢智博院長 おおや眼科クリニック1

開業してちょうど20年になります。以前はスペースの都合で手術室がなかったために、手術の時は他の医院の設備をお借りしていたんです。でもそれではやはり患者さんの負担になりますので、手術室のスペースを確保するために現在の場所に移転しました。併せて術後に体を休める回復室も増設しました。待合室も広くとり、患者さんができるだけリラックスできる雰囲気づくりを心がけています。私は大森生まれの大森育ちなんです。ですから、「開業は生まれ育った大森で」と考えていましたし、開業時から通っていただいている患者さんもいますので、なるべく近いところに移転したかったんです。

来院される患者さんは、どういった方が多いのですか。

小さいお子さんから高齢者の方まで、さまざまです。一般的な目の疾患はもちろん、当院では眼鏡店も併設していますので、若い方はコンタクトを作る際の検査や定期検診などでみえるケースも多いですね。大田区特に大森、蒲田は京浜工業地帯にあり、医院の近くには多くの町工場があります。金属を加工中に鉄片異物が角膜に刺さってしまったり、溶接の紫外線が原因の角膜びらんという障害が起こることがあります。大田区で診療するまでは、これほどまで数が多いとは思いませんでした。最近の傾向としては、パソコンやスマートフォンが原因と思われる、ドライアイや眼精疲労を訴える患者さんが多くなったと感じます。また、眼鏡が必要なお子さんが低年齢化しているように思いますね。私は近隣の小中学校の眼科の校医をしているのですが、近年では小学校1〜2年生で眼鏡が必要なお子さんが増えています。以前は、小学校4〜5年生くらいからが多かったんですがね。

日帰り白内障の手術を得意とされているとか。

大矢智博院長 おおや眼科クリニック2

当院では、先進の医療設備を導入し、執刀に際してはベテランの医師を助手につけるなど患者さんに安心してもらえるよう、体制づくりに努めています。その他にも、白目の粘膜のたるみを取る結膜弛緩症手術、まぶたのたるみによって狭くなった視界を改善するための手術や、ドライアイの治療である涙点プラグ挿入なども可能です。また、白内障、緑内障、高血圧、糖尿病網膜症の検診を行い、あらゆる眼疾患の早期発見・早期治療に対応できる体制を整えています。

経験を生かし、地元の眼疾患医療機関として貢献したい

なぜ眼科の医師になろうと思ったのですか。

大矢智博院長 おおや眼科クリニック3

父が薬剤師を、2人の叔父が開業医をしていたので、子どもの頃から医療関係の仕事に就きたいと、漠然と考えていました。私のいとこにあたる叔父の娘たちも医大に進み、後を継いでいます。そんな環境もあって、私も医大に進みました。しかし、初めから眼科をめざしていたわけではありませんでした。ですからあらゆる科に興味を持ち、いろいろなことを勉強しました。循環器内科に興味を持った時期もありましたが、最も興味を引かれたのが眼科でした。眼球は長さ24mm、約7g、500円硬貨と同じ重さの小さな臓器です。この小さな臓器でものが見える、その仕組みに魅了されたんです。また当時の眼科は、まだまだ確立されていることが少ない医療分野でしたので、新しい治療法や手術法によりどんどん進歩していくだろうという、未知の領域への期待もあり、魅力を感じたのです。

大学を卒業後は、どのような経緯で開業に至ったのでしょうか。

大学を卒業後、東京大学医学部眼科学教室に入局しました。入局後、全国から集まった優秀な同期の同僚と厳しいながらも楽しい研修医時代を過ごすことができました。その後関連病院に出向する一方で、大学では角膜疾患の診療・研究に従事しておりました。1996年に縁あって大田区蒲田の眼科病院に副院長として招かれ、白内障の手術を中心とした多数の手術を執刀しました。その経験を生かして、地元大森で眼疾患医療機関として地域の皆さんに貢献したいと思い、2001年3月に開業し、現在に至っています。

お忙しい毎日だと思いますが、何かリフレッシュ方法はありますか。

大矢智博院長 おおや眼科クリニック4

休日には、体力づくりと気分転換を兼ねた運動をするようにしています。学生時代はカヌー部に所属し、割とハードに動いていたのですが、医師になってからは運動をしばらくしていませんでした。そこで開業後、45歳でテニス、50歳を目前にしてゴルフを始めました。どちらも未経験のスポーツなので、スクールで一から教えてもらっています。若い頃からやっていれば、もう少し上達したかもしれないとも思いますが(笑)、楽しみながらできるくらいですので、ちょうどいいかもしれません。また、横浜に引っ越したのを機に、趣味として沖釣りを始めました。最初は堤防釣りを見よう見まねでやっていたのですが、これがなかなか釣れなくて。それなら「魚のいるところに連れて行ってもらえばいいじゃないか」と沖釣りに挑戦したところ、これが面白くなってしまって。海の上で自分を解放できるのでストレス解消にもなりますし、リフレッシュできますね。

患者の訴えに即した医療の提供を

患者さんに接する際に、心がけていることはありますか。

大矢智博院長 おおや眼科クリニック5

月並みなことですが、やはり患者さんの訴えをきちんと聞いて差し上げるということでしょうね。どんな理由で来院されたかをご本人にお話しいただいて、それに合わせた検査なり治療なりを考えていくことです。そして提案した治療や検査について、患者さんに納得していただけるように説明をするようにしています。やはり重要なのは、コミュニケーションです。患者さんの症状や表現はその方によってさまざまですが、どういったことに由来しているのかもきちんと理解しなければなりません。例えば「目がしょぼしょぼする」という訴え一つ取っても、目が乾いているのか、ゴロゴロするのか、まぶしいのか、そういったことまで加味した上で、訴えに即した治療とわかりやすい説明をすることを心がけています。

たくさんの患者さんを診察してきた経験の中で、印象に残った方はいらっしゃいますか。

そうですね。例えば、耳の不自由な患者さんとのコミュニケーションは筆談で行いますが、手術中は目が見えないわけですからコミュニケーションが取れません。どうしようかと悩んだ末に、触る場所でサインを決めることで、スムーズに手術を終えることができました。他にもエピソードはたくさんありますが、診療後の患者さんの晴れやかな顔を見たり、喜びの声を聞いたりするたびに、眼科の医師になって良かったと思いますし、やりがいを感じます。ですから、一つ一つが貴重な思い出として心に残っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

大矢智博院長 おおや眼科クリニック6

最近、テレビの情報番組などで、目の病気に関することがよく取り上げられています。放送直後には「自分の目は大丈夫なんだろうか」と心配して来院される方も多いので、日頃からご自分の目の健康に気遣うことができる良いきっかけだと思っています。特に緑内障は、40歳以上の20人に1人がかかるといわれていますが、初期は自覚症状がなく徐々に進行するために、最終的には見えなくなってしまう場合もあります。緑内障は手術が必要な場合もありますが、早期であれば点眼薬で治療をすることも可能です。ですから、40歳を過ぎたら定期的に眼科を受診し、早期発見・早期治療を心がけることをお勧めします。区の検診を活用するのも、いいのではないでしょうか。また、当院では先進の医療設備を導入して、安心して治療を受けていただけるよう環境づくりに努めています。目に関して気になることがあれば、何でも気軽に相談していただければと思います。

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